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奇眼サーチログ  作者: うなぎタコ


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第3話 旅立ち

 街の病院のベットの上でロデスが目を覚ましたのは襲撃から丸一日が経った時だった。外は夕日に染まっていた。


「やっと眼を覚ましたかロデス」


 窓際で煙草を吸いながらロデスが目覚めるのを待っていたのはバルモス中央警察署に所属しているオルダン・バルディだった。


「オルダンさん、なんでここで煙草吸ってるんですか」

「窓開けてるんだからいいじゃねぇか。それよりもう体は動くのか」

「少し痛みは残ってますけど動きますよ」

「なら、今すぐ外に出てミィナスのところに行ってやれ。涙を流すほどにお前のこと心配してたんだからな」

「何言ってるんですか、あいつが俺のことで泣いて心配するわけないですよ。まぁ、外で待ってんならさっさと連れて帰りますよ」


 ロデスはベットから起き上がりそしてそのまま病室を後にした。オルダンが言っていた通りベンチに一人たたずんでいる少女がいた。


「ほら、ミィナス帰るぞ」

「もう、病院を出ていいのね・・・」


 ミィナスはどこか元気が無さそうだった。


「どうしたんだお前、なんか変だぞ」

「そんなことない!さぁ帰るわよ」


 ミィナスは照れ隠しするようにロデスの腕を引っ張り速足で歩き始めた。


「おい、まだ痛みが残ってんだからあんま引っ張んな」


 二人は夕日の暮れる街を歩き探偵事務所へ帰った。


「ん?おいミィナス、手紙届いてるぞ」


 探偵事務所のドアの隙間に一枚の手紙が挟まっていた。


「依頼の手紙か?」


 探偵事務所の中に入りロデスはミィナスに手紙を渡した。ミィナスはソファーに座って手紙を読み始めた。


「・・・この手紙,お父さんからだ」


 手紙の送り主は八年前突如失踪したミィナスの父ロドル・ネルトからだった。手紙には『孤島で待つ』と書かれているだけだった。


「どうして今更お前の親父さんは手紙なんて送ってきたんだ?それに『孤島で待つ』ってどういうことだ?」

「・・・ロデス、地図を持ってきて」


 そう言われたロデスは散らかったミィナスの机の上から地図を探し出しミィナスに手渡した。


「孤島なんてこの地図に載ってるのか?」

「うん、目星はついてる。・・・あった。ここだ」


 ミィナスが指さした場所は何もない海の真ん中だった。


「おい、からかってるのか。そこには何もないだろ」

「私の眼には見えてる」


 よく見るとミィナスは眼を見開いてた。その眼は金色に光っていた。


「ロデス、私の奇眼の能力忘れたの?」

「いや、その眼を見て今思い出した。あまりその【《《真実の眼》》】で俺を見るなよ」

「思い出してくれたならそれでいいんだ。私に嘘は通じないからね」


 ミィナスの持つ奇眼【真実の眼】は偽りを見抜き真実を見ることができる。人に使えば嘘や隠し事ができず本当のことを話してしまうのだ。


「それで、そこにあるんだな」

「うん、隠されてるけどちゃんとあるよ。リエイ島、それがこの孤島の名前だよ」

「ここからだいぶ距離がある、本当に行く気なのか?」


 地図に隠された孤島、リエイ島。ここバルモス街のあるラント中央大陸からはるか北東の海にその島は存在する。


「この手紙が送られてきたということは父さんはまだ生きている。だったら私は会いに行きたい」

「なら三日後だ。それまでに色々準備するぞ」

「じゃあ早速準備をしないとな!」

「落ち着け、まだ三日先だ・・・」


 それから二日が経った日の朝――――


「ミィナス、俺はこれから少し出かけてくる」

「うん、分かった。帰りに何か甘いもの買ってきて~」

「覚えてたらな。あと、お前は早く荷物詰めとけよ」


 ロデスはソファーでくつろぐミィナスを横目に見ながら外に出かけた。暖かな陽の下街にはいつもの如く多くの人が行き交い賑わっていた。そんな街の一角にある花屋の中にロデスは入っていった。


「あ、いらっしゃいロデス君」

「ルリィ、そこの白いキクの花を一本くれないか」


 この花屋の娘、ルリィア・フレンリはロデスとは幼馴染でロデスはよくここに花を買いに来ていた。


「そういえば今日はカディールさんのところに行く日だったね。はいこれ」

「ありがとうルリィ。それと明日から俺、しばらくこの街にいないから」

「え!?急にどうして?」

「色々あってしばらくミィナスと旅に出ることになったんだ」

「いつ帰ってくるの?」

「ひと月は帰ってこれないな」

「そっか、寂しくなるね。でも、お土産話楽しみに待ってるから」

「あぁ、楽しみにしてな」


 そうルリィと話をした後ロデスは店を出た。そしてロデスは花屋で買った白いキクの花を持って墓地へ向かった。その墓地の一角に【カディール・テルエイト】と書かれている墓石の前にロデスは立った。カディール・テルエイトはロデスがまだバルモス中央警察署で働いていた時の三つ上の頼れる先輩だった。だが四年前、黒蛇クロヘビという奇眼を使った犯罪組織の一員であるウェルド・レトスという男に殺されたのだ。

 そして今日がカディール・テルエイトの命日なのだ。


「先輩、今日も来ましたよ」


 ロデスは花を置き手を合わせた。


「俺、明日からしばらくこの街を離れます。ミィナスが八年前に失踪した親父さんに会いに行くのについていくんです。もちろん護衛としてですけど。それにこれから向かう場所は地図に書かれていない場所だったんです。でもまぁ、この先何が起こるかわかりませんが先輩に変わって必ず奇眼を持つすべての人間を俺が始末します」


 そう言ってロデスはカディールの墓に背を向け墓地から離れていった。それから暫くたってロデスは探偵事務所に帰ってきた。


「帰ったぞミィナス」

「あ、お帰り・・・ロ、ロデス・・・」


 探偵事務所に帰ってきたロデスを見てミィナスは眼を泳がせばつが悪そうにしていた。そこには衣服や本、鞄などが散乱していた。


「ミィナス・・・なんだこの散らかり具合は?言ってみろ」

「え、えっと・・・明日の準備をしてて・・・それで・・・」

「それでなんだ?」


 さらにロデスは圧をかけた。


「・・・すぐに片づけます」

「早く片付けねぇとせっかく買ってきたプリン無くなっちまうぞ」

「すぐに片づけます!」


 ロデスの持っているプリンが目に入ったミィナスは急いで事務所を片付け始めた。だが急げば急ぐほど事務所が散らかっていき結局事務所が片付きミィナスがプリンを食べれたのは夕飯を食べた後だった。


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