明日から本気で上裸半ズボンで生活しようと思う
サブタイトルを見てみてください。
試合にならねー()
ジャイアント馬場とタイガーマスクとスタンハンセンが組んで一般人ボコってる図が浮かんできた()
「明日から上裸半ズボンで生活しようと思う」
久しぶりに家族四人揃っての夕食、席を立って切り出したのは俺。
北河霧峰、御年15才。
都内の高校に在学中の男子高校生だ。
「……理由を言ってみなさい」
だだっ広いリビングの大部分を占領しているいくらするのかも分からないテーブルの真向かいにいる俺の父親、北河咲哉が、数秒の静寂の後表情を変えずに言う。
なるほど流石に我が父親と言ったところか、予想外の事態が起きた時でも常に平静を装うことに長けている。
そうすれば仕種に吊られるように心も自然と落ち着いていくのだ。
……知らんけど。
「あまりにも没個性過ぎるからです」
大企業の取締役を勤め、政界経済界に影響力を持つ父親と、昨年直本賞を受賞した小説家で、イラストレーターを兼ねる母親の間に生まれ、その両親の端正な顔立ちとスペックを受け継ぎ、株式とFXで月に億単位の利益を上げながらテニス部で全国大会二回戦突破という運動神経を兼ね備えた天才美少女を妹に持つ、運動下の上成績中の下顔面偏差値50……自分でいうのもなんだがどうみても神様から嫌がらせを受けているとしか思えない。
「……兄貴、意味わかんねえんだけど」
呟くような声量で言う妹、北河白葉の視線は鋭い。
まあそうだろう、こいつは俺のことが嫌いなのだ。
英才教育を受け、天才と呼ばれてまだ足りないほどの才能、これ以上ないくらいに良い環境、それを潰すことのない当人の懸命な努力。
自分どころか俺を除く知り合い全員がエリート、天才、秀才。
つまり簡潔に言うとこの妹は俺の存在が自分の人生の汚点だとでも思っているのだろう、きっと。
因みに英才教育は俺も小学校卒業までは受けていた。
あれおかしい、なんでここまでの差が?
「うちの学校は服装自由、問題はないはずだろ」
いつもだったら言い負かされる前にお部屋に逃げ込んでいるところだが、残念ながら今回はそうもいかない。
「あのなぁ!問題の有無じゃねえだろう……」
「待ちなさい白葉」
怒鳴り声すら上げようとした白葉を制したのは、まあお察しの通り俺の母親である北河御門。
肩まで伸びる黒髪は、ストレートヘアにストレートパーマでもかけたように美しい、大和撫子を体現した女性だ。
いや、実際それやったらどうなるかは知らないけど。
まあとりあえず中学生の分際で髪まで金色のグレ妹とは違うのだ。
「霧峰」
「はい」
「許可できません」
知ってた。
深夜テンションえぐいです、ちな明日僕定期考査()