表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/369

#8 初日が終わりました

 


 ノリが本当に神なのか怪しいところだけど、この空間といい、脳内に話しかけていたことだったりしたところから、きっと本当なんだろう。




「私はミドリです」


「よろしく! フェア様って呼んでねー」



「はい、フェアさん」



「様」

「さん」


「……」

「……」




 無言の時間が流れる。他人に様付けはしたくないというわけではなく、目の前のこのおちゃらけた神にはしたくないのだ。




「まあいいや。とにかく、これからミドリちゃんには寵愛を授けるから、好きに使ってね」



「寵愛?」



「そそ。別に布教とかはしなくていいから、自由にしてくれればいいから〜」




 説明になっていない。



『ユニークスキル:【職業神(?)の寵愛】を獲得しました』



 職業神? 一体どんな神なんだろう?



「また何かあったら呼んでねー」




 それだけ言ってふと消える。真っ白な空間に一人、残されてしまった。



 一応確認してみる。




######


 スキル

【職業神(?)の寵愛】ランク:ユニーク

 職業神に愛された者に与えられる。神能の一部を擬似的に使える。

 ・同意した者に職業を与える

 ・自分の職業を変更できる(ランクアップが必要なものは不可)

 ・□□□□□□□□□□

 ・□□□□□□□


######



 今までで一番難解なスキルだ。実演しないと何も分からない。



 下二つのは使えないということだろうか。何故職業神と断定していないのかも謎だし。









「――――ま! 天使様!」



「え?」



 気がつくと、宿屋の前に来ていた。なんで? 神殿とかいう廃墟に戻らないの?



「びっくりしましたよ。戸締りしようと思ったら目の前にいましたもん」



「それはすみません」



 あの女神が気を遣ってくれたのか、気まぐれか、分からないが時間ロスの分埋めれたのには感謝しよう。




「ささ、入ってくださいな」


「そうですね。ありがとうございます」




 自室に戻って寝台で寝そべる。



 結局ぼったくられたのは帰ってこなかったが、ユニークスキルが手に入ったのを考えると、とてつもなく安かったのかもしれない。




「さて」




 職業を自分に与えよう。




「職業、ふん!」




 やり方が分からないので、適当に力を入れる。



『職業:《見習い大剣使い》になりました』




 ほほう?


「ステータスオープン」




######


プレイヤーネーム:ミドリ

種族:見習い天使

職業:見習い大剣使い

レベル:3

状態:正常

特性:天然・善人

HP:600

MP:150


称号:異界人初の天使・運命の掌握者・理外の存在



スキル

U:ギャンブル・職業神(?)の寵愛


R:(神聖魔術1)・飛翔1・天運・天眼


N:走術1・体捌き1



職業スキル:大剣術1・筋力増強1


######



 スキル

【大剣術】ランク:ノーマル レベル:1

 大剣の扱いが上手になる。

 アーツ:パワースラッシュ


 アーツ

【パワースラッシュ】

 大振りな斬撃を放つ。

 CT:80秒




 スキル

【筋力増強】ランク:ノーマル レベル:1

 レベルに応じて筋力が増える。見た目に変化はない。



######



 職業スキルが増えている。あとは神聖魔術が使えなくなっている。職業と合っていないスキルは使えなくなるのかもしれない。



 変更はできるようなので回復する時は変えよう。というか、この表記だと他の人の変更はできなさそうだ。



 つまり変なのが出てもずっと残るわけだ。スキルも使えなくなるかもだし、かなりのデメリットになる。





「女神フェアイニグ、ね」





 現実では聞いたことの無い名前だ。独自の神話体系が成立しているのだろうか。邪神とかいうオチだったら嫌だなー。あんな感じじゃあ、邪神でも納得してしまう。




 答えなんて分からないし、次は職業の方を弄ってみるか。



 ステータス画面の職業欄をタップ、すると滝のように文字列が表記される。全て職業だ。ただし、全部に“見習い”とついている。


 ざっと見てみたけど、今はこのままでいいかな。




 そうだ。やる事ないなら色々調べ物しようかな。メニューから専用アプリを開いて、ライブ配信の欄を見てみる。



 現在配信しているのは、スライム観察と地質学者の配信だ。果たして需要があるのか分からないが、そもそも配信してる人が少ないのか、そこそこ集まっている様子。



 ハッキリ言って興味ないので、SNSの欄を見てみる。クランというプレイヤーの集まりを募集しているぐらいで、基本的に発信されていない。



 この欄はゲーム内からしか発信できないので、見てる側の方はともかく、発信する側は圧倒的に少ないのだろう。配信の告知なんてしてる人なんて、私とスクープさんぐらいだ。




「クランかぁ……」




 仲間を作るところからだよねー。ぼちぼち探してこうかな。



「おっ」


 世界地図がある。私がいるのは最初の町ピリースだから、二つある大陸の一つの北西部辺り。ここか。



 ここは王国の領土で、王都は東に、西には公国、北には東西に長い山脈を越えて連合国、王都の更に東には帝国がある。唯一、南には国がない。森が続くだけだ。



 二つの国の間に現実の日本のように細長い列島が浮かんでいて、その向こうには魔大陸とやらがあるらしい。魔王が大部分を支配しているようだ。




 プレイヤーで確認しているのはこれぐらいらしい。実際はまだあるのかもねー。




「ふぁわぁ〜」



 そろそろ寝よっかな。明日こそはいい日になりますように。




 ログアウトボタンを押す。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[一言] スキル 【職業神(?)の寵愛】ランク:ユニーク  職業神に愛された者に与えられる。神能の一部を擬似的に使える。  ・同意した者に職業を与える  ・自分の職業を変更できる(ランクアップ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ