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2.甘かったのだ。パン作りに対する考えも。そして夕張メロンも。

 結論から言うと、失敗でした。


 甘かったのです、何もかも。パン作りに対する考えも。

 そして夕張メロンも。


 食パン作りに慣れてきたある日。

 テーブルの上に立派なメロンが鎮座していました。

 

 夕張メロン。


 身内の誰かが誰かから贈られたのだけれど食べきれないからウチにもって来てくださいました……なんて理由がとろけるほどのいい香り。


 人工的なメロンフレーバーとは根本的に異なる、心を奥底から揺さぶる甘~い香り。

 恐らく、このキケンな香りにヤラレたのでしょう。

 

 何を思ったか、

「よし、このメロンを使って本物のメロンパンを作ろう」

 

 メロンやで、それも夕張メロン、高級やで。

 そんじょそこらのメロンやないで。

 これで作ったらまさに本物のメロンパンや。

 みたいなノリでした。


 せっかくなので、果汁をたっぷり使って焼いてみよう。


 デザートとして食べる分はココにおいといて(ちょっとネタ風に)、果肉を半月状に切り出します。

 心を鬼にして、果肉をつぶして果汁をぎゅぎゅっと搾り出します。

 記憶が定かではないのですが、小さなコップに半分位の果汁が取れました。


 おお~っ、やっぱりいい香り。


 この時、メロンパンを焼くのは初めてでした。

 ネットなどでレシピを検索。

 ふむふむ。

 本体のパン生地とは別に、上に乗せる部分を作らねばならないようです。


 この部分ほぼクッキーですね。予想のはるか上空をいくほどにたっぷりとバターと砂糖を使うレシピに驚きながら、上にかぶせるクッキー生地を作りました。


 ペタテカ。ぽってりと分厚い生地はペタペタとした感触でした。バターの油分が表面をテカテカさせていました。


 ここまでは順調だったのです。


 続いて、メロンパンの本体(土台部分?)に取り掛かりました。強力粉や砂糖や水などをレシピ通りの分量で混ぜてゆきます。続いて、意気揚々と先ほどのメロン果汁、意気軒昂に果肉も投入して、グイグイとその身をつぶしながら生地に混ぜ込んだのでした。


 今から思えば、どう考えても水分や糖分が多くなるので、最初からその分、強力粉を増やすか、あるいは水を減らすか、砂糖を減らすかなどの対応を取るべきでした。


「まあ、こねて生地が緩かったら粉を足せばいいか」ってな感じの、ユルユルな心持ちで作業を進めていました。


「異変」が現れたのは、その30分後でした。


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