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1、ゲームを開始しよう

 戦闘。それはとても華がある。

 強大な敵にパーティーで挑めばその一体感に酔えるだろう。

 自身のテクニックを使い難敵を倒したときそれは達成感に包まれるだろう。

 俺はこの戦場の空気が好きだ。


 だがそれだけでは終わらせない。

 敵を倒す。それだけで終わらせてしまえば先はない。

 敵を倒したら食べなければいけない。

 その身の1片もムダにするのは性に合わない。


 敵は俺の力になるべきだ。

 そして俺はより強くなり先を目指せるのだ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 (リアル)(スペック)(オンライン)というゲームがある。

 その中で気合いの入ったギルドのホームページを見つけたので俺は覗いてみた。


 ギルドが求める人材と商談窓口、実績紹介、動画や画像のギャラリー。

 これはどこの会社の窓口だ?


 動画を見ていくと鍛冶や木工、料理教室風な実況があった。


 その中で異質を放つコーナー【解体幼女テン子ちゃん】。

 興味を惹かれて覗くとそこにはケモミミ少女が鳥やネズミを解体しながら笑うホラーな動画。

 ケモミミ少女が料理に励む動画。これは普通に女の子らしい光景だ。

 ケモミミ少女がモンスターと共に戦う……血みどろのグロ動画。内臓をとかエグイ……。

 あとこの少女がモンスターとベットの上で戯れて疲れて眠る動画もあった。

 ちなみにノクターンな内容ではない。萌える内容だ。


 敵にはドラゴンだっているそうだ。

 現実ではいない生物を実際に料理できる。

 調理は解体の段階から始められる。

 これは普段できない料理を作れるということにつながるだろう。

 なんて面白い仕組みだ。


 俺は今やっているゲームの仲間に声をかけこのゲームの動画を見せた。

 一緒にこのゲームやってみないかと。


 俺は今やっているゲームでは剣士を選んでいた。


 今回はコックだろうか。

 コックスキルが生み出す包丁は、調理スキルで使えるものよりも種類が多く、武器として扱える制限も低い。

 調理スキルは一般家庭。コックは一流料亭。それほど設備差があるようだ。

 包丁を変えることで防御力無効化の倍率が変化し、ファイターの次に物理攻撃が強いという。


 盾役をしていた仲間、クローバーは鍛冶師で盾スキルをとるそうだ。

 鍛冶師はファイターに比べるとAGIの補正が著しく低くSTRとVIT、MPの補正が高い。

 盾役に向いたステータス補正だった。


 回復やパフ(補助)デバフ(阻害)を担当していた仲間、ダイヤはアルケミストで回復スキルをとるらしい。

 アルケミストはメイジに比べるとINTの補正が低くDEXの補正が若干高い。

 アイテムの作成と使用時の(クール)(タイム)が少なくなる補正がある。


 魔法での攻撃役をしていた仲間、ハートはここでもメイジをするという。

 メイジは全体的なステータスの補正が低い代わりにINTの補正がとても高く攻撃呪文が豊富。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 いつものメンツで新しいゲームをする。メンバーは会社の同僚だ。

 高校時代からの付き合いで互いに気心が知れた仲だ。

 趣味がRPGやアクションゲームくらいしかなかったメンツだったので話が合うのだ。

 主義主張が違えばケンカすれど1週間もしないうちに仲直りしてしまう腐れ縁だ。


 腐りすぎて全員童貞だけどな……。

 現金は課金に使われる。風俗に行って童貞を卒業する奴はいなかった。

 親の「孫が見たいなぁ」という言葉が耳に痛い。

 相手がいないのだ。出来るわけがない。


 次のゲームで使う予定の名前を教えあい新しいゲームに向かった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 使う予定の名前はスペードを含むもの。

 先行してやっているプレイヤーがいるので名前被りで使えないことがある。

 実際スペード単体では、その名前は使われています。になり使用できなかった。


 スペードのエースも3もキングもジャックも使われていた。

 スペードの王。これは使えるようだ。

 ではこれでいこう。


 俺はスペードの王だ。


 キャラクターメイキングは黒の狼の獣人。

 体は大きいが細長く見える。

 獣人種の特徴で肘から先、膝から先が黒い毛皮におおわれている。

 メイキングで獣人の場合頭から上を完全に獣かケモミミにするかが決められる。

 俺は男のケモミミを認めないので頭から上を完全に獣にした。

 女のケモミミは美人なら認める。


 狼の獣人の特徴は素早さが高いこと。そして魔法攻撃力が低くなる代わり平均値が高いことだ。

 夜になるとINTが下がる代わりにその他が上がるという仕様まである。


 魔法攻撃はハートにでも任せておけばいいのだ。

 俺は物理攻撃で敵を削ることに尽力すればいい。


 それに生産関係を考えるならあのギルドにも入っておきたいからな。

 条件がケモミミと生産スキルがあることだからこれでいいはずだ。

 魔法専門だとか鍛冶専門だとか獣人種を選ばないだろうダイヤやクローバーは入れないだろうな。


 メイキングを終えて白い空間に入ると先ほどまで作っていたキャラクターに入ったことを知る。

 これからようやくゲームが始まるのだ。


 使えるコマンドを調べるとスキルはスマホ入力式だった。

 スキルはモーションで発動出来るようにショートカットを設定できる。


 スマホから自分のステータスを開き初期から入っていたステータスポイントを振る。

 ステータスを(ステー)(タスをA)(GIにだ)(け振る)にした。

 白い空間を抜け目にしたのはNPCの金髪姉さん。

 話をだいたい聞くとどこに向かえばいいのか分かった。

 さっさとチュートリアルを終わらせて仲間と合流しよう。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 このゲームはアチーブメント制という形式をとる。

 同じ敵を同じ方法で倒し続けても経験値を得られないのだ。

 ただ固有名もち扱いでゴブリンやスケルトン、ゴーストといったモンスターがポップポイント毎に経験値を得られるのでカンストしにくいということはない。


 アチーブメント制では戦闘に貢献しなかったプレイヤーには寄生というアチーブメントが付きその戦闘において取得できたアチーブメントを未開封の状態にする。

 寄生というアチーブメントを外すためにはそのモンスターと戦闘したとき戦闘の勝利に関係する行動を取ることが条件になる。


 プリーストの場合武器に対し霊属性の加護を与えるスキルがある。

 そのため無属性通常攻撃無効の霊属性のモンスター例えばゴーストに対し攻撃できるようにすることが出来るので、戦闘の勝利に関係する行動をとれるので1日でカンストすることだって出来る。


 近接戦闘は技術が必要で、敵が攻撃を躱すという複雑な行動をとれるという。

 難易度をつけるとスキルでスペルを唱えれば範囲魔法を使えるメイジが1番簡単。

 スキルで命中に補正がついている弓矢を使えるレンジャーが次点。

 カウンターで敵の攻撃を叩かなければ基本当たらないファイターは3番手。

 パフォーマーは手数が他の職よりも多くトリッキーなため使い手次第。

 サモナーはソロ専用とも言える職で序盤で詰む。死に職。


 動画の少女は稀有なサモナー。もはや彼女しかいないんじゃないか?

 βの初期から始めてレベルが2ヵ月経った現在ようやく20台になったらしい。

 累計300時間かかってその有様だという鬼畜仕様。

 少女の(プレイヤー)(スキル)に問題があるわけではなくサモナーという職の補正の低さが問題。

 サモナーという職業の補正は他の職と比較してかなり低い。

 サモンされるモンスターはプレイヤーよりもステータスの補正がかなり低い。

 サモナーパーティーは合計レベルが14割でようやく通常パーティーとステータスの上で同格になる。

 お話にならないザコ職。

 よく続けられると思える。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 チュートリアルはスライムを倒すだけだった。

 再戦が可能だったので10回やった。

 アチーブメントは3回目で打ちとめになり7回は無意味だった。


 入手できたアチーブメントは全部で9個。

 訓練所のスライム討伐。

 1分以内討伐

 30秒以内討伐

 10秒以内討伐

 スキルのみ討伐

 通常攻撃のみ討伐

 地形利用

 非接触

 攻撃ノーミス

 反撃させない  

 

 倒し方を工夫しなければ成長はしないと言いたげなシステムだ。

 実際は経験値の稼ぎ方があるので成長は出来る。


 ただアチーブメントの経験値量は特殊な物ほど多いようだ。

 訓練所のスライム討伐と非接触は経験値が1しかない。

 反撃させないは経験値5、10秒以内討伐は経験値20。

 大分差がある。


 戦闘の質がそのまま入手できる経験値に代わるということか。

 工夫次第で楽しめる時間が大いに変わると。


 では楽しませてもらおうじゃないか。


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