表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奇眼サーチログ  作者: うなぎタコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/5

第5話 入れ替わりの眼

「俺は確かに宿にいたはず・・・なのになんで今、外にいるんだ?マジで瞬間移動したみてぇじゃねぇか」


 ロデスは日が沈み暗くなりつつあるフォルアルトの街を六階建ての建物の屋上から見渡しながら元居た宿を探し始めた。幸いすぐに今いる場所から南西の場所に宿を見つけることができロデスは建物の中の階段を使い下まで降り宿を目指して走り出した。

 数分後、宿に着いたロデスは二階の部屋まで駆け上がり扉を開けた。だが部屋の中にミィナスの姿はなかった。代わりに机の上に一枚の紙が置かれていた。

 その紙には『真実の眼を持つ少女は攫わせてもらった』と書かれその紙の端に黒蛇クロヘビと書かれていた。


「ここでも黒蛇か・・・ってことはこの瞬間移動に奇眼が関係してるのか?とにかく今はあいつを探さないとな」


 ロデスはミィナスを攫ってこの部屋から逃げだすために使った開かれた窓を見つめ手に持っていた紙を握りつぶし決意を固めた。


「にしてもどこから探すか・・・手がかりがまるでねぇ。とりあえず人気のないところを探すか」


 ロデスは宿を出て路地裏を重点的に探し始めた。だが手掛かりになりそうなものは何一つ見つからない。そうこうしているうちに陽が完全に落ち、街を照らすのは街頭の明かりだけとなった。


「くそ、いったいどこにいるんだよ。こんなに探して手がかり一つねぇ」


 ロデスがベンチに腰掛けそうつぶやいているとどこからか黒い猫が何かを咥えて近づいてきた。


「おい、その咥えてるネックレスはミィナスが着けてたやつだぞ。どこで見つけてきたんだ」

「にゃーん」


 黒猫からネックレスを取り上げると猫はひと鳴きしてついて来いと言わんばかりに数歩、歩いては振り返っていた。


「・・・猫の手でも借りてみるか」


 ロデスは黒猫を見失わないように後を追った。黒猫は路地裏には行かず街の中を走り回り一軒の空き家にたどり着いた。


「ここなのか」

「にゃーん」


 ロデスを案内し終わった黒猫は一鳴きしてどこかへ行ってしまった。ロデスは拳銃を構えながら空き家に入っていった。空き家の中の部屋を一つ一つ慎重に確認していった。

 そして最後の扉に手をかざし拳銃を構えながら勢いよく扉を開けた。


「迎えが来たと思ったら・・・ネズミが入り込んできやがったか」


 扉の先には赤髪の男が綿が剥き出しになっているボロボロの椅子に座っていた。だがこの部屋の中にミィナスはいなかった。


「おい、お前ミィナスはどこにいる」

「おぉ、怖い怖い。いきなり拳銃を向けるなよ」


 ひらひらとやる気無さそうに手を挙げながら男はそう言った。


「いいから答えろ、ミィナスはどこにいる」

「ミィナス?・・・あぁ、あの真実の眼を持つ少女の事か、それなら合わせてやるよ・・・」


 男がそう言ったその時、男の姿は一瞬にして消え男が座っていた場所に小柄な少女ミィナスが現れた。


「ミィナス!」

「ロデス!奴の眼は・・・」


(今、眼って言ったか?やっぱりこいつの眼は奇眼。おそらく能力は入れ替えだろう)


 ミィナスと再会できたと思ったもつかの間、何か言いかけていたミィナスは一瞬で消え、赤髪の男が再び現れた。


「これで満足か?」

「ふざけるなよ」


 男のその一言が頭に来たロデスは拳銃の引き金を引きわざと男の顔の横をかすめるように一発撃ちこんだ。


「次は頭だ」

「やってみろ」

「・・・お前何か企んでるだろ。またミリティアと入れ替わるのか?」


 どこか余裕そうな男の挑発には乗らずロデスは男に拳銃を向け続けていた。


「お前意外と感がいいな。あぁ、その通りだよ。どうする?撃つか?」

「今は撃たねぇよ」


 ロデスは男に向けていた拳銃を降ろした。


「うん、正しい判断だ」

「お前、ミリティアをどうするつもりなんだ」

「一般人のキミには関係ないことだよ。だから今すぐここから立ち去るんだ。じゃないとキミを殺すことになってしまう」


 そう言って男は服の袖からナイフを取り出した。


「脅しのつもりか?」


 ロデスは男がナイフを取り出したのを見て再び男に銃口を向けた。


「脅しじゃないよ。その気になればキミと真実の眼を持つ少女を殺すことだってできる。ただ上からの命令で真実の眼を持つ少女を生け捕りにしないといけないから殺すのはキミだけだ」


 男はにこりと笑みを浮かべ持っていたナイフをロデスに向かって勢いよく投げつけた。そのナイフをロデスは寸前で避けナイフは壁に突き刺さった。すかさずロデスも引き金に指をかけ男に弾丸を撃ちこもうとしたが脳内をよぎったのは男がミィナスに入れ替わることだった。そのことがよぎり引き金を引くのを躊躇してしまった。

 その一瞬のスキを突かれロデスは二本目のナイフを右肩に受けてしまった。


「どうした、その持ってる銃は飾りか?」

「クソがッ!」


 ロデスは挑発してきた男に向かって三発発砲した。その三発の弾丸は男の持っているナイフによって防がれてしまった。


「ほーら、どうした?頭を撃ち抜くんじゃないのか」

「うるせぇ!」


 ロデスはもう一度男の頭に照準を合わせ怒りに任せて発砲した。するとやはり男は一瞬でどこかにいるミィナスと入れ替わった。だがロデスの放った弾丸はミィナスには当たらなかった。そう、ロデスの撃った拳銃に弾は入っておらず空砲で音だけがなっていた。空砲を撃ったロデスはすぐにミィナスの前に立ち、ミィナスを抱えて窓から外に飛び出した。そのままロデスはミィナスを抱え、宿まで走って逃げた。


「あー逃げられたか。まぁ、すぐに取り戻すさ。この眼がある限り俺からは逃げれないからな」


 ロデスト争っていた部屋に戻ってきた赤髪の男はロデスとミィナスが逃げていった方を見てそうつぶやいた。

 フォルアルトの夜は始まったばかりだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ