表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄たちの悲劇  作者: ひおなちゃん
2/2

誤解

「さっさと決めちゃいましょ彼女の処分について」


「ぇ…」


「分かってるって、あのお嬢さ…っ!大丈夫?なんで泣いてるの?」


冷静な男が僕に顔を近づけてそう言う。


「ぁ…ぃ……助けてください…」


「ん?」


「ま……まだ死にたくないんです…」


死にたくない、僕はまだやることがあるんだ。


「んーーーーそうか。あー違う違う、ごめんなー紛らわしくて、処分って言っても殺すわけじゃない。」


男は女の子に視線を移したあと僕をじっと見て男は冷静にこう続ける


「まずガーディアンズって具体的に何か分かるか?」


あまりに唐突に質問を投げかけられたので少し詰まった。


「え?ぇ…えっと、ガーディアンズはこの国に存在した英雄達の総称ですよね?帝国をしりぞけた彼らは王様から様々な権力を与えられ、それを不正に乱用するという悪行を働いたため、主要人物は処刑、残りはこの国を追放されたとか」


「あぁ、だいたいあってる。じゃあスキルについては?」


男は冷静に次の質問をする。なんだか試されている気がした。


「スキル…ですか?えと、特別な力という認識です。魔法とは違って同じスキルを所有しているものはほとんど存在しない。さらにその効果は魔法というには特異なため、スキルと呼ばれているとか。あ、ガーディアンズも大半がスキルを所持していると聞きました。」


「そうだな。でさっき誰かさんが口を滑らしたように俺達がそのガーディアンズな訳だが」


男はわざとらしく大きな声でそう言い。女の人に視線を移し、女の人はまた申し訳なさそうに下を向いた。


「つまり俺達はスキルを持っている。そして俺のスキルは大まかに言うとまぁ"相手を素直にさせたり、俺の頼みを聞いてくれるようにする"ってやつだ。まぁ厳密に言うと違うんだが…」


なるほど…っと今凄いことを聞いたような?


「あ、あのそれ聞いてもいいんでしょうか?」


僕は素直に聞いてみる。


「あぁ、別にいいよ。お嬢さん…じゃなかった、君はもう俺たちの仲間だからね。」


「えっ、そんな!僕仲間になるなんて!」


「だから、それが君の処分についてだ。でも君は死ぬ以外に仲間になるしかない。」


「でもっ」


さっきは処分は誤解だと言っていたはずだが殺される選択肢もあったの?彼は僕を安心させるためにそう言った?


「諦めなさい。元はといえば私が悪いんだけど、殺されたくないなら私たちと来るしかない。」


「選択肢は2つだ。仲間になって保護されるか。ここで別れて王国に殺されるか。」


「なぜ王国にっ!?」


てっきり彼らに殺されるのかも思っていたが王国に?そんなことがあるの?


「王国はガーディアンズと関わりを持ってるやつを必ず殺したがる。あんたが俺たちを怪しい集団じゃなく、ガーディアンズだと知ってしまった以上、あんたはいつか狙われるだろう。そして王国は厄介なことに嘘が分かるスキルを所有している。ちょうどそこのチビと同じな」


「………チビじゃない…」


女の子がそう言う。


だからさっきは彼女のことを見たのか、死にたくないと懇願する僕が演技をしているか確かめるために

でも1つ聞きたいことがある。


「それほどまで王国に嫌われるなんて、一体何をやったんですか?」


「別に何も?」


「いや、そんな訳」


「いやでもさぁ、ほんとに何もやってねぇんだもん。なぁ」


私の声を遮り、彼がそう続ける。

するとここに来てからだんまりだった男の人が口を開く。


「オーリスの言ってることはほんとだぜ。俺達はほんとに何もやってねぇ。全部くそ王国共のでっち上げだ。」


「でっち上げ?」


「あぁ、俺達は何もしてねぇのに王国に嵌められこんな惨めな生活を送っている。王国なんかクソ喰らえだよ。救ってやった恩も忘れて…」


彼は悔しそうに座り込んだ。


「嘘がだいぶ広がってるから信じられないと思うけれど、ほんとよ。私達は何もやってない。」


「じゃあなんで追放されたの?」


「さぁな、チビ以外はガーディアンズの中心にいなかったから分かることもねぇ。ある日突然俺達が指名手配され、リーダーも俺たちを逃がして捕まった。スキルを駆使してなんとか逃げたが、俺達ガーディアンズの家族とかは大半が殺されたらしい。そこの情緒不安定なアラクもその1人だよ。」


「そんな…」


彼は女の子に目を向け、嘘がないとわかると少し微笑んで


「お?信じてくれたか?はは」


「でも、それが本当だとしたらあまりにも…」


「酷い…よな。分かってる。でも、」


彼は次にこう語る。

彼の信念は否定も呼ぶだろう。だがしかし、彼は堂々と語った。


自分に不幸なことがあったら原因となりうる全てを憎むのが人間だ。

でも俺はそれが正しいとは思わない。

感情に任せても何もいいことは無いのさ。


【人物紹介】

ミルト

本作の主人公

容姿が女の子寄りなためしばしば女の子と間違われるが正真正銘の男

一人称は僕

何やら目標があるらしい


アラク

元ガーディアンズの1人

性格は感情的になりやすく乱暴だが仲間には一際優しい

一人称は俺

王国を憎んでいる


イリス

元ガーディアンズの1人

性格は自称冷静

しかし、よそ目からはドジっ子部分が目立つ

一人称は私

彼女らが王国に来た目的とは?


オーリス

元ガーディアンズの1人

4人組で行動する時のリーダーだったりもする。

楽観的で何も考えてなさそうだが仕事はやる男だ

と自分で言っている

一人称は俺

スキル 相手を素直にさせる????


???

元ガーディアンズの1人

オーリスからチビと言われている

無口で何を考えているのか分かりにくい。

4人組で唯一ガーディアンズの中枢にいたとか?

スキル ???


酒場のマスター

長年酒場でマスターをやっている。

元ガーディアンズにとてつもない恨みがあるが、オーリスはマスターを仲間だと言っている。

キャラ紹介を入れてみました。

分かりにくい文章を少しでも理解できるように頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ