メビウスの扉『優香と一緒に選ぶ→今すぐチェックする→優香を列車に乗せてはいけない!』
僕はすぐさま優香のケータイに電話をかけた。今頃、優香は寝坊したと言ってたからまだ寝ているはずだ。
かなり呼び出し音が鳴った後で電話が繋がる。
「もしもし? 優香?」
「……ふあい。おはよう」
生きてる。優香が生きている!
電話の向こうから、もう二度と聞けないと思っていた優香の声が流れ出してきて、僕は感極まって不覚にも泣き出してしまった。
「……ゆ……うか。良かった……」
「……え? ええ!? 賢斗、泣いてるの!? え、なんで!?」
電話の向こうから優香のかなり狼狽した様子が伝わってきた。
優香が生きてる。もう二度と聞けないはずだった優香の声を聞くことができてる。
あまりにも嬉しくて、僕は涙を堪えることが出来ず、状況が理解できなくて困ってる優香にお構いなく泣き続けていた。
「……ちょっと、賢斗、どうしたの? ねえ、なにがあったの?」
話してもそう簡単には信じてもらえないだろうな。
でも、僕は今僕がこんなにも喜んでいる理由を優香に知ってもらいたい。
僕が経験したこの不思議な出来事を優香に話したい。
「優香、今すぐ会いたいんだ」
ある程度落ち着いてからそれだけ言うと、優香が電話の向こうでうなずくのがわかった。
「わかった。どこかで待ち合わせる?」
「いや、家の方に行くよ。……そのとき、今俺が泣いてた理由を話すから」
「……わかった。待ってる。じゃ……」
「あ、優香!」
電話を切りかけた優香を慌てて呼び止めた。
「あ、はい! なに?」
そして僕は、僕が世界中の誰よりも愛する女性に、心からの誓いの言葉を伝えた。
「愛してるよ、優香。俺、優香のこと、一生大切にするから」
Fin.
『誓いの言葉』
This is “Mobius no tobira” good ending.
メビウスの扉のグッドエンディングです。タイムリープした主人公が死ぬはずだった彼女を助けることに成功して、彼女を生涯大切にすると誓うストーリー。