プロローグ
この作品がはじめての作品ですので至らない所も多々あると思いますが、読んでいただけると幸いです。意見や感想などお待ちしております。
私は学生という都合上、時間を確保する事が難しいです。ですので更新は不定期となります。ですが、2日に1回は投稿したいと考えております。
あれは何年前の事かな?
俺は過去の記憶に浸る。あまり鮮明には覚えていないが、辛く苦しい。そんな記憶に。
爆音が鳴り響く。一緒に走る中年の男の声が聞こえる。
「クソッ!なんでここまで…!」
男は誰かに追われている。それも、かなりの人数に。
俺は男と一緒に路地裏を駆け回る。もうどのくらい走ったかも分からない。身体の疲れも感じない。身体の至る所にある傷の痛みも感じない。生きる事に必死だからだ。
生まれてからずっとこうだ。人並みに娯楽を楽しむ事もなければ、人並みに笑った事もない。そんな人生でも生きたいと思える。不思議だ。
敵と思われる1人の女が言った。
「もう無駄だって分かるでしょう?貴方は罪を犯した。この意味が分かるかしら?」
それに対して男は言葉を発する。
「分かんねぇよ、何が罪だ。人を道具のように扱う。モルモットのように実験材料にする。あの世界にも法律はあるだろ?お前らの方がよっぽど罪を犯してるじゃねぇか」
何を言ってるか分からない。理解出来ない。
「そんな事知らないわ。あの方の命令だもの。あの方が法でありルールよ。それに貴方も実験に協力していたじゃない。そんな貴方が今更正義のフリをするの?笑えてくるわね」
「確かに俺はお前らに協力した。いや、させられた」
「どっちにしろ同じよ」
「だとしても俺はお前らと違って人の心は捨ててねぇ!」
「くだらないわね。とっととその力を渡して死になさい!」
「へっ!誰がお前らの言う事なんか聞くかよ!」
男は懐から爆弾を取り出し、敵に投げつける。
このまま逃げるのかと思ったが、男は俺に語りかけてきた。
「すまねぇな。今まで本当に。俺の都合に付き合わせちまった。だが今日でお別れさ。この場所に行け。ここなら安全だ。……そうか。地図の読み方教えてなかったな。不甲斐ねぇ…。悪いが時間がないんだ。どうにか頑張って辿り着いてくれ。こんなところでもお前に頼っちまう。ダメだなぁ俺は」
男はまるで最後のような言葉を紡ぐ。
「今までの7年間、大切な7年を奪っちまったな。すまない。身勝手だって分かってるがお前には自由に生きて欲しい」
男の瞳から涙が流れる。
「さぁ行け!これからは自由に生きるんだ!」
俺は言われるままに走る。決して振り向かずに。
後ろからは爆音と火薬の匂いがする。一発、二発と。
男が何か言葉を発する。
「せめてお前だけでも。あいつらの分まで…俺の愛する……よ」
よく聞こえなかった。
だが自然と涙が溢れていた。
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