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 その後はスラッドたちに誘われて、一緒に晩御飯にいくことになった。

 見習い騎士たちの宿舎の一階には食堂があり、そこで食事を出してもらえる。ただし、利用できる時間には決まりがある。


「おいしいよ!おいしいよ!」


 テーブルに付くと、目に涙まで溜めながら皿に山盛りもった食事を、ばくばく食べるフィーの姿にみんながちょっと引いていた。


 確かに別にまずくはないが、こんなに目に涙をためて感動するほどじゃない……。

 それがスラッド、レーミエ、ギースの感想だった。


 フィーからすると、クロウにもらった串焼きをぬかせば、二週間ぶりのまともな食事である。

 美味しくないわけがなかった。


 スラッドたちはなんとなくヒースのことを「きっとテオールノアの子だな……」っと察した。

 ただしそれは合ってるのだが、出自としては真逆の腐っても王族の人間であることは誰も知らない。

 ましてや、邪魔者扱いで完全に無かったこと扱いされてるとはいえ、立場上は一応、王がもつ二人の妻のうちの一人であることも。


 三人ともテオールノアだからといって、ヒースに悪印象をもったりはしなかった。

 そんな人材も拾い上げ仲間にし、一緒にオーストルを守っていくこの国の騎士団に憧れ、平民出身のスラッドとギースは街の剣術道場に通い、男爵家の息子であるレーミエは剣術の教師を雇い、剣の修行をしてこの騎士団の入団試験にようやく受かったのだ。


 三人は騎士団に憧れそれを理由に入った、騎士団の思想や理念にもっとも忠実なタイプの騎士見習いたちだった。

 仲間を出自で偏見でみるとことは、恥ずべき行為だと思っていた。


 それにヒース自身にも、話していてまったくいやな印象は覚えなかった。

 むしろ、食事にマナー悪くがっつくすがたも、なんだかリスみたいで可愛かった。

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