第1章 はじめに――「ヒトは最終成長型ではない」という仮説の背景
人間(Homo sapiens)は、通常、生誕から幼児期、青春期、成人期、老年期を経て、やがて死を迎える生物だと考えられてきた。つまり、遺伝子レベルでプログラムされた“成長→成熟→衰退→死”というプロセスがあらかじめ決定されている、というのが一般的な理解である。しかし一部では、蝶やセミ、あるいは海洋生物のように“幼体”と“成体”の形態が大きく異なり、脱皮や変態を経て最終成長型へと到達する例があることに着目し、「じつはヒトも現在の姿は“幼体”ないし“準成熟段階”にすぎず、本来はさらなる変態・変容を経て“最終成長型”に達するのではないか」という大胆な仮説が語られることがある。
この説によれば、多くのヒトはその最終段階を迎える前に自然死(寿命)によって一生を終えてしまう。しかし、ごく一部の個体においては、その“変態”を完了し、飛躍的に異なる次元・形態へと至る――つまり「天使」や「宇宙人」といった姿で伝承される存在になる、という筋書きだ。さらに、それら“完全なる成体”として進化した人数が、例えば聖書の黙示録で語られる“救済される者の数”と重なるのでは、という解釈も付け加えられている。
本稿では、この説を検証しつつ、もしヒトが本来持つ“最終成長型”に到達した場合にどのような姿・性質を持ち得るのかを推測する。そして、なぜそのような真実が今のところ公に明示されていないのか、その理由や背景についても、神話学、宗教的イメージ、スピリチュアル思潮、そして自然科学的観点から考察を試みたい。




