番外編 その18 一刀両断ならず。ソフトとはいえフランスパン。 その皮は、カタイ。
その男は、深く息を吸った。
右手にはパンの入った細長い袋。
両の眼は閉じられている。
肺の隅々にまで空気が満たされてゆく。
胸の動きがぴたりと止まった。
静寂。
一拍置いた後、今度は細く、長く息が吐き出されてゆく。
静かに両の眼は開かれる。
男はおもむろに細長い袋の口を開けた。
「ファボールサンド クッキークリーム」
早速開封します。
さて、その香りは…
当方の「取材メモ」をそのまま引用いたしますと、
揮発性の香り。でも、それほどでもない。
フランスパンの香りがいっぱい。
ちょっと硬質な、酸いとまではいかないが、
少し尖った感じの匂い。
キュンとする感じ。
香りの表現というのは、これまた難しいですね。
ざっくり書けば、今回の「ファボールサンド クッキークリーム」はフランスパンの香りで満たされていました。でも、そのフランスパンの香りを別のもので表現するとなると…鼻腔を駆け抜ける軽やかなパンの香ばい匂い、とでも言えばいいのでしょうか。ナカナカ難しいです。
先ほどのメモにある「揮発性」とか「少し尖った」というのは、このフランスパンの香りの軽やかさをイメージしたものです。
身体測定に移ります。
いつもながら、定規とデジタルはかり、そしてカメラ。
相変わらず、深夜の台所です。
体重は88グラム。
身長は29センチ。結構ありますね。
幅4.5センチで、高さ(厚み)は最大3.5センチとなっていました。
鈍く光るPAMESOH SOLINGENの刃。
「あの細長い奴か」
次の獲物を見定め、つぶやく。
灼熱のガスコンロの炎に、その身が投じられる。
文字通り身を焦がす闘志は漲り最大限。
十分の速度をもって、炎の刃は振るわれた。
「いけるっ!」
PAMESOHは確信した。
だが、その獲物-ファボールサンド クッキークリームの装甲は
思ったよりも厚かった。
切断の途中で刃は止まり、一刀両断とはならなかった。
けれどもPAMESOHが自身を憂う必要はまったくなかった。
ソフトとはいえフランスパン。
その皮は、カタイ。
今回に限っては、敵のほうが一枚上手だったのだ。
PAMESOHは闘志を高め、2度目のアタックにして獲物を両断した。
すみません。体調がすぐれず…ここまでで次にまわします。中途半端ですみませんです。なにとぞご容赦を。パン大好き