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そして翌日。

乙女が同じ頃に同じ所で通りかかると太陽が切り株に腰をかけて湖を眺めています。乙女が近づくと太陽が振り返って輝く笑顔でにっこり笑いかけて言いました。

『こんにちは、お嬢さん。今日は良い天気ですね』


乙女は真っ赤な顔をして答えます。

『・・こ、こんにちは』


『ご機嫌如何ですか』


『・・は、はい』


『良かったら、ここに腰かけて少しお話でもしませんか』

と、太陽が隣の切り株を進めると、乙女は真っ赤な顔を横に振りました。


『・・ご、ごめんなさい。さようなら!』

そして乙女は走り去っていきました。




すると、どこからか北風は現れて言いました。

『なんだよ。大口叩いても大差ねえじゃねえか。普通に話しかけた所でそんなギラギラしてちゃ、あの子だって怯えるって』


『僕は別にギラギラしてないですよ!』


『いいや、お前の顔はギラギラして光っているって!』


『この顔は仕方ないですよ。僕は太陽なんだから!それにギラギラって例えないでくれます。どちらかというとキラキラしている顔ですから』


『ああいう初心な女の子にはギラギラもキラキラも同じなんだよ。盛りのついた犬みたい感じるんだよ』


そういって北風が笑うので、太陽は悔しそうに言い返しました。

『北風さんと一緒にしないでくださいよ。今日はちょっと上手く行かなかったけど、もっと穏やかに話しかけたらきっと僕に心を開いてくれる筈です』


北風がひゅっと息を吐きます。

『へぇ。じゃ賭けるか?どっちか先にあの子の心を開くか?』


太陽は負けじと言い返しました。

『いいですよ。でも、心を開いたとどこで判断するんですか?』

そこで北風は腕を組んで、太陽はため息を漏らします。


『そうだよなぁ。いくらなんでも、いかにも初心の女の子を相手にどっちが先にベッドに連れ込むかなんて賭けは出来ねえよな』


『それをやった最低ですね。というかなんですか、その下心丸出しの発想は』


『男なんだから仕方ないだろ。とはいえ初心な女の子相手にあんまり非道な事もできないよな。そうだな、どっちが先に手を握るとか抱きしめるとかで心を開いたかどうかわかるんじゃないか?』


太陽はちょっとあきれた顔で北風を眺めて言いました。

『肌に触れるだけじゃ判断できませんよ。この前、北風さんは嫌がるあの子の腕を掴んでいたじゃないですか』


『だからしょうがないだろう。思わず掴んじまったんだよ』


そこで北風は空を見上げ、太陽は足元に目を落として、再び考え込みました。

その時、太陽はぱっと顔を輝かせていいました。

『そうだ!キスにしましょう』


『キス?ディープなやつか?ソフトなやつか?』


『北風さんの普段するキスじゃありません。こちらからするキスじゃなくてあの子からのキスです』


『なるほど!むこうに惚れさせたらいいのか!』


『違います!恋愛のキスじゃあなくて、親愛のキスです。信頼とか感謝とか何かのお礼に頬にちょっとキスしてもらったら、それで勝ちです』


『なんだか甘っちょろいな。まぁ、太陽みたいな小僧にはそのぐらいの賭けでちょうどいいか。よし、先にキスしてもらった方が勝ちな!じゃあ勝ったらどうする』


『そうですね。負けた方が勝った方の頭上を通らない事にするってのはどうですか?』


『いいな!それ!決まりな!』


このままコメディーというかエンターテイメント風に話を進めていきたいと思います。。


というか、やっと向かう方向を決めました(笑)

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