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魔術教師 ハルは、モテたい。日本魔法魔術学校編  作者: 香月 紅鏡
冬川 遥 非常勤時代 最期の一ヶ月
13/16

約束の土竜横丁へ

予定通りに、秋葉原駅に着くとすでにウィンディ達が待っていた。

ゴブダッディオさん達も、目立たないように私服で来ていた。街中で、男の子一人の周りに、スーツやメイド服で数人で立つのは、避けてくれたらしい。


「あのー。ウィンディ、どっかでお茶してから散策しない?」

「良いですね。遥さん。新しく執事見習いとしてついてくれるシロンです。」

「初めまして、シロン君。冬川 遥です。これからよろしくね。」

「初めまして。シロンです。7歳です。よろしくお願いします。」

自己紹介が終わった瞬間、執事長のゴブダディオさんが噛みつきそうな勢いで話しかけてきた。

「ハル様、いつの間に王子を呼び捨てになるなかになったんでしょうかね?」

「いつって、今さっき。その方が、自然でしょ?王子やウィンディ様って呼んだらバレるかもしれないでしょ?」

「ですが、ハル様。私達に、事前に教えてくださいよ。」

「警護してますよって感じなら、ウィンディ様って呼ぼうと思ってましたよ。ついでに、ゴブダディオさん。遥でいいよ。なんなら、はるタンでもいいけど。」

「分かりました。ハル。お茶をすると言いましたがいいお店あるんですか?」

「土竜横丁にある、喫茶店 Alice in Underworldはどうでしょ?」

「土竜横丁とは、なんですか?」

「魔法専門の老舗が多い、地下商店街です。そこを周るので、ちょうどいいなと思いまして。」

「分かりました。お任せします。」


土竜商店街は、地下5階まである。この商店街は、1750年に出来たそうだ。そのため、天井には、日輪石という地上の日光を届ける不思議な石を散りばめている。


お目当てのお店には、入口が二つある。

一つ目は、階段を下りてすぐ。そのドアの下に、とても小さなドアがある。近くに、そのドア用の金色鍵があって、実際に使える。

もう一つは、ドア全体が、鏡になっていて取手も銀色になっている。

この喫茶店は、不思議の国のアリスと鏡の国のアリス境界線にある町にある設定だ。

名前の由来は、不思議の国のアリスの原型となった『地下の国のアリス』(Alice's Adventures under Ground)から付けたらしい。店内は、階段側には、長机やハートやクローバー、うさぎ、玉子など椅子がある。鏡のドア側には、チェス台の机や壁に鏡一面がある。全体的に落ち着いた店だ。毎月27日は、店内がポップな内装になる。


俺は、ハンバーグとクリームコロッケ。ウィンディは、オムライス。ゴブダディオさんが、ボンゴレ。キャシーが、パフェ。オリバーノアが、ナポリタン。シロンが、エビピラフを注文した。


「喫茶店でクリームコロッケあるのは、珍しいけど。ここのやつは、本格的で美味しいよ。誰かに、欲しい人いる?」

ウィンディとオリバーノアが手を上げた。シロンも興味深々だけど遠慮してるぽい。キャシーは、オリバーノアに向かって冷たい視線を送ってる。

「まあ、いいや。二つを5人で、じゃんけんで決めて。」

「2つあるなら、俺たち二人でいいじゃないすか?ねえ、王子。」

「その方が、面白いだろ?だからだよ。」


じゃんけんの結果、ゴブダディオとキャシーに決まった。

「王子食べますか?私は、少食なのでパフェだけで十分なので。」

「ありがとう。キャシー半分だけ貰うね。」

「王子、私のもあげます。召し上がって下さい。年なので、揚げ物は、たくさん食べれないので。」

「ありがとうゴブ。俺は、半分だけいいよ。気持ちだけもらう。だから、それをシロンにあげてくれ。」

「分かりました。シロン、食べるかい?」

「師匠、少しだけで十分です。」

「そうか。私も、少しで十分なんだが。切り分けるな。」

そんな風に、和やかに進んでいった。


「お会計は、一緒でしょうか?」

「ハンバーグとクリームコロッケ、オムライスは、私が払います。」

「それ以外は、私が払います。」


同じフロアにある魔導書専門の老舗 『黒猫書房』。先月まで働いていたバイト先『黄龍書店』に働いてた時、魔導書の仕入れ元や店長が定連でよく会っていた。


「おやっさん。おじゃまするでぇ。」

「おう、遥か。元気だったか?」

「まぁね。おやっさんは?」

「まあ、ボチボチだな。お前、黄龍書店辞めたって?」

「うん。教採に受かっただろ?もう、非常勤じゃなくなったからさ。

そうだ。世間話をしてる場合じゃなかった。魔導書を買いに来たんだ。なんか良いのないかい?」

「全て自慢の品々さ。どう言うのがいいのか教えてくれないか?」

「この子が、小学校に入学するんだけどその祝いになんだけど。」

「2人共かい?」

「話に割り込んですみません。ええそうです。私とシロンが、JSWに入学するんですよ。」

「そうか。よかったな。では、探してみるか。」

「おやっさん、日本魔法魔術学校のことだよ。」

「おお、お前が、赴任する学校か。この兄ちゃんがいるなら安心だな。あっ、見つかった。これならどうだ?『魔法基礎 初級編』」

「いくら?」

「2,600円だけど、入学祝いで2,000円でどうだ?これ以上は、値下げできないよ。」

「よし。買った。」

「2冊で、4,000円だ。」

「うーー。分かった。はい。」

ウィンディだけのつもりだったが、シロンの分も買う羽目になった。


有栖薬品で、薬草や薬。嬉々村箒で、魔法の箒やオートブルーム、掃除用具。シカオ駄菓子などを周った。一階を歩ききった。

ウィンディが、全てを見たいと言ったのでエレベーターで5階まで下りて回りきった。

一日中、土竜横丁で過ごした。最後は、5階で見つけたレストランで夕食をすまして、今日を締めくくった。

地上に戻って、秋葉原駅で解散した。

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