50.ミネラルとパン。グルぐルグるぐる…グルテンの迷宮に入ってしまいました。
ひとしきり激しい雨に打たれ、風に吹かれ、おひさまにも照り付けられ公園の桜もずいぶんと花びらを散らしてしまいました。
ところどころで、枝の濃い茶色の肌がのぞいています。まばゆいほどではないですが新緑の柔らな若葉もちらり、ほらりと顔を出しています。
春の薄桃色で満たされていた桜並木は、初夏への一歩を踏み出しました。
厳しい冬が過ぎ、一斉に咲き誇った桜の姿。
見納めとなるのは名残は惜しいですが、新緑の混じる桜の姿に、力強さと美しさを感じます。
ある家族が記念撮影をしていました。
お父さん、お母さん、そして男の子の3人組み。
男の子は紺色の制服を身に着け、肩から黄色いベルトの黄色い小さい四角い鞄をさげています。
鞄は、もちろん斜め掛け。帽子は、残念ながらかぶっていませんでした。
お母さんが、スマホを片手に構図を定めています。
スーツ姿のお父さんと男の子と桜と。
昼下がりを過ぎたころなので、恐らく入園式の帰りなのでしょう。
春を脱ぎ去り歩み出した桜の下で、人生の一歩を刻む。
少し感慨深かったのは、自身の幼稚園の鞄が同じ黄色の四角い鞄だったからかも知れません。
もしかしたら、あれは遠い日の自分自身…いえいえスマホなんてなかったし、母は着物姿だったはずなので、そんな訳ないです。
桜一色もステキなのですが、
それを支える枝や輝く若葉が混じった桜もまた味わい深い…
純粋もいいけれど、ちょっと混じり気のあるものもオイシイ。
そんな視点での今回のお話です。
テーマはミネラル。
実は前回のシオちゃんのお話を書いた後のことです。
「藻塩や岩塩など、塩の種類で役割や効果って変わったりするんですか」
まったくもって、ありがたいことです。
このエッセーを読んでいただいている方から質問が届きました。
当方も気になったので調べてみました。
塩。スーパーの棚に並んでいるものだけでも、たくさんあります。
塩の化学式はNaCl、塩化ナトリウムです。
真っ白でサラサラな食卓塩は塩化ナトリウムの含有量が99%以上を占める、より純粋な塩といえます。
一方で岩塩や藻塩、粗塩などは塩化ナトリウムに加えてマグネシウムやカルシウム、カリウムなどのミネラル分が多く含まれています。
塩の違いは、それぞれに含まれているミネラル成分の違いのようです。
で、ミネラルって何にゃねん
(打ち間違いですが面白いのでそのままにしました)
実はこの文章を書いている目の前にも「健康ミネラルむぎ茶」のペットボトルが鎮座しています。このお茶、ただいま増量中で容量なんと650ml! 決して宣伝している訳ではないのですが、この増量と健康ミネラルの2点が「推し」となり、ついつい買ってしまうのです。
余計な話は飲み込んでミネラルですね。厚生労働省のHPに詳しい記載がありましたので引用します。
ミネラルとは
ミネラル(無機質ともいいます)には、カルシウム、鉄、ナトリウムなどがあります。
必要な量は少ないのですが、人の体の中では作ることができないので、食べ物からとる必要があります。
ミネラルは、骨などの体の組織を構成したり、体の調子を整えたりする働きがあります。
具体的には、ナトリウム・マグネシウム・リン・カリウム・カルシウムなどを指します。健康を保つ上で、重要な役割を果たしているようです。
さて、パンとミネラルについてです。
岩塩などミネラル分多い塩がパンに及ぼす影響…残念ながら、そこまで追求してパン作りをしたことがないので、自身の経験では語れません。
代わりにネットで検索しますと、いろいろ興味深い内容に出会いました。
以下に箇条書きにします。
・使う塩によってパンの味が変わる
・いやいや、塩の種類によってパン味は影響を受けない
・やや硬水(硬度50~120)で仕込むと質の良いパンとなる
・硬度が高いとグルテンが締まりすぎ、生地も切れやすくなる
・うどんの生地に硬水を使うとコシ(モッチリ感)がでない
そのメカニズムに関して、各種の科学的な論文などを含め、かなりの数の「文献」を探し、読みあさりましたが…
よくワカラネー
状態となってしまいました。
仕事中もグルぐるグるぐル…グルテニンとグリアジンが織り成すグルテンのことばかり頭の中でぐるぐるします。
ううむ…まとまらない。
なんだか、パンを書いている身としては忸怩たるものがあるので、いっそコチラも実験だ!
ミネラルがパンにどのように影響するのか。
実際に捏ねて焼いて食べて比較してみまSHOW!
勢いで書いたはいいが、一体どうなることやら…