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奇眼サーチログ  作者: うなぎタコ


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第4話 貿易都市フォルアルト

「おい、ミィナス走れ!乗り遅れるぞ!」

「ダメ・・・もう走れない・・・」


 ミィナスとロデスはバルモス街から出るため今にも出発しそうな列車に乗ろうと走っていた。

 ロデスは走り疲れてヘロヘロになったミィナスを引っ張って何とか二人は列車に乗ることができた。


「ハァ、ハァ、何とか間に合ったね」

「お前が早く起きればこんな事にはならなかったんだぞ」


 二人は開いている席に向かい合うように椅子に座った。この列車はフォルアルトという中央大陸南部と北部にまたがる街だ。二人が目指す孤島に行くにはそこで乗り換えて次の街、トルテに向かわなければならない。


「フォルアルトまではまだ距離はあるし私は寝るよ」

「起こさねぇからな」

「じゃあ起きとく」

「そうしとけ」


 それから二人は中身のない会話を続けフォルアルトに着くまでの時間をつぶしていた。そして列車はフォルアルトの駅に到着した。


「トルテに行く列車は反対側のホームだな」

「この街を観光できないのは残念だね」


 だがトルテ行きのホームにはなにやら大勢の人だかりが出来ていた。ミィナスはその人だかりの中にいる一人の男性に話しかけに行った。


「ねぇ、ここで何かあったの?」

「トルテ行きの列車が土砂崩れで立ち往生してるってさっき駅員から聞いたんだ。もしかしたら今日中にトルテには行けないかもな」


 男はそう言いながらその場を去った。


「・・・どうするんだ?」

「時間ができたし観光でもしようか。この街のケーキ屋で売ってるフルーツタルトが食べてみたいの。あとお腹空いたからご飯食べたい」

「なら列車が来るまで街を歩いて飯でも食べるか」


 二人は駅を出てフォルアルトの街を散策し始めた。フォルアルトは南部と北部の間にまたがる街なだけあり交易が盛んで様々な商品や人が集まる交易都市なのだ。この街の中央には大きな噴水広場があり露店が多く立ち並んでいる。


「ほら、買ってきたぞ」


 ロデスが露店で買ってきたのは炭火で焼いた串肉だった。その串肉を一本ミィナスに渡した。


「あっちに座れそうな場所があるからそこに行こう」


 ミリティアの提案で広場の端にあるベンチへ二人は移動した。


「なぁ、聞いたか。酒屋の主人の話」

「あぁ、聞いた聞いた。外を歩いていると思ったら宿の屋上に居たって話だろ?どうせ酔っぱらってたんだろ」

「いや、その日は一滴も酒を飲んでいなかったみたいなんだ」


 二人がベンチに座って串肉を食べていると二人の男が奇妙な会話をしながら前を通った。


「面白い話を聞けたね、ロデス」

「まぁ、気になりはするな」

「なら調べに行こうか。どうせ列車が来るまで時間はあるんだし」


 そして二人は話に出ていた酒屋に向かって歩き出した。道行く人に酒屋の場所を聞き、広場から歩き始めて数分で酒屋を見つけることができた。


「ここが例の不思議な体験をした男がいる酒屋だね」


 ミィナスは扉を開けゆっくりと中へ入っていった。


「おや、いらっしゃい。今日もいい酒が入ってるよ」


 店に入るとタオルを頭に巻いた大柄な男が立っていた。


「あなたが店主さん?」

「あぁ、いかにも俺がこの酒屋の店主マルド・クイオンだが何か用があるのか?」」

「あなたが体験した不思議な出来事について話が聞きたいの」

「あの話か・・・お前らも話を聞いて俺を笑いに来たのか」

「そんなことしない。私はただ暇つぶしにこの面白そうな謎を解きたいだけだよ」

「そうかい、ちょっと待ってな」


 そう言うとマルドは店の裏から椅子を持ってきてミィナスとロデスを座らせた。


「あれは二日前の夜だった。俺は毎晩決まった時間に散歩に行くんだがその日は仕事が忙しくて一時間遅れて散歩に行ったんだ。そしたら噴水のある広場から急に宿の屋上に居たんだ。まるで瞬間移動したかのようだったな」

「その日は何時頃に散歩に出たんですか?」

「20時だったかな、いつもは19時に散歩に行くんだ」

「噴水広場から宿までどれくらいの距離がありますか?」

「歩いて十分くらいの距離だな。一応、広場から宿の屋上が見えるぞ」


 一通りマルドの話を聞き二人は店を後にした。その後二人は広場に戻っていった。


「店主が言ってた宿はあそこだな。確かにここから宿の屋上が見えるな」

「問題はどうやってここから宿の屋上に行ったかだね」

「やっぱ無理じゃねぇか?ここから宿の屋上が見えるって言ってもほかの建物もあって直線的には移動できない。やっぱ店主が酔っ払ってたんじゃないか」

「じゃあ、それを確かめに宿に行ってみようか」


 二人は宿に移動した。宿の中には一人の女性がフロントに立っていた。


「ようこそケルトの宿へ。お部屋はいかがしますか?」

「部屋は二人部屋を一部屋。それと少しいいかな?二日前の夜にマルド・クイオンという男がここに来なかった?」

「いいえ、来てませんが・・・」

「それと、この宿の屋上に上がる方法は中から上がる以外にある?」

「いいえ、外からは上がれないようになっています」

「そう、情報ありがとう。部屋の鍵貰っていくよ」


 ミィナスはフロントに置かれたカギをもって部屋に向かった。


「おい、なんでお前と同部屋なんだ。二部屋取ればよかっただろ」

「二人部屋の方が安いの。それより聞いただろ、マルド・クイオンはここにきていない。つまりマルドは宿の正面から屋上に上がったわけじゃなく本当に瞬間移動したんだよ」

「じゃあ、どうやって屋上に瞬間移動したんだよ。マルド・クイオンに特別な力があるってのか?」

「それは・・・わからないけど・・・とにかく瞬間移動したんだよ!」

「はぁ、もうそれでいいよ」


 ロデスはベットに腰掛けため息を吐きながら窓越しに沈む夕日眺めた。


「それでこの後は何するんだ?早いが風呂にでも・・・・って、ここどこだ?なんで俺は外にいるんだ?ミィナス?」


 宿の部屋の中から窓の外を見ていたロデスはいつの間にか六階建ての建物の屋上に座っていた。


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