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短編置き場

俺と俺と俺。

作者: 奈蘭鹿

意味不明でごめんなさい。

「きゃあああーー、死ぬううーー、助けてええーー!!」


突然、遠くからそんな叫び声が聞こえた。


あざといなと、つい俺は思ってしまった。


このまま知らぬふりをして学校にいくべきか、助けにいくべきか。

こういうときに限って、俺は判断力が鈍ってしまうなんて。コンビニに行ったら必ず2分以内に買うものを決めてレジに並んでしまうこの俺が。


くそ、どうすればいいんだ……


おそらく今ここで行動しなかったら後悔する気がする。いや、しかしここで動いたとして実はおばさんの発声練習してる声とか、いい年したお爺さんがロリ声の練習してるオチだったらものすごく恥ずかしいじゃないか。


「う~~ん」


すぐ目の前には俺が通う学校が見えるのに。

あと一歩踏み出せば校門を抜けられるのに……。

あああ

あああああああああああああ、わかったよ、わかぁったよ!!


行けばいいんだろ!! 心配してかっこ良く助けりゃいいんだろ!!!

一歩踏み出すはずの足を引っ込めてUターンしようとする。


そう自棄(やけ)になったときだった。


『本当にいいのか、それで? 学校に遅刻しちまうぞ』


あぁ? 今、なんか幻聴が聞こえたような気が。


『お前のコミュ度が下がるんだぞ』


どこから現れたのか、“俺”をミニデフォメして+悪魔っぽいコスをしているもう一人のすっげぇ痛い自分がいた。

もちろん空に浮いている、俺の目線くらいの高さだ。


「お前、誰だよ」


自分だってわかってるけど、聞かずにはいられなかった。好奇心ってやつは怖いな。


『お前だよ』


いや、知ってるけど。

どうしてそんなに痛いの? 俺ってそんなに痛い?


「え、俺!? マジか、凄いな俺。さっすがぁ!俺」


思わず褒めてみる。お、照れてる照れてる。


『う、嬉しくなんかないんだから。褒めたって何も出ないわよ。』


隠れツンデレ属性だ。意味わかんねぇな、おい!

しかも男の裏声でツンデられても、正直気持ち悪いだけだぞ。


「俺、そろそろ行かなきゃいけないところがあるので、そんじゃ……」

『わ、お、おい! 行くなよ!!』

「何でだよ!」

『何でもだよ! だめなもんはだめ。さっさとお前は学校に行くべきだ』


なかなか手ごわいな。ここは強行突破で行くしかない!


 ――と思ったときだ。


【行ってはなりませんよ】


っく! 次の刺客は誰だ?


「だ、誰だ!?」

『お、お前は!!』


そう。

そこにいたのは、神のように神々しく、背中にある

      2対の煌びやかな白い羽を羽ばたかせ、天から光を共に降りてくるのは……




“俺”だった。





「ま、眩しい。なんて美しいそうぞうをぜっするほどにいたいのだ」

『じょ、浄化される……!』


悪魔の何千倍以上もレ、レベルが高ぇ!!


【さぁ、高等学校ではなく、聖母“俺”学院に通うのです。いいですか、神のお告げですよ?】


意味わかりません。なんですか? 聖母俺って、マ●ア様に失礼ですよね?


「はぁ、わかりましたよ。そのなんとか学院には行かないですけど、おとなしく学校に登校しますよ」


正直いってツッコミに疲れたとか、これ以上痛い俺を見たくないとか置いといて、そろそろ学校に行かなければ完全に遅刻してしまう。


俺はまたUターンして、校門に入ろうとしたが!!!


「ねぇ、茜はさー、ぶっちゃけ好みのタイプってどんなのー?」

「え?! わ、わたし!?」


二人の女子高生が通り過ぎようとする。


俺は思わず立ち止まり、つばを飲んだ。

なぜなら、茜さん=彼女は俺が小1からずっと思いを寄せる片思い相手だからだ。

未来の嫁さん(予定)の好みのタイプが聞くことも今後の参考だ。決してやましい思いなんてないぞ。


「わたしはね、困っている人がいたらすぐに駆けつけて助けてくるような心優しい好青年が好みかな」


『お、おい早まるな。 あんなビ●チの言うことなんて信じるなよ』

【そうですよ。 果報は寝て待てというようにあせらずに……】(あの女、後で殺る)


ブチッ


俺の中で何かが壊れる音がした。


『【やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

  やめてくださああいいいいいいいいいいいいいい】』



悲鳴が聞こえたはずだろう角を曲がった先には―――。



別にネタ切れってわけじゃないんだからね

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