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黄昏時、ススキ野原に着きました。

夕焼け色に染まったススキ野原で数羽の兎が跳ねながら餅をついています。

南星北星が兎にじゃれ付き、北風がススキ野原を撫でて一面波のように揺らしました。

乙女がうっとりして言いました。

『風に揺れるススキって素敵ですね』


『もう少しして太陽が沈むと月が出てくるんです。今夜は満月なので銀色の光がススキを照らして、もっと綺麗な景色が眺められますよ』


『まぁ素敵!月はいつ出てくるのですか?』


『太陽が姿を消したら、月が出てきますよ』

北風はニヤリと笑って、太陽に目をやりました。


そこで太陽はやられたという顔をして、乙女に言いました。

『僕はもう行かなくは行けません。良かったらお送りします』


『そうですよね・・』


そこに北風が口を挟みます。

『大丈夫、俺がお嬢さんをちゃんと送り届けるから』


『えっ、いいのですか?』


『もちろんですよ』


『そうですか。それじゃ僕はもう時間なので行かせて貰います。また明日』

そう言って太陽は乙女の手に口付けをする去っていきました。


太陽が姿を消すと、月が姿を現しました。辺り一面銀色に輝きだします。北風が銀色のススキを揺らして銀色の波を立てました。


『なんて幻想的なの!』

乙女はうっとりと辺りを眺めました。


『お餅出来たよ』

南星北星が出来上がったばかりの真っ白なお餅を持って走ってきます。


そして、北風と乙女は南星北星と兎達と一緒に餅を食べました。


『こんな遠くに出かけられて、こんな美味しい物を食べられるなんてまるで夢のようです。北風さん、兎さん達、南星ちゃん北星君、ありがとうございます』

と乙女はお礼を言いました。


それから乙女はふと何かを思いつくと、手を大きく広げました。すると無数の小さな水の粒が一面に浮かび上がり、ススキの穂の上に舞い降りました。小さな水の粒はススキの穂の上で月の光を浴びて夜空の星のように輝きました。


『うわー!ススキ野原が星空みたいになった!』

『お姉ちゃん、すごーい!』

南星北星が喜びました。


北風も目をぱちぱちと瞬くと言いました。

『こんな綺麗なススキ野原は初めてみた。今までススキは風に揺れているのが一番良く似合うと思っていたけど、お嬢さんのお陰で新しい発見をした』


それから、北風は乙女に頬に触れるか触れないぐらいのキスをしました。


・・・よ、よし、仲良くなった。。

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