71.ホイロ、ほいろ、ってなんじゃらほいろ? 2次発酵はちょっぴりお高め。
ベンチタイムで生地を休ませた後は、成型して、いよいよ最後の発酵へと入ります。
当初の発酵工程である1次発酵に対して2次発酵。
この工程は「ホイロ」とも呼ぶそうです。
ホイロ、ほいろ、ってなんじゃらほいろ?
いつもお世話になっておりますgoo辞書さまによりますと、
ほい‐ろ【×焙炉】
1 製茶用の乾燥炉。もとは木の枠に厚手の和紙を張ったもので、
蒸した茶の葉を炭火で乾燥させながら揉 (も) んだ。
《季 春》「家毎に―の匂ふ狭山かな/虚子」
2 製パン工程で生地を発酵させるときに用いる保温装置。
とありました。おお、漢字でかくと「焙炉」なのですね。
生茶葉を焙るための炉ですか。ふむふむ。
ほっこりおいしい、日本茶。
透き通った緑と、さわやかな香り。
ゆったり縁側に座って、お団子をつまみながら、ずずずっっと。
「いや~、きょうもいい天気ですね」
「ほんとに、ねえ。おや、そこに雀が」
などと、時間を気にせず、花鳥風月を愛でながら過ごしたいのですが……
現実はなかなか思うようにはいきませんね。
一般的な緑茶の製法では、まず摘み取ったお茶の葉っぱを蒸します。
そして蒸した葉を乾燥させて、あの緑茶の茶葉を作り上げます。
その乾燥作業ではまず炭火を起こし、その上に和紙を張ります。
熱くなった和紙の上に蒸した茶葉を広げます。
ワサワサと葉を揉むようにして両手で掻き混ぜ、水分を徐々に飛ばします。
時間をかけて丁寧に焙煎することで、茶葉の持つ香りが一層豊かになってゆきます。
ああ、あのお茶がよみがえってきました。
仕事で京都の超有名なお寺さまに伺ったとき、いただいた緑茶。
あの香り、そしてあの色だけは、忘れることができません。
どこまでもどこまでも清らかで、透き通った香り。
味わい深いのですが、重さはまったく感じさせません。
華やかな香りが鼻腔に抜けて、そのまま気持ちも空に昇っていくような感覚。
金色に輝いてみえる薄緑色が、純白の茶飲み茶碗に満たされていました。
なんていうお茶だったのかな? 聞いておくべきでした。
でも恐らく自分で買うには勇気のいるお値段なのでしょうね……
さて、パンを発酵させるハコも「暖かい箱」。
仕組みがとてもよく似ているので、ホイロと呼ばれているようです。
発酵自体をホイロと呼ぶこともありますが、大抵は2次発酵を指しています。
製茶での焙炉の温度(和紙の表面)は高い時で80度位のようです。
パン作りにおいて、2次発酵は1次発酵よりも一般的に高い温度で行います。
この「高温」のイメージから、
2次発酵=ホイロ
の図式が完成したのでは、などと勝手に予想して悦にいっています。
さて、2次発酵と1次発酵についてです。
それぞれ重きを置いている目的が異なります。
ざっくりいいますと
「1次発酵は味わい・風味づけ」
「2次発酵はふくらみ」
を重視しています。
先ほど書きました発酵温度の差は、この目的の違いによるところが大きいです。
次回は、パン酵母の働きを軸に、1次発酵と2次発酵についてもう少し詳しく書きたいと思います。本題から離れ、お茶の話ばかりして、お茶を濁してすみませんです。




