16話 虎徹対鉄平
寝過ぎたため全然書けませんでした。すいませんでした。
「取り引き?」
虎徹さんはなんで今更?といった顔をしている。
「言っとくが治の情報はやらねーぞ。欲しけりゃもう一回テストするか?」
どうやら兄の情報はそう簡単にはくれないらしい。
だが問題はない。
俺は迷わず、一言で要件を伝えた。
「異能警察官になりませんか?」
これは俺の独断だったが、かりんさんたちはあまり驚いていない。むしろ同意見だ、と言わんばかりだ。
しかし虎徹さんは納得していない。
「はぁ?なんでお前らと?マフィアにメリットがねぇだろ」
当然の反応だ。
なので俺はメリットを提示する。
「異能警察官とマフィア、目指す先は平和でしょう?近頃、異能生物の出現頻度が異常です。今は対処しきれていますが、これからはどうなるか分かりません。だったら、二つの組織で手を取り合う方が合理的ではないですか?」
マフィアの目指す平和のため、あくまでそのスタンスは崩さない。
これに対して虎徹さんはこう答えた。
「断る!お前たちと協力したところで足手まといが増えるだけだろ?どうせお前は、同じ組織内だったら治と話せる!とか考えてるんだろ?言ったじゃねぇか、お前に情報は与えねぇってな」
断固として認めていない。
しかし何故兄の事を教えてくれない?
俺はその事について質問する。
「なんで兄について教えてくれないのですか?」
虎徹さんは少し考える素振りを見せ、こう答えた。
「お前のためだよ」
「俺のため……?」
理解できない。なんで会わせない事が俺のためになる?会わせたら何か起こるのか?
そう考えていると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
「おいおい、好きに言わせておけば俺たちが足手まといだぁ?ふざけんじゃねぇぞ!俺たち忘れんじゃねぇ!」
「山本!?」
山本さんが居た。
いや、山本さんたちが居た。
「大丈夫か?頑張ったな」
敦さんだ。
「大丈夫ですよー」
「大丈夫です!」
拓人君と桃ちゃんが爽やかな笑顔でそう返す。
2人の返事に満足したように頷いた敦さんは虎徹さんに言う。
「要するに異能警察官の実力を示せばいいんだな?」
威圧感のある言葉に怯む事なく虎徹さんは言う。
「2対6で力を示せるとでも?」
「俺たち6人でマフィア2人分の働きが出来るだろう?」
敦さんは何も恥ずかしがる事なく、自分たちがマフィアよりも劣っている事を認める。
それに驚いたような表情を浮かべる虎徹さんは、すぐに面白いといった表情に切り替えて言う。
「そうだな、だが流石にその程度じゃ納得できねぇなぁ。だから3対6だな」
「3対6…?」
何を言っているんだ?マフィアには2人しかいないだろ?
そう思って虎徹さんと潤さんの方を見ると、もう1人いた。
マントを深く被った女の子?がいた。
一切気付かなかった。
「俺たちに勝ったら認めてやるよ。さぁこい!」
第3ラウンド開始だ。