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31.飛びのいた先。光の柱が俺を囲んだ。しまった、これは罠だ。

 双方同時に攻に転じたが故に、ほぼ中央でぶつかる。

 鋼鉄の塊である重戦車が光速で衝突したような超質量同士のインパクト。衝撃波の爆心は地面が吹き飛ばされクレーターと化した。


「ちっ互角か」


 強気にうそぶいたがこのまま押し合いになっては敵わない。

 シオの支援魔法をきっかけにして再び後ろにさがり間合いを取る。


 その飛びのいた先で光の柱が俺を囲んでいることに気づく。

 しまった、これは奴のわなだ。

 思えば先ほどの魔法攻撃はやけに単調だった。

 抜け目なく、奴はこの罠を仕込んでいたのか。


 それぞれの柱から強い光が発せられ、瞬時に光の網が出現した。

 光に絡みとられた俺は、逃れようとするが体が言うことを聞かない。


「シオ、何とかならねえか!」

 あせった俺は情けなくその名を叫んだ。


 拘束されたのは、わずか1秒に満たなかったであろう。

 だが、このレベルの戦いにおいては致命的な隙となる。


 眼前の奴の姿は、すでに刀を振り抜いていた。


「間に合わ・・・」

 光の奔流に飲み込まれる。


 全身からだを防御している鎧気がいきが霧散し、鎧の表面が砕けてゆく。敵の刃は俺の体に達し、なすすべもなく己の肉体が崩壊する。すべてがスローモーションのように客観的に認識できることが、腹立たしくも感じた…


「サトーッッ!!」


 シオの絶唱が響きわたる。


「すまない・・・シオ・・・」


 最後までその言葉を発することができたのかどうか、

 俺に知るすべはなかった。



 暖かな光に包まれる

 白い絹のベールように降り注ぐ

 俺は、何かを達せなければならなかったはずだが・・・

 もう、それもどうでもいい・・・

 暖かな光に導かれ、俺は・・・


・・・

・・・


 唐突に光の刃が迫り来る。

 握り締めた愛剣で、その一撃を振り払う。

 何とか迎撃が間に合った。 

 眼前には…光輝く剣を構える漆黒の鎧の剣士、アイグが対峙している。


 何がどうなっている?


 俺は奴の罠に見事にはまり、あえなく「戦死」したはずなのに・・・


「ステータス、リブート。

 リザレクト ニヨリ ソセイ カンリョウ シマシタ。」


 無機質な音声が流れる。

 そして、その次に、あってはならない一文が読み上げられた。


「シオ ガ リザレクト ヲ トナエマシタ」

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