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序曲(オーバーチュア):破壊令嬢と未来視王子

 伯爵令嬢セリア・エストレラの世界は、瞬きと共に崩れ落ちた。


 エルセリオ王国の盲目の第一王子、リシュアン・アストレイアとの縁談の席で挨拶を交わした刹那に、彼女の脳裏に襲いかかった閃光、そして幻夢。

 かつてのセリアはこの大陸の斜陽、滅びの厄災の主を倒した勇者カレルレイス。

 そしてリシュアンは救国の聖女アレアナ。

 自分ではない自分の記憶に眩暈しながらも、腑に落ちていく生まれ変わりの確信。

 セリアはかつて何度も告げた言葉を震えながら声に出す。


「あなたの手は民を救うためにあり、私の手はあなたを守るためにある」


 一兵卒だった若い兵士は、試練の剣を引き抜いたことで『勇者』の定めを負った。

 王家の姫として生まれた少女は、『救国の聖女』として魔王に立ち向かう定めを負わされた。

 長い旅路の果て、憐憫が共感にかわり、次第に恋へと移り変わった感情を告げることなく終えた人生が蘇る。

 セリアの言葉に戸惑いを隠せない大人たちを尻目に、(めしい)た瞳にあたかも光が宿ったかのように、リシュアンもまた静かに微笑み、告げる。


「……あなたに祝福あれ」


 それは聖女が幾度も勇者に捧げた、祈りの言葉だった。

ご覧いただきましてありがとうございます。

久しぶりの連載です(ご挨拶は改めて)。

このプロローグ含め、初回3話は同日アップ、区切りのよいところまでは毎日アップいたします。

見失わないようにブクマ等して追ってくださると嬉しいです。よろしくお願いします。

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