桜梅高校卒業式 非常勤講師は、鬼の恩恵を受ける。
家を出て、直ぐに明希と別れて、5人で仲良く登校した。
「先輩、ご卒業おめでとうございます。」
紅美と優香が、声を揃えて言った。
「ありがとう。」
「あの。私も日本魔法魔術学校目指しているんですが、どんな勉強をすれば良いですか?」
「あなたは、上級魔導師や危険取扱者の試験勉強、爆発魔法の研究とか頑張っているでしよ。
その情熱や努力が、あれば大丈夫。だって、今でも十分凄い魔法使いなんだから、同い年なら一緒に受かってたわよ。」
「ありがとうございます。大分、気持ちが楽になりました。」
西新宿まで、5分もしないで着いた。
ここの世界は、科学が発展してコンピュータが広まりつつある2000年 7月7日に世界が、365°変えるほどの出来事があった。
卑弥呼直筆の魔道書、通称『始まりの魔道書』。東洋と西洋の魔法を組み合わし、自分の理論を元に書かれている。
10大元素や3禁術などの理論や効率のいい呪文など書いてある。
10大元素は、闇 火 水 樹 金 土 光 風 雷 音。自然界や人間の中にあるもの。
3禁術は、陰 毒 爆。資格者以外は、禁止されている。
毒は、医療系で栄養や毒素を取り出す魔法。闇魔法を組み合わせて使う。
爆は、危険物取扱者のみ許されている魔法。
陰は、睡眠や調整する闇魔法から除外された危険すぎる魔法。使用すれば、心と生命を蝕み、禁固100年も課せられる。
科学と魔法の物理法則は、ほぼ同じで。お互いの相乗効果で、発展している世界だ。
魔法が見つかって20年、これから世の中は、より暮らしやすくなるだろう。
中野坂上駅に着くと、多くの中高生が降りてて皆んなと逸れてしまった。100m先で、女性陣は合流したのを確認できた。近く勇気もなかったので、そのまま、平然とした表情で歩いていた。
ここは、学校法人 桜梅大学の幼稚園や小学校がある。
桜梅高校・附属中学校の魔法科の非常勤講師として3年間勤めた。ようやく、去年の10月に教員採用試験に合格した。
でもそれは、同時に、自分を成長させてくれた私立の学校を離れることでもあった。そんことを、考えて職員室に入った。
隣には、一足早く着いた桜が、余裕そうな顔で見てきた。
先隣(隣の隣)の席、魔法科の先輩、花園 恵里さんと誰かが話していた。
体育教諭で、生徒指導 花咲 香先生が、いた。
花園先生は、クールビューティで魔法についての知識も凄く、仕事も完璧で早く、ズバッと言う。生徒の事を考えて、あえて厳しく指導している。
でも、生徒や先生が、落ち込んでいると優しく励ましたり。小動物や甘い物好きな女性だ。
花咲先生は、結構強面のドワーフ男性だけど、スイーツ好きで、お化けとあれが・・・
「うわ。ゴキブリ。きゃーー。怖い。怖っ。助けて、花園先生。虫だけは、ダメなんです。」
花園先生の後ろに怯えて隠れた。腰を落とし厚紙を丸めて前に突き出して構えた。そして、息を止めて一気に叩いた。
賑やかだった職員室もようやく静けさを取り戻し、卒業式の時間となった。
盛大な演奏と共に、担任の後ろから、普通科の生徒が入場して来た。その顔は、皆凛々しく晴れやかだ。入場を終え、卒業生全員静かに着席した。
スターバード卒の英語教師、高橋 嵐先生が、司会を始めた。
「卒業生の皆様方、ご卒業おめでとうございます。只今から、祝辞いたします。真っ先にしたい方が舞台に待っています。
Ladies and gentlemen, let's start celebrating our graduates.let's have them appear. Ogre Nick Heart members.here you go.」
皆様、卒業生を祝いましょう。では、Ogre Nick Heartの皆様です。では、どうぞ。
Ogre Nick Heart (オーガニック ハート)が、吹奏楽の演奏で登場した。バンドメンバー全員が、俺の知り合いだ。
全員曲ごとに、ボーカルをするバンドだ。使う楽器も、トランペットやヴァイオリン、コントラバスなど使うのも特徴的だ。何より、元人間の鬼達で、初対面の時メンバー全員と戦った。その後結成して、1年目で東京ドームを成し遂げた。
彼らも、パトロール団体 龍宝会の一員だ。
リーダーの堂島莱冬25歳。銀髪イケメン。担当楽器は、トランペットだ。J-POPが得意な酒呑童子。
花澤 夏希は、黒髪ショートの美人で8カ国語を話せる23歳の茨木童子。担当楽器は、ヴァイオリンとピアノ。演歌、J-POP、洋楽、JAZZ、パンク、オペラなど様々ジャンルを得意として歌う。
熊谷 麗音 (くまがやれお)緑髪の筋肉隆々の26歳 星熊童子。担当楽器は、ドラム。演歌が得意。
隈元 楓空 (ふうあ)。赤髪でガタイがいい26歳 熊童子。担当楽器は、トランペット。JAZZが得意。
十宮士 巧馬 (しぐま)金髪の金熊童子。担当楽器は、アルトサックス(サックス)。オペラがとくい。
空島 拓真 (たくま) 透明感のある中性的な童顔で金髪に黒のメッシュ。123cmと小柄な27歳の虎熊童子。担当楽器は、コントラバスとフルート。パンクが得意。
中野区長やPTA会長が、祝辞を述べた。そして、学園長が告辞を述べた。
「皆様方は、魔法科学の進歩により変化の激しい時代になることになるでしょう。そんな世の中に負けず、しっかりと自分を持って生きてください。
卒業生の皆さんの前途に幸多からんことを祈念いたしまして告示とい たします。
学校法人桜梅 理事長 桜島 梅子。」
そして、長島 鈴の答辞が、始まった。
「最後になりましたが、諸先生方のご指導、職員の皆様の助け、そして暖かく見守ってくれた家族があって初めて、本日、こうして卒業の日を迎えることができました。卒業生を代表して、私たちを支え、導いて下さった全ての方に心より御礼申し上げます。
私達は、時代に飲まれずに、魔法を極めて参ります。
そして、皆様方のご健康と東京大学の更なる発展を願い、答辞と致します。
卒業生代表 長島 鈴」
そして式が、 順調に進み残るは、退場を残すまでとなった。演奏が鳴り、在校生が出口に向かった。Ogre Nick Heart と人間アーチをして送り出した。
卒業生達は、溢れんばかりの涙を零し抱き合った。そして、それぞれの道へと歩いて行った。