105.ハプニングで剥ぎ取られたアルミの衣。あらわになった白き肌
今回は焼成にまつわる実験のリポートとなります。
大きな丸型パンの生地を捏ねて1次発酵させます。そしてこの生地を3分割します。
ふっくら膨らんでおりますね。この3つのパンを焼くのですが、それぞれ条件を設定しました。
①最初からアルミホイルを被せて焼く
②10分経過後にアルミホイルを被せて焼く
③そのまま焼く
の3パターンです。3つの生地は同時に焼くので、違いはアルミホイルを掛けるタイミングとなります。なお、オーブンの設定温度は220度。トータルの焼成時間は20分です。
アルミホイルはどこで買い求めたのかな? 忘れてしまいした。それにしても、堂々と潔く分かりやすいパッケージですね。
3分割された生地は丼よりも大きなドーム型。きょろきょろ見回すと、ちょうど視線に入った中型ボウルがぴったりのようです。ひっくり返してホイルをボウルに押し付けます。同じようにして、もう一つホイルの帽子を作りました。
まず1つの生地に帽子を被せて、いざ加熱。3つの生地が220度の回転皿で熱き輪舞曲を奏でます。
ほんのり漂う香ばしさ。10分経ちました。もう一つの生地に帽子を被せます。あまり長い間、扉を開けていると庫内の温度が下がるので手短に作業します。でも、もう少し慎重にするべきだったと2分後に反省する羽目となりました。
加熱再開。ブオーンとオーブンレンジのファンが唸りを再開します。すると、
ガリ
ガリガリ
ガガガガガ!
庫内から異音が響きはじめました。あわててオーブンを急停止。扉を開けると……
ガビーン。古いタッチですが本当に「ガビーン」と口に出してしまいました。
どうやらあまりにも適当にアルミホイルを被せたものだから、はみ出たホイルの端がレンジの壁に引っかかってしまったようです。最初につけた帽子をも引っぺがされて、お肌がちらり。いや~ん。
こりゃ実験失敗か? でもここまで来て取りやめるのももったいない。ぎゅぎゅっとアルミホイルの端を折り込み、強引に被せ直して何とか加熱を再開しました。
そんなこんなで、焼き上がりました。アルミホイルの反乱の衝撃は大きく、①の最初から被せていたパンと②の10分後からの2つがやや変形していました。③のそのまま焼いたものは無傷でした。
色を見比べると、①は明らかに白く、②と③は似通った茶色でした。あえて比べると、③(写真右上のパン)より②(写真右下のパン)が、やや色が薄いかなといった具合でした。
香りは……すぅ~くんくんくん。荒熱が取れてから、それぞれを嗅いで見ると、①の白いパンはほぼ香りがなく、②のやや薄い方はおおっ~、華やかでふくよかな焼きたてパンの香ばしさです。③のちょい濃い目も香ばしいのですが、華やかさよりは重くて渋い香りでした。
いよいよ切断です。ズバッと真っ二つにしました。と、ここで新たな問題が発生してしまいました。
パンが冷めて、いい状態の時を狙ったかのように我が家に来客があり、台所にお通ししていました。歓談の場に割り込み、その場で3つのパンを切り、なおかつ、並べて写真を撮る訳にもいかず……かといって出社のために家を出るまでの時間もあとわずか……
仕方がないので別室の、パソコンの前でこそこそ作業をすることとなりました。ということで、きちんと並べて写真を撮ることができず、合成・編集画像となってしまいました。
高さの比較、左から①②③の順です。①は②③よりも小さく、②③はほぼ同じ大きさでした。①②の形が悪いのは例のアルミ問題によるものです。
これは上から①②③です。幅に関しては①が②③より若干小さいかな、という結果でした。しかし、高さよりは差が小さいように見受けられます。
それでは、いただきま~す。試食は時間を改めて行いました。
さて、そのお味の違いは……
そもそも、なぜアルミホイルなのか……(To be continued)




