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番外編 その22.そのチョコの渦巻きはアットマーク「@」に似てるかも。いや違うか。

 赤色と金色のストライプで彩られたパッケージの両端。

 それは夏祭りのやぐらを囲む紅白の幕。

 お祭り騒ぎのような華やかさにドンドン、気持ちが高まってくる。


挿絵(By みてみん)


 両手の指先に力を込めた。

 いざっ。

 バリリッ!


 …パンの袋を開けるシーンです。念のため。


 袋の中におもむろに鼻を差し入れ、

 そして、深く息を吸い込みましょう。

 

 まず、炒りたてのアーモンドのような香ばしさに包まれました。

 そのナッツ風味は軽やかですが、濃密な甘~さも漂っています。

 本体に渦巻くチョコレートの香りも混じっているようです。

 続いて小麦で作った生地を焼き上げたような、まさしくパンの香りがやってきました。


挿絵(By みてみん)


 表面はメロンパンの皮のように見えます。

 けれど、ゴツゴツしている訳ではありません。

 しっとり。いや、それを通り越して、むしろペタペタしています。

 光線の角度によってはテカテカしております。

 写真撮影では、このしっとり感を出すのに少々苦労しました。


 全然関係ないのですが、「しっとり感」を一気に漢字変換すると「嫉妬離間」と出てきました。なんだか修羅場ですね。

 


 あんな若い女のどこがいいのよ!

 もうアナタとはやっていけないわ!

 サヨナラ!

 -----嫉妬離間しっとりかん


 

 さて、恒例の身体測定に移ります。

 上から見ると真ん丸というよりは、長方形に近い、いびつな円型。


 直径の長い所が13センチ、短い所は11センチ。結構な大きさですね。

 厚みは最大で4.5センチで重さは146グラムでした。

 

 似たような大きさのパンと比べてみましょう。

 以前報告しましたヤマザキさんの「メロンパン バターの豊かな香り」は直径13センチ、厚みは最大5センチ、重さ110グラムとなっていました。


 意外と両者とも体のサイズはほぼ同じでした。

 一方、「体重」に関してはチョコクーヘンの方が36グラム上回っていました。カロリーについても149キロカロリー高いので、チョコクーヘンの濃密さが、この身体測定からも見えてきました。



 家人が寝息を立てる未明の台所。

 男は一本の得物えものを手にすくと立ち上がる。

 コンロに火を入れる。

 チチチチチ

 小気味よい音に続き、行儀よく円形に並んだ青い炎が噴出する。

 確かな熱量を顔に受けながら、右手の得物を炎にさらす。

 燃焼ガスが含有する水蒸気がそのやいばを曇らせる。

 が、それも一瞬。膨大な熱量によって、水気は一気に霧散する。

 男は皿におかれたチョコクーヘンに向き合う。

 腹の底にめていた気を静かに、ゆっくりと放出する。

 しばし、時が止まる。

 両眼が見開かれた。

 同時に振り下ろされた刃。

 ぶれることなく正中を進み、その身を両断した。


 はずだった。


 男の顔に焦りが浮かぶ。

 一切の迷いを捨て去ったはずが……その甘い誘惑にほだされたか。

 美しき両断に失敗し、ポロポロと崩れた断面が現れた。

 未明の台所の片隅で、男は、ただうなだれた。



 ということで、失敗してしまいました。

 パンの断面にこだわってきた当方としては(本当か?)、忸怩じくじたる思い。

 言い訳がましいのですが、チョコクーヘンの中身って、かなり柔らかいのです。

 スッと包丁が入らなかったので、焦ってのこぎりのように前後にギコギコしたものだから、断面がボロボロになってしまいました。


挿絵(By みてみん)


 気を取り直して……

 皮は1ミリ以下から厚いところで3ミリありました。

 チョコ層の厚みは1ミリ~2ミリ。

 チョコの渦巻きは、中心からぐるり1回転と270度分。

 表現が下手ですみません。

 時計の分針でいうなら1回転と4分の3まで進んだところ、つまり105分進んだ回転数ですね。

 今気付いたのですがこの渦巻き、アットマーク「@」に似てるかも。いや違うか。

 

 それでは、いただきま~す。

 表面は見た目と手触りに違わず、しっとりしています。

 皮のみを食べると、おおっモチモチ。

 ナッツ系の香ばしさが広がります。


 続いて、その下にある渦巻きチョコの部分です。

 猛烈なチョコの香りにてられ、唾液が一気にあふれ出します(汚くて申し訳ありません)。

 あむっ。

 う~ん、香りで期待しすぎたせいでしょうか。

 味はそれほどチョコがグイグイという感じではありませんでした。

 渦巻き状の生地のうちチョコのない部分だけをかじると、ややモソモソ、パサパサとしていました。

 チョコ層は薄いのですが生地に満遍なく行きわたっているので、チョコ然とした甘さを押し出すよりも、生地のパサツキ感を抑える役目を果たしているのではないかな、と考えました。


 分厚いパンですが、皮の部分と一緒にほおばります。

 ほわ~、皮の甘さともっちり感が、渦巻きチョコ層と交じり合い、濃密な甘さが広がりました。


 クーヘンはドイツ語のKuchen。つまり、菓子やケーキを指す言葉です。さすが554キロカロリー。甘さもボリューム感も充分満足いたしました。


挿絵(By みてみん)


 フジパン「チョコクーヘン」。大阪市内のスーパーで購入。105円なり。 

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