3.夕張メロンパンのはずがデロ~ンパンの危機。
夕張メロン果汁&果肉入りのメロンパン。
材料をボールに入れ、こねる。
少し柔らかいかな、という感じだった。
こね作業の段階では違和感はなかった--
続いて発酵です。オーブンレンジを発酵モードにセットします。これは、レンジの庫内を30~40度に保つ便利な機能です。
こね終えたパン生地が入ったボウルに固く絞った濡れ布巾をかぶせます。お肌も生地も乾燥は大敵。カサカサ対策は必須ですね。
いざ、レンジ庫内へ生地を投入。ふふふ。やっぱり甘くていい香りです。
待つこと30分。少し様子を見ようと、上に掛かっている布巾を外すと……
ええっ?!
まったく生地がふくらんでないではないかっ!
というか、むしろ生地が液状化?しています。
イッタイ、ナンナンダ、コレハ。
あわてて生地に触ってみると、スライム(ちょっと古いでしょうか?)のような感触。
いやいや、ちょっとキタナイ表現ですが10分間以上、口の中でかみ続けたガムのような、どこまでも、何の主張もなく、意識を失ったかのようにだらしなく、伸び続けていくようなビロ~ンとした生地になっていました。
こりゃまずい。
生地が柔らか過ぎるのかと思い、強力粉を加えました。
しかし、一向に改善しません。
ううっ。
ふくらまないのは、イーストが足らないのかな?
追加しましたが、スライム君(生地)は相変わらず「だらしない」ままです。
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「司令官、本隊がまずいことになっています。今にも崩壊しそうです」
敵の猛攻に当方は防戦一方。
このままでは攻略されるのも時間の問題だ。
冷や汗が流れる。
落ち着け。
まだ対処できるはずだ。
「強力粉部隊を30グラムほど投入せよ!」
「司令官! 西側の防衛線が突破されました」
「いかん。ではイースト隊を5グラムほど突っ込め」
しかし、追い討ちをかけるように伝令が走り込む。
「最終防衛線が持ちません。応援要請が来ています」
「何だと! ではさらに強力粉30グラムだ。イーストも5グラム!」
劣勢とは悲しいものだ。
すべての策をあざ笑うかのように事態は改善しない。
時間とともに深刻度だけが増していく。
「ええい、こうなれば『あれ』を使うか」
「あれを使うのですか? しかし、あれは最後にしか……」
「もうこうなっては仕方がないのだ。あれにすべてを託そう」
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そのようなやり取りが心の中で行われ、敗北モードを挽回すべく起死回生の一手、「あれ」にかけてみたのですが……
メロンパン失敗の話、少ししつこいので次回で終わります…