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サンタクロース

作者: じょん

今日は十二月二十四日、クリスマスイヴ。町ではクリスマスの曲が流れ、家では子供たちが特別のおいしい料理をわくわくしながら待っている。だが、子供たちが最もわくわくしているのは、明日枕もとに何が置いてあるか。そう、サンタのプレゼントである。子どもたちはサンタが来るのを待ちきれない思いで眠りに着く。今日はそんなクリスマスイヴの日。

 ある街の、ある会館では、子供たちのためにクリスマス会が開かれていた。子どもたちは、サンタが出てきて大喜び。子どもにとって、サンタはいるだけでうれしい存在だ。サンタたちはプレゼントを配り始めた。プレゼントは安物のおもちゃや駄菓子などが入った袋だったが、子供たちはまるでお宝をもらったかのようにはしゃいでいる。

 しかし、その子供たちの中に、全く喜んでいない子どもがいた。その男の子は部屋の隅に座り込みながら、サンタと子供たちを横目でちらりと見て、またどこを見るともなくぼんやりするのを繰り返していた。

 一人のサンタがその子に気づき、近づいてきた。サンタは見たところ高校生ぐらいの青年で、白いつけひげの下で顔ををほころばせていた。

「やぁ、どうしたんだい。プレゼントはいらないのかい?」少年は押し黙ったままサンタのほうを見もしなかった。

「体の調子でも悪いのかい?」サンタが心配そうに尋ねた。

「ちがう。」男の子はぶっきらぼうに答えた。

「じゃあどうしたんだい?」サンタはやさしい口調で言った。

「どうもしないよ。ほっといてよ。」男の子はそっぽを向いた。

「今日はクリスマスイヴだ。他の子が楽しそうにしているのに、一人だけつまらないのはなしだよ。どうしてそんなにつまらなそうにしてるのか教えてくれないかい?」サンタは引き下がらなかった。そのたい度がさらに少年を不快にさせた。

「つまらないからだよ。クリスマスなんてつまんない、サンタなんてつまんない!」最後は怒ってどなるような調子だった。サンタは男の子をなだめた。

「どうしてつまらないなんて言うんだい?」

「だって、サンタなんて本当はいないじゃないか。お前だって偽物だ。その髭はつけひげで、あそこのおっきな人も、小さい人も、おなかがでっかい人も、みんな知ってる人だ。サンタなんていないんだ。」男の子は次々と部屋にいるサンタを指した。一人のサンタなどは、ひげと帽子を子供たちにとられていた。サンタはつけひげを取って見せた。

「そうだね、確かに、これはつけひげだし、ここにいるサンタさんはみんな町内会の人たちだよ。でもね、サンタっていうのは、何もサンタの格好をした人がサンタというわけじゃないんだ。」サンタは謎めかしていった。

「どういうこと?」男の子はサンタを見上げた。サンタはにっこりと笑っていった。

「それはね、サンタというのは、クリスマスの日に、誰かに幸せのプレゼントをする人のことなんだ。」

「幸せのプレゼント?」男の子が聞き返した。

「そう。町内会の人たちは子供たちに『サンタからプレゼントをもらう』という幸せをプレゼントしたんだ。だから町内会の人たちはサンタだし、クリスマスに誰かを幸せにすれば、きみだってサンタになれるんだ。」サンタは笑顔で言った。その笑顔は、みているほうもついうれしくなってしまうような笑顔だった。男の子はその笑顔を見て、いじけていた心が少しほぐれた。しかし、また頭を垂れ、拗ねた調子で言った。

「でも、僕はふしあわせなままだ。」サンタは心配した表情で尋ねた。

「なにかあったのかい?僕はサンタだ、君を幸せにするためなら何でもするよ。」男の子は頭をあげた。

「ほんと?」

「本当さ。どうして君がそんなにいじけているのか教えてくれるかな。」男の子は話し始めた。

「本当は、今日ここに来るはずじゃなかったんだ。パパとママは、いつも仕事で忙しくて、ご飯も一緒に食べれないんだ。授業参観も、運動会も、学芸会だって、二人ともこれたことはなかった。でも、クリスマスイブはパパとママも休みが取れたって言ったんだ。久しぶりに家族みんなで一緒に過ごせると思ったのに。でも、でも・・・・・・・。」男の子は泣き始めた。サンタは何も言わず、男の子の背中をさすってあげた。男の子は少したって落ち着くと、続きを話し始めた。

「でも、パパは急に会社でけついんが出たとか言って、朝から家を出ちゃうし、ママはお仕事のけいやくがなんとかだって。二人ともいなくなるから、僕はここで楽しんで来いって。楽しめるわけないよ。僕は家族一緒のクリスマスがいいんだ。」男の子の頬を涙がこぼれた。サンタは男の子の涙をハンカチでぬぐってやった。

「そうか、君は家族みんなでクリスマスを過ごしたいんだね。」男の子はこくんとうなずいた。サンタはいたずらっぽくほほ笑んだ。

「よし、僕にいい考えがある。」

「いい考え?」と男の子。

「そう。今は秘密だよ、さぁ、おうちで飾り付けをしておいで。」男の子は立ち上がり、会館を出て家に向かった。



 サンタが男の子の家の居間に入ると、そこにはでっかいクリスマスツリーが置いてあった。

「すごい、君がぜんぶやったのかい?」サンタは心底驚いたように聞いた。男の子は少し誇らしげに言った。

「すごいでしょ。組み立てるの大変だったんだよ。」サンタはツリーの飾りの配置を感心して眺めた。サンタより大きいツリーのてっぺんには星がおいてあり、上から下まで電飾をきれいに巻きつけてあり、枝の先には小さなサンタやトナカイ、靴下の人形などがかかっていた。

「ねぇ、パパとママは?」男の子は聞きたくてたまらなかったように尋ねた。サンタはにっこりすると、玄関のほうを向いた。つけひげはまたつけてあった。

「もう玄関に来てるよ。」

「ほんと!?」男の子は玄関のほうへと走って行った。玄関のドアを開けた時と男の子の両親がドアに手をかけてのはほぼ同時だった。

「あきら!?」

「パパ、ママ!」驚いたのは同じだったが、両親が不意の驚きに対して、男の子はうれしい驚きだった。

「どうしてこんなに早く帰ってこれたの?」男の子が訪ねた。

「風邪で休んだ人がいたんだが、どういうわけか、けろっと直って会社にやって来たんだ。」

「ママはお仕事で仲良くしてるほかの会社の社長さんに呼ばれたの。怒られるかと思ったら、『君には確かお子さんがいたね』って言って、これをくれたわ。」おかあさんはクリスマス用の包装をされた箱を差し出した。男の子が受け取ってつつみを破ると、中からゲームソフトが出てきた。

「わぁ、これまえからほしかったんだ!」

「あんまりやりすぎちゃだめよ」お母さんがそっと諭した。男の子はうなずくと、二人を居間に案内した。

「ねぇ、これ僕一人でやったんだよ。」男の子が自分だけで立てたクリスマスツリーを両親に見せた。

「これ、一人でやったのか、あきら。」お父さんは驚いた。男の子はうなづいた。

「すごいなあきら、お父さんはびっくりだ。」お母さんが思い出したように言った。

「クリスマス会楽しかった?」そこで男の子はサンタのことを思い出した。そして気づいた。サンタがいないことに。

「あれ、サンタさん?」

「どうした、だれかきていたのか?」とお父さん。

「うん。クリスマス会に来ていたサンタさんが僕のことを気にかけてくれて、さっきまでここに・・・・・。」男の子は居間を見回し、他の部屋も探したが、だれもいなかった。

「やだ、知らない人を家に上げたの?」お母さんはあからさまにいやな顔をした。

「変な人じゃないよ。おかしいな、さっきまでここにいたのに。」台所も、ソファーの影も探したが、だれもいなかった。

「そんなにいい人なら、きっと家族の団らんの時を邪魔したくなくて、勝手に帰ったんじゃないかな。明日、お礼を言わないとな。さあ、ご飯にしよう、パパはもう腹ぺこだよ。」というと、お父さんは台所に行った。

「さぁ、今日はみんなでご飯を作ろう。」

「うん!」男の子は元気に返事をして、台所に向かった。


 朝起きると、男の子の枕もとにはクリスマスプレゼントが置いてあった。それは、写真だった。男の子と両親がご飯を作っている写真。映っている顔は、みんな笑顔だった。写真の裏にはこう書いてあった。

 


                 幸せのプレゼント


 


 男の子は町内会で青年サンタのことを尋ねたが、誰も彼を知る人はいなかった。



どうも、ジョンです。新参者のくせにクリスマス企画です。しかもひどい内容orz

まぁ、あまりのつまらなさに笑ってください。これを読んで、心があったまってくれる人がいれば……、と思ったんですが。

まず俺が感動しないのに、人が感動するとは思えない。思いついたときはすごいイイ!とかおもったんですけど。おかしいな〜。ま、ここまで読んでくれる人がいたら御の字ということで。

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