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ひとりぐらしのたんぽぽ

作者: 彼方

◎ひとりぐらしのたんぽぽ


 とある公園の何もない一角にたんぽぽがポツリとひとつだけ咲いていました。

 それを見た娘は

「ひとりぐらしだね」と言い、たんぽぽに近寄りました。私も「そうだね」と言い近くに行ってみました。

(! 珍しいな。これはニホンタンポポだ)


「このたんぽぽが綿毛になる頃また来ようか」

「うん!」


 数日後


 たんぽぽは綿毛になっていました。

「ふーってしてごらん」

「ふーーー!」


 フワッと綿毛は飛び散りました。

「増えるといいね」

「うん!」


 1年後


 たんぽぽは十数箇所に咲いていました。全部ニホンタンポポです。あの時のひとりぐらしのたんぽぽが家族を作りました。

(増えたなー)と私はひとり喜びました。小さかった娘は去年のことは忘れているようでした。



 2年後


 子供はもう2年前のことなど微塵も覚えていません。けど、その場所はビッシリとたんぽぽが咲き誇り真っ黄色の絨毯になりました。そしてそこはたんぽぽ広場と言われ子供たちの集まる場所となりました。


(あの、ひとりぐらしだったニホンタンポポがこんなに。頑張ったなあ)そう思いながら私は綿毛を何十年かぶりにフーっと吹く。


 風が種をまた運んでいった。

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