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びっくりしたよ

本当にどのお料理も美味しかった。

 美味しくケーキまで食べ終わった後は家族からのプレゼントタイムだ。


「キャロ、僕からのプレゼントだよ」

「お兄様、ありがとうございます!」

 私はお兄様からビーズで模様が編まれたブレスレットを受け取った。


「可愛い!」

「キャロ、これは僕が作った守護のブレスレットだよ。学園で習ったんだ」

 お兄様の手作り!?

 ピンクを基調としたビーズに蒼や水色のビーズで模様が編み込まれていた。

 ミサンガのビーズバージョンなブレスレットだ。


 私は早速付けるとブレスレットが縮み私の左手首にフィットした。

 おお、魔法すごい。


「何の守護がかかっているの?」

「身代わりの守護だよ。心臓が止まった時にのみ魔法が発動して、ブレスレットが身代わりに砕けるんだ。本当は怪我とかも身代わりになってくれるような守護も付けたかったんだけどまだ難しくて」

 お兄様が困ったように微笑んだ。

 天使だ!

「お兄様、ありがとう。大事にします」


「じゃあ次は私から。その前にキリル、こちらに来てくれるかな?」

「はい」

 お父様がキリルを呼んだ。

 もしかして、ここで契約の結果が出るのだろうか。

 私はドキドキしてお父様とキリルを見た。


「キャロ様、私はお休みをいただいて行った王都での事をお話します」

 そして、キリルはお兄様を見た。

「まず私はハウル様にキャロ様からお預かりした手紙とソロバンを届けに参りました」

 キリルはわざわざ届けに行ってくれたのか。


「ハウルから面白い商品があると誘われ、キリルとノット達からソロバンと花びらを使った商売を聞いた」

 ソル様の言葉に、花びらは分かるけどソロバン?ノットさん達から?と首を傾げた。

「素晴らしい商品だと思う。私の方から父上に話を持ちかけた」

 は?キリルからお兄様、お兄様からソル様、ソル様から公爵様まで話が広がった!?


「父上も花びらを使った手紙のアイデア、ソロバンの商品価値共に将来性があると判断した。ある条件を飲むなら、フィジマグ公爵家が設立の保証人となったピチカト商会との間を取り持つがどうだろう?」

「ある条件とは何でしょう?」

「キャロ、ひまわりの種だよ」

 お兄様がクスクス笑って答えた。


「ひまわりの種?」

「そうだ。シロ、おいで」

 ソル様が呼ぶと、ウメ達と(じゃ)れていたシロがチョチョチョ〜と来てその手に載った。


 白い毛玉が走って来たようで何とも和む。

 あれ?気のせいか前よりシロの毛が艶々フワフワ?いや、前もフワフワだったけど、それがもっとグレードアップしたような?


「気づいたか?前より美しいだろう?」

「はい。シロの毛が以前より艶々フワフワな気がします」

「シロはひまわりの種を気に入り、そればかり食べるようになった。そうしたら、あっという間にこの美しさだ」

 ソル様がシロに頬擦りした。

 美形と白いハムスターはよく映える。


「それに父上が気づかれた。あまりにしつこく面倒だったから父上のユキの分も分けて差し上げたんだ……」

 ソル様が遠い目をされた。

 よっぽど大変な思いをしたようだ。


「そうしたら、ユキも殊の外ひまわりの種を気に入り食べ続け、あっという間にシロと同様に美しくなった。そして、今度は叔父上が気づかれた。で、父上同様あまりにしつこくてひまわりの種を分けて差し上げた。そうしたら、次にお祖父様が気づかれて、気づいたらハムスター同盟にまで広まってしまったのだ」

 お兄様のお手紙経由でひまわりを送ってと頻繁にお手紙に書かれていたのはそういう事だったのか。


「いえ、別に構いませんよ?定期的にお兄様にひまわりの花を送れば良いですか?」

「いや、いつまでも無償で頂くわけにはいけない」

 はて?そしたらどうするのだろう?


「ピチカト商会にキャロライン商会からひまわりの種を卸してほしい」

 ちょっと待って!何?キャロライン商会って?


「キャロライン商会って何でしょう?」

「ソルフォード様〜、まだキャロには言ってなかったのに」

 お父様が恨めしそうに言った。


「お父様?」

「キャロ、私からの誕生日祝いはキャロライン商会の設立だよ」

 何ですと〜!?

 私は驚き過ぎて目をパチクリさせてしまった。


「お父様どういう事!?え!?キャロライン商会!?設立!?」

「キャロ、落ち着いて」

 お母様に声をかけられても落ち着かない。

 キャロはパニックだよ!


「キャロ、キリルが商売するにしても女の子一人では商談をまとめるのも難しいと思わないかな?」

 お父様の言葉に一気に冷静になる。

 確かにその通りだ。

 そこまで考えが回らなかった。

 私がキリルを見ると、キリルが親指を立てた。


「えっと、キリルが頼んでくれたのかな?」

「はい。ノットさん達と一緒に旦那様に相談しました」

「キャロがノット達にソロバンの開発を頼んでいたなんて驚いたよ」

 お父様がニッコリ笑って言った。

 え?ソロバンの開発って何の事?


「キャロ様、ソロバンの見本をノットさん達に渡して任せるっておっしゃったのですよね。しかも、期限を決めずに伸び伸びとノットさん達の開発を見守るなんて素晴らしいです。感動しました」

 え?え?一体何の話?

 私はただノットさん達に、自分のソロバンは自分で作ってねって意味で渡しただけだよ?

 あ、あれ?


「ノットさん達と相談して、私の花びらのアイデアと一緒にソロバンもキャロ様の誕生日までに完成させて、誕生日にむけてキャロライン商会の設立を目指そうとなりました」

 だから、あんなにノットさん達はあんなヨロヨロになってまで必死にソロバンを完成させてくれたのか。


「キャロ様のお誕生日にびっくりさせようとみんなで相談しまして旦那様に相談したのです」

 いや、本当びっくりしたよ……。



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― 新着の感想 ―
[良い点] ひまわりの種…そのうちウクライナみたいにひまわりが特産品に…算盤とひまわりと新商会は此処で繋がるのか…キャロちゃん快進撃なるか?(序でに扇子も売っちゃえ…と思ったのは内緒である…え、内緒に…
[気になる点] えっ身代り…はブレスレットが、ですよね、お兄様じゃないですよね?!作った人が心停止なんてヤバい魔法は学園も教えませんよねうん。 [一言] わあキリルちゃんのベンチャー魂とコラボしてキャ…
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