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お久しぶりです

キャロライン10歳、スタートです!

相変わらず残念美少女のキャロラインの物語をお楽しみくださいませ〜


 お久しぶりです。キャロライン・ヴィゼッタ末端田舎伯爵令嬢10歳です。

 お気づきでしょうか?

 そう、貧乏が取れたのだ!

 キャロライン商会とヴィゼッタの領民とそしてお父様達家族みんなで一丸となり、借金も全部返し終えてすっきり爽やかなのだ。


 あの運命の7歳の誕生日から3年。変わったことも変わらないこともあった。


 まず、3分時戻しの魔法のための気絶鍛錬だが、お兄様とロニドナラ領の訓練に参加させてもらう時を狙ってお兄様と共に気絶しまくった。

 始めのうちはとても心配されたが回を重ねるうちにみんな慣れてきたようで、途中から訓練場に気絶したら寝られるスペースが確保されるようになった。

 心配かけて申し訳ない気持ちがいっぱいだったから慣れてくれて良かった。

 お陰で目標の11回クリアする事ができた。ウメの太鼓判付きだ。

 ウメが言うにはお兄様の方も随分魔力の器が大きくなったそうだ。


 ついでにロニドナラ領の貴族の騎士見習い達の器も。

 見た目華奢な私達が気絶を繰り返して頑張る姿に脳筋、いや、騎士として負けてられないと私達以上に鍛錬に励み気絶者が続出するようになったのだ。

 そう、みんな気絶は日常の風景になって慣れたのだ。

 気絶した人は寝かせるスペースに雑魚寝状態で転がされるようになった。私やティアラちゃんも遠慮なく転がされる状態だ。


 そして、そこまで鍛えると貴族の騎士見習いは魔力の器が大きくなって魔法が爆上がりし、平民の騎士見習い達もそれに対抗するべく身体機能が常人レベルを突破していった。

 それに負けじと騎士達も以下同文。

 今や騎士見習いや騎士の方が王城の騎士より強いかもしれない。


 余談だが、どうやらお兄様に聞いてソル様も気絶鍛錬を繰り返し魔力の器が大きく広げたようだ。


 ユーリカちゃんだが、この3年間ずっと文通を続けている。

 手紙の内容は婚約者のカリム様のことが多いが、仲良くやっているみたいだ。良かった。

 王子妃になる勉強も始まり忙しいらしく、あのお出かけ以来会えていないのが残念だ。


 ベラちゃんとは文通以外にも社交シーズンのお茶会で会っている。

 身長も私と同じくらいだけど、胸の発達がはっきり違う。わがままボディの片鱗が見え始めていて、うらやましい限りだ。

 婚約者の脳筋パスカル君とはあれ以来会ってないが、ベラちゃんとはよく出かけたりお茶会したりとその仲は良好らしい。

 気になることと言えば、ベラちゃんもだんだん筋肉に詳しくなってきている部分だろうか。


 私の専属侍女になったキリルだが、15歳になった。身長が150センチあたりで止まってしまい、今は私の方が少し背が高い。

 髪型も短い方が手入れが楽だと出会った当初のままでキリルはあまり見た目が変わっていないかもしれない。

 中身はパワーアップしているが……。

 専属侍女をしつつ、ウハウハとキャロライン商会を切り盛りしている。

 相変わらずチャリ〜ンが大好きだ。


 その母ライラと祖母ミューレだが、キャロライン商会が軌道に乗り始めた頃、改めてうちに勤めてくれる事になった。

 ヴィゼッタ領が着々と潤ってくるに伴って、お父様達の仕事が倍増したのだ。

 もう、家事をしながらなんて手が回らない。

 それでミューレとライラにヘルプを出す事になった。

 ミューレは住み込みで、ライラはノットさんとの新婚のお家から通いだ。ちなみにキリルは新婚家庭でも全く気にしないでノットさんとライラと暮らしている。

 ノットさんがめちゃくちゃキリルを可愛がっているのだ。もう、目に入れても痛くない状態だ。

 キリルにとっても大好きなお父さんのようだ。


 さて、一番お知らせしなくてはいけない事がある。


 なんと私、お姉様になったのだ!


 去年の夏に弟が産まれた。いや、言い間違った。天使が産まれたのだ。

 髪はお母様と私と同じ淡いピンクに萌葱色の澄んだ瞳、チョンとした鼻、桜の花びらのようなピンクの小さな唇、顔立ちはお父様とお兄様に似ている。

 私の可愛い可愛い天使だ。

 名前はリンストン。

 

 リンストンは抱っこするとほにゃほにゃでミルクの甘い匂いがしてニパ〜と笑うのだ。間違いない、私達は相思相愛だ。


 そんな相思相愛の私達はしばしお別れとなる。

 悲しすぎる。

 なぜなら、私はとうとう今年は王城の夜会にデビューなのである。しかも、そのまま寮生活。

 お兄様のそばは嬉しいが、リンストンと離れるのは寂しすぎる。

 お母様はリンストンと共に社交シーズンには毎年来てくれるお祖父様とお祖母様、ミューレとお留守番だ。

 くぅ、羨ましすぎる。


 そうだ、学園は家から通おう。

 大丈夫。体力あるし毎日通える。

 王都は遠いから家で寝る時間はないだろうから、うん、授業中寝ればいいだけだ。

 いや、それより病気ということにしてリンストンの入学に合わせるのはどうだろう。10年なんてあっと言う間だ。


 私は早速お父様とお母様に言うとお二人とも顔がスンとなった。

 分かった。

 駄目なんだね。

 ウメのアホの子を見るような視線が地味に痛かった。


 そんなこんなで私は泣く泣くリンストンと別れ、王都のヴィゼッタのお屋敷に出発したのだった。




いいね、ブックマーク、評価をありがとうございました。


毎日投稿したいところなのですが、しばらくはお仕事のため不定期での投稿になると思います。

完結目指してがんばりますので、お付き合いくださると嬉しいです。

よろしくお願いしますm(_ _)m

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― 新着の感想 ―
[良い点] いつかのお兄様と全く同じこと言ってる(笑) この似た者兄妹は…www
[良い点] 生まれたての弟とギャンかわなので離れたくない気持ちわかる〜!!新生児は毎日が成長!かわいさの倍さらに倍でドーン!!生まれて三年間が可愛さのピークだから親が子育てできるって説もありますし…大…
[良い点] キャロたんお帰りなさい♡ 残念度は堅調で何よりです(笑 ヴィゼッタ家の赤様ならそれは可愛いしかないでしょうね〜ハウルお兄様もご両親も赤様と赤様におねえさまするキャロたんをほくほく愛でておら…
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