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67.指先を膨らんだ生地の真ん中にブスリと突き刺します。穴が開いたままだけど、少し縮むのがベスト。

 お久しぶりです。パン大好きです。

 5月22日にデジタル温度計を手に入れてウキウキ。

 早速、パンを焼き上げたのを報告してから、はや1カ月半も経ってしまいました。


 この「おいしいパンを作りましょう」連載を始めたのが今年の1月。

 小麦粉や水などの材料をボウルに入れて、ねて、発酵させて。

 そうなのです。

 半年も掛けてまだこのエッセーは1次発酵までしか進んでいないのです。

 どんだけ長いパン作りやねん。

 いくら長時間発酵といっても、半年間も仕込むパンなんてありませんよね。

 すみませんです。


 ということでパン作りエッセー、1次発酵から再開です。


 発酵が進むと生地が膨らんできます。

 オーブンレンジに入っている生地をじっと見ていても、変化に気づくことはありません。


 愛すれど 愛すれど わがパンは

  なお膨らまじ ぢっと生地見る


 10~20分くらい別の作業、例えばバターを乗せていたお皿を洗ったり、強力粉の袋を元の収納スペースに戻したりしてから、ふと生地を見ると「わおっ膨らんでる♡♡」ってなります。



 僕は、法事が嫌いだった。

 別に正座して、お経を読むのが嫌いな訳じゃない。

 声を出すのはちょっと恥ずかしいけど。

 それに、ご先祖さまを思う気持ちが大切だってことも分かっている。


「まあ、き~ちゃん。ちょっと見ないうちに大きくなってぇ~」


 うわっ誰なんだよ、このおばさん。

 発していたはずの他人超拒絶オーラをまったく無視。

 物理的最終防衛ラインも容易く越えられてしまう。

 されるがままに、頭を撫でつけられる。

 ああ、どうしていいかわからない。

 僕はただただ愛想笑いを浮かべる。

 胸が重く、苦しいよ。

 だから、誰なんだよこのおばさん……

 今日は年に一度、親戚が集まる日。

 僕は、法事が嫌いだった。



 ってな具合に、まるで親戚の子供のように、ちょっと見ない内に生地は大きく膨らんでいます。

 ちなみに「き~ちゃん」はパン生地だからき~ちゃんです。念のため。


 発酵時間はおよそ1時間。

 捏ね終わりの生地の大きさ(体積)のおよそ2倍になったら1次発酵終了です。

 この時、フィンガーテストといって、指先で生地の状態を確かめます。

 具体的には、膨らんだ生地の真ん中に指をブスリと突き入れて抜きます。

 その穴が開いたままだけど、少し縮むくらいがベストの状態です。

 指を抜いてすぐ穴が戻るようなら発酵が足りません。

 ふしゅ~っと、指を抜いた直後に生地全体が沈み込むようなら発酵しすぎとされています。


 発酵の温度は28度くらいがいいようです。

 当方の食パンレシピの場合、この温度を保つと1時間弱でベストな発酵状態となります。


 温度があまりにも高いと、発酵が早く進みすぎてしまいます。

 また、バターも溶けきってしまい、その特性も生かせません。

 結果として、肌理きめが粗く味わいも貧しいパンになる可能性が高くなります。

 また、酵母菌以外の雑菌バイキンが発生しやすくなるというリスクも発生します。


 さて1次発酵が終わったパン生地をオーブンから取り出します。 

 気持ちよく膨らんでいる生地には悪いのですが、ここで一度心を鬼にして生地を「叩き」ます。

 

 工程的には「ガス抜き・パンチ」に入ります。



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