表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
If Take2  作者: つくあ きぬを
始まり
8/13

口と脳の連結は特急列車。

「おはようございます。今日は良い天気になりましたね。昨日の予報では雨なんて聞いていたんですが、当たらないものですね〜 こないだの全校集会は、どうでしたっけ。あー確か、雨が降っていましたね〜 難しい天気は、妻の機嫌と瓜二つ。はっはっはっ。」

動き出したロケットを途中で止める技術は、まだないように思える。同様に、動き出した校長の口を止めるすべもないのである。

「皆さん。三連休はいかがでしたか。楽しかった人、楽しくなかった人、家にこもっていた人、外へ出かけた人、家族といた人、友達と遊んだ人、部活の人、学校に来た人、旅行に行った人、お祭りに行った人、楽しかった人、日記を書いた人、電車に乗った人、お買い物をした人、遊園地に行った人、デパートに行った人、楽しかった人。あれ、これは言いましたかな。はっはっはっ」

右や左、左から右に重心の預ける脚を変える生徒達。膝を半分ほど曲げ、揺れるように聞く生徒も多い。中でも予海苔(よのり) 雨絵は落ち着きなく揺れ動いていた。同級生にとっては当たり障りもないことだが、彼女を知らない人にとってすれば、奇妙な動作にも見える。彼女は貧血なのである。一年の頃に、数度にわたって倒れてきた彼女は、現在も三回に一回は途中で抜け出し、保健室に寄る。揺れるような動きは、筋肉を弛緩させ血流を良くする、彼女なりの知恵なのである。

「やっぱり耐えられなかったね」

「うーん。長いから疲れる……」

予海苔 雨絵。保健委員の公家(こうや) 桃乃に連れられ、本日も体育館を退場。


〜もしもヤンキーの高校だったら〜

Take2

校長「私はね。妻と娘と、海外に行きましたよ。いやーいいですねー 海外は。日本じゃないんですから」

ガヤガヤ。

ガヤガヤガヤガヤ。

生徒A「おめぇ肩ぶつかっただろ?」

生徒B「ぶつかってねぇよ」

生徒A「ここガンなったんだよ」

生徒B「整列してる状態で、どうぶつかるってんだよ」

生徒A「だから、肩ガンなった、つってんだろ。どうせあれだろ、おめぇの肩が伸びたんだろ?」

生徒B「伸びるわけねぇだろうが。食べてねぇんだよ。ゴム人間じゃねぇんだよ。こちとら、18年間、人間やってんだよ」

校長「いやぁ。皆さん。変わらず元気で安心しました。やはり若さには元気ですよね。はっはっはっ」

桃乃「いつまで喋ってんだよ、なげー」

雨絵「その残り少ない毛根も死滅させんぞ!」

校長「やめて! それだけはやめていただきたい!」

雨絵「だったら、すぐに降りんかい!」

女子A「ちょっと」

雨絵「なんだよ」

女子A「最近、威勢がいいじゃない? 調子にでも乗ってんのかしら」

女子達「そうなのよー」

雨絵「あぁ? こっちは原付にしか乗ってねーわ」

桃乃「ノーヘルだぜ」

女子A「どうせ、二人乗りで楽しんで、馬鹿じゃないかしら」

雨絵「なんだとぉ」

女子A「私たちは四人乗りよ」

女子達「そうなのよー」

雨絵「そんなに乗ったら、あぶねーぞ。このやろー」

桃乃「このやろー」

委員長「てめぇらも威勢だけか!? うるせんだよぉぉ!」

全員「ごっ……ごめんなさい」


校舎裏

景元「金はある、逃がしてくれ」

◯「おーい。げっ……またカツアゲかよ」

景元「殴らない主義なんだ。だから助けてくれないか」

◯「この人数に、勝てる気がしないけど……」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ