番外編 その16 ピスタチオ然とした鮮やかなグリーン。穏やかな、オトナの恋の味。
ふわりとしたチョコの香りに包まれたっ!
パン大好きに112のダメージッ!!
パン大好きのハピネスが64あがったっ!
パン大好きは使い古された定規を構えたっ!
チョコは金の延べ棒のような立体的な台形をして様子をうかがっているっ!
パン大好きは透明なる定規で測ったっ!
チョコの底面は縦1.7センチ×横2.7センチ、上面は縦1.3センチ×縦2.3センチだったっ!
チョコがちょこっと溶け出したっ!
パン大好きに276のダメージッ!!
パン大好きは、左手の親指と人差し指をペロリと舐めたっ!
パン大好きは196回復したっ!
ピピーッ!! 指舐め行為っ!
パン大好きに食品衛生的、教育倫理的ペナルティッッ!!
パン大好きはモラルが25低下したっ!!
パン大好きは慌ててチョコをつまみあげ厚みを測定したっ!
チョコの厚みは8ミリであることが分かったっ!
ふわりとしたチョコの香りに包まれたっ!
パン大好きは、静かに目を閉じたっ!
一瞬にして周囲の空気が濃密なものとなる。
みなぎる興奮といささかの緊張が交錯する。
パン大好きは、静かに両手を合わせる。
それは生きとし生けるものに対する感謝を凝縮した所作。
深く吸い込まれた濃密な空気が、鼻腔を通り肺のすみずみにまで送り込まれる。
次の瞬間、カッと両の眼は見開かれた。
パン大好きの右手に握られた宝剣は最短の軌跡を描いてその標的に達した。
ザクッ!!
斬撃に伴う確かな衝撃。そのチョコは両断された。
…すみません、ちょっとしつこかったですね。
さて、いつも通りの断面チェック!
チョコの中には、ピスタチオ然とした鮮やかなグリーンの層がのぞいています。
ピスタチオ・ガナッシュ?
森永製菓さんのHPにはちゃんと説明が載っていました。
ガナッシュ(Ganach)とは:チョコレートに生クリームやバター、牛乳、洋酒などを混ぜ合わせたチョコレートクリーム。水分が多く、トリュフなどのセンターに使われる。
その説明よりも「トリュフのセンター」の方が気になったのは、当方だけではないはず。お菓子業界では中に入れる詰め物をセンターと呼ぶようですね。
それでは、いただきま~す。
口に含んだ瞬間、ナッツの香りがふわりと届く。
けれど上品すぎてよく分かりません。
ガナッシュはピスタチオがペースト状にまで細かくすりつぶされているようで、ゴツゴツした豆の食感はありません。なめらかです。
深く深呼吸して、両手を上に伸ばして…プールに入る時みたいですが。
気持ちをリセットしてもう一つ、つまみます。
舌の上で周りの部分が溶け出し、チョコ独特の甘~い時間。
しばらくするとピスタチオガナッシュだけになりました。
ほんのり香るナッツ香。
パッケージにあるように「穏やか」で「上品」な風味。
個人的には、もっと「ピスタチヲッ!」してくれてもいいのですが…。
ガナッシュには極微細な粒のようなものを感じました。
恐らく粉になったピスタチオでしょうが、「ナッツ食べてます」というような食感ではありません。全体的には、なめらかです。
むしろ、直接的な味わいよりも後味の爽やかさが印象に残りました。
アーモンド入りチョコなどと違って、口の中の内頬の壁がキュッっと締まる感じです。チョコ独特のしつこさがほとんどないのです。
これもピスタチオの効果なのでしょうか?
言葉の裏側、香る想い
寄れば逃げさり
離れれば寄り添う
静かに熱く、そして甘く
オトナの恋の物語
甘美なる穏やかさ、か。
森永製菓「ダース<ピスタチオガナッシュ>」。大阪市内のドラッグストアで購入。298円なり。
※期間限定商品とのことですので、入手できないかもしれません。執筆が遅れて申し訳ございません。パン大好き。