19 ただしいい人ばかりじゃない
フィーが見習い騎士になって一週間経った。
その間のフィーの生活はとても充実していた。三人の見習い騎士とは仲良くなり、一緒にオーストルの街に買い物にいったりもした。
男物だが自分の服を買ったり、生活用品を買ったり、部屋がちいさいので、本当に小さなものだが好みのインテリアを買ったり、楽しい日々をすごした。
お金は、買い物にいくとどこからか聞きつけたクロウさんが、「給金の前渡しだ」といって渡してくれた。
そういえばレーミエはぬいぐるみが好きらしかった。
騎士志望で、男の子なのに恥ずかしいと言ってたが、フィーは別にいいんじゃないかと思った。
ショーウィンドウをちらちらと眺めながらも、店に入るのを恥ずかしがったレーミエのため、フィーはつかつかと店にはいり欲しそうだったぬいぐるみを買ってあげた。
その姿はとても男らしかったらしい。
はじめてできたといってもいいかもしれない個人的な友人と過ごす日々は楽しかったし、門外にでるのに時刻の制限はあるものの自由に出歩けるというのはすばらしかった。
フィーは第二の人生を満喫していた。
そうして一週間がたち、北の見習い宿舎にも、全員がついに揃うことになった。
その中にはフィーといざこざを起こし試合したゴルムスの姿もあった。