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【60秒で一気読み! キャラクター小噺】 〜もしも、こんな○○がいたら

【60秒で一気読み! キャラクター小噺】 〜もしも、こんな何を見てもリンゴしか描かない画家がいたら


【君の名は‥‥‥】





ある画家はとても著名で個展を開けば注文客で盛況なほどだ。

だが、彼にはひとつ、誰にも言えない性癖があった。

それはーー、


ある日、画家の工房にマッチョでムキムキモデルがやって来た。

ちなみに1時間8,000円だ。

服を脱ぎ、ビキニパンツ姿でテラスのウッドデッキの上に腰掛けポーズをとった。

画家は、クロッキーを走らせながらモデルに目を凝らした。

膨れ上がった褐色の胸板。

細かく隆起し、細い川が幾筋も流れるような二の腕。

腰から尻にかけたラインは引き締まり美しいS字を描いていた。

画家の目はモデルの見事に作り込まれた半裸に集中していた。


「ああ、あれだけ魅力的なボディを作り上げるのには、見えないところで随分と苦労しただろうなあ。まずは体力トレーニング、そして食事制限。食事といえば、やっぱり最後は‥‥‥」


数十分後、画家のキャンバスにはそれは見事な、やたらカッコいいリンゴがデッサンされていた。

実はこの画家先生、何を見てもリンゴしか描けないのだった。

高額でヌードモデルを採用しても長年連れ添ったリンゴが忘れられないようだ。


美大生かっつ!





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