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破壊者の幸せな一生。  作者: さんまぐ
帝国の闇を晴らす破壊者。
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第60話 セーバットの目論見。

マリア・チェービーがソファで横たわる人物を見て皇帝だと気付くとセーバットは「当たり!何やっても許してもらえるように蟻地獄をプレゼントしたらすぐに気に入ってくれてさ!私がお城に行く度に渡してたんだ!それで今日は好きなだけどうぞ!って山盛りあげたら馬鹿みたいに食べちゃってさ!過剰接種?もう国のことなんて何も考えられないよ頭の中はひたすら蟻地獄を食べて気持ち良くなる事しかないんだよ!」と言うと立ち上がってゲラゲラと笑いながらペシペシと皇帝の頭を叩く。


だが皇帝は叩かれても意に介さずに「うー…」と言いながら、子供がポリポリとお菓子を食べるように皿に盛られた何か…蟻地獄を食べ続けては「あー…」と喜ぶ。


そしてクオー達を意に介さずに蟻地獄を食べ続けて時折反応が良くなると「当たりだね!それは蜘蛛の糸だよ!」と語りかけ、「後でお注射も教えてあげるよ!直接身体に入れるからもっと気持ち良くなれるよ!」と続けると皇帝はキャッキャと喜んでいて最早尊厳も何も無かった。


マリアは真っ赤な顔で目に涙を浮かべて「セーバット!許されません!」と声を張り上げた。

マリアの声に表情を変えたセーバットは「許し?誰の?誰が誰に?」と言うとマリアを睨んで「私はね、蜘蛛の糸も作れたし魔物と人間の合体もやってのけてカオス・フラグメントも作れた天才だよ?何をしてもいいのさ」と言って笑う。


マリアはたじろぐ事無く凛とした声で「貴方の行いは例え貴方が許しても!神々はそれを許しません!」と言うがセーバットはバカにするようにマリアを見て「やだな。お嬢様はヤダヤダ。神様が居るならこの世に不平等なんておきないだろ?私の蟻地獄を求める貧困者なんて居るわけないだろ?」と言って笑うとマリアは言葉に詰まってしまった。


セーバットの言葉に何処か思うところのあるハイクイだったが「んー…、お前煩い。とりあえず俺達に牙向いたんだから殺すよ」と言うと、ハイクイを見て笑ったセーバットは「あはは、そうなるよね。でも無理さ」と返して劇のようにクルクルと小躍りをする。


「私はね、君達と取引がしたくて罠も張らずに待ったんだよ」

「取引?お前にできるのは無駄な命乞いと断末魔の声を上げる事だけだろ?」


「いやいやいや、私には蟻地獄と蜘蛛の糸の解除薬の生成法があるんだよ。それをあげるから王国に連れて行ってよ。偉い人に保護してもらいたいんだよね。それで出来た解除薬はキチンと王国経由で帝国にも配って貰うからさ」


そう言ったセーバットは言葉に詰まったマリアを見て「見逃してよ希望の乙女様!」と言う。セーバットはこの場の主導権を自分のものにしてマリアに決定権を渡してしまおうとしていた。


マリアは身じろぐと動けなくなった。

それは確かに魅力的だった。


マリアの動揺を察したセーバットはヘラヘラと笑って「ほらね、取引とはこうやるんだよ。蟻地獄も蜘蛛の糸も私の作品。私にしか解除薬は作れない。だから私を殺しちゃうとこの世の中毒者達は皆困っちゃうんだよ!」と説明をした。


マリア・チェービーは必死にこの状況の打開策を考えるが、何を考えてもすぐに行き詰まる。


そんなマリアの困惑をセーバットは見逃さずに更に追い討ちをかけてくる。


「それでね。研究資金が欲しかったからちょっと悪い連中に蟻地獄のレシピを売ってあげたんだよね。契約金で100万ジュターク。後は毎年売り上げの1割を貰う事にしたんだ!まあもっと破格で良いんだけど金のなる木を簡単に手放すって怪しまれたり足元を見られたりしたら困るから少し吹っかけてね。それでも理由も聞かれたから「蜘蛛の糸が出来て要らなくなった」って言ったらアイツら馬鹿みたいに笑ってたよ」


研究資金なんて嘘の言い訳なのは一目瞭然だった。

セーバットが欲しいものは蟻地獄の安定供給。


国が薬物で困窮すれば求められるものは更に強力な蜘蛛の糸というクスリと解除薬になる。


「あ、解除薬は試験用に作った奴から先は作ってないしレシピは私の頭の中だけ!わかるね!?私が死んだら解除薬は手に入らないんだ!」


国民全体を人質にするセーバットの策はマリアを追い込むには十分過ぎた。


真っ青な顔で震えて立っていられないマリアだったがそれを無視してボラヴェンが「クオー、早く右脚ちぎんなよ」と言い出した。


セーバットがボラヴェンを見て「は?右脚?聞いてたかな?」と言って呆れるような顔をしたが、ボラヴェンはセーバットを睨んで「ゴチャゴチャ煩いのがよくわかって薬の製法をばら撒いて解除薬をお前しか知らないんだろ?聞いてたよ」と返す。


「ならわかるよね?私の命は何より尊いんだよ!」

「お前なんかよりアンピルの命のが尊いよバカ」


即座に返すボラヴェンにハイクイが「ボラヴェン、インシンとクラトーンもだよ」と言うがそれも即座に「まあアンピルには劣るけどそうだね」と返される。


今のやりとりで腹の決まったクオーが「ふむ。とりあえず殺そうかボラヴェン」と言うとボラヴェンはニコニコと「そうだよねクオー」と言った。

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