All ( minus one ) / think
2人が去ったマンションでは、クズキの社内会議が開かれようとしていた。
「じゃあ、フユカお願い」
「はいよ。サポートお願いやで」
「いつでもいいわよ」
ここはフユカの自室。女の子らしい華やかな部屋でぬいぐるみも多いが、1点だけ違和感があるものが存在する。BDCだ。それも、業務仕様の本格的なもので武骨な外見であった。会社で使用しているものに比べると世代が古いが、まだまだ使える。実際に過去に会社で使っていたものを機器更新時に持ってきたのだ。
家庭用の機器ではシードを使用することができない。確かにソシアブラに比べれば一般的といえなくもないが、それでも世界中にせいぜい1000人ぐらいという希少な能力なのだ。対応できる機器も限られている。
「ほな、ダイブ・スタート」
発声と同時に、フユカが頭にかぶったヘッドギアから電波が発生する。フユカの脳内と直接信号のやりとりをするのだから、何重にも安全装置が備わっている。近頃ではBDC使用による重大な事故は起こっていないが、危険であることには間違いない。
そのためにフユカの側でレイノがモニターしている。異常があれば直ちに中止するためだ。
フユカは深い眠りにつく時のように体の感覚がなくなっていく。いつもながら慣れない。元々、フユカは普通にネットにダイブする事がほとんど無いが、その時には感覚を仮想のそれに入れ替えるのに足元から水に入るような感覚がある。ただ、シーダを使用する時にはフユカ自身がアバターを操作するわけではないので、単に感覚がなくなるだけだ。
自分の体が無くなって、精神だけの存在になるような感覚はあまり気持ちいいものではない。人によっては死を想起するようで、パニック状態でダイブをキャンセルすることもあるらしい。
完全に体の感覚が無くなり、だが視覚だけは存在する。もっとも、見えるのは上下左右もわからない暗闇だけだったが……
突如、暗闇の中に光が現れる。
前に赤、左に青、右に黄、後ろに緑、とはいえ、目で見ているわけではないのでそれらが同時に見える。よく考えて見ればどうやって認識しているのか不思議だったが、余計なことを考えている暇はない。
フユカはその4色の光に集中する。
すると、前の赤は炎のようにゆらぎ、左の青からは雨音が聞こえ、右の黄は石壁のような質感になり、後ろの緑は渦を巻いたように感じられた。
それらを同時に認識し、合わせて自分が消え去り、それら4つの光に向かって分かれていくようなイメージに集中する。
程なく、右の青に一人の女性の姿が現れる。彼女はミズキ(瑞)、水のイメージで形作られたフユカのTEの一人。
続いて前の赤から大柄な女性の姿が現れる。炎をまとったような赤髪を編み上げた彼女はホムラ(炎)。
ほぼ同時に左の黄色から小柄な少女が現れる。彼女はミサ(美砂)、ツインテールを揺らして仲間たちににっこり微笑む。
最後に、後ろの緑から現れたのは黒髪で長髪の和風美人。彼女がツムジ(旋)、彼女の登場と共にフユカは自分という感覚を失い、その意識は眠りにつく。
地火風水のエレメントという、直感的に理解しやすいイメージを利用して、フユカのシーダが発動した。
登場順はやはりTEのランク順となってしまっている。これはフユカ自身のイメージしやすさと関係しているらしい。
4人は互いにアイコンタクトを取って、中央に現れた光柱に歩み寄る。
転移。
彼女たちには見知った自宅、とはいってもネット上に存在するだけなのだが、そこに入った4人は思い思いにくつろいでマンションのメンバーの呼びかけを待つ。
向こうの準備ができる間、話題になったのはやはり事件のことだった。
「どう思う?」
ホムラがミズキに問いかける。ホムラはあまり椅子に座るということが無い。なんでも立っているのが人にとって一番自然な姿だという信念を持っているそうだ。
ミズキは普通にソファの1人掛けの方が定位置だ。目覚めはやっぱりコーヒーだ、ということですでにグラスを片手にしている。
今日の銘柄はハワイコナだ。ミズキはアイスコーヒーを一口すすって答える。
「情報が少なすぎて、今の段階じゃ何も言えないわね」
「大体ソシアブラなんて私達と接点ないしわかんないよね」
と、ぼやくのは3人掛けのソファを占拠して横になるミサ。
「まあ、どっちかというとネット犯罪とは遠い分野のはずだからね。むしろ外での危険の方が多いんじゃない?」
「確かに、ソシアブラ1人にボディーガードが3000人付いているらしいからな」
「3000人って、それは多すぎ。町を歩くのにそれだけ付いてくるの?」
「まあ、実際には数十人といったところらしいけど、それでも誘拐事件とかがあるらしいわね。むしろ今までネット側から狙われなかったのが不思議なぐらいじゃない?」
「それは……やっぱり難しいからじゃないですか?」
ここまで発言していなかったツムジが口をはさむ。彼女は一人離れてダイニングの椅子を持ってきて座っていた。ソファはミサが占拠しているので座るところが無いのだ。
「確かに……フユカが聞いたところでは1秒にほぼ3回の仕草をチェックするらしいからね。確かにそんな精度で仕草を認識したり、そのとおりに行動したりするのは、人間でも私達でも難しいんじゃない?」
「でもでも、ミズキなら出来たりして?」
昨日の今日だ、ミズキが仲間にも正体を隠していたことを責めるような意図が隠れている、そういう深読みも出来なくはない。だが、ミサはいつもこんなふうに遠慮のない物言いをする子だったな、と思い出して、ミズキは特段気に留めた様子を出さずに答えた。
「どうかしら? 元はフユカの4分の1だし、そんなに細かいことをするのは難しいんじゃないかな。それにフユカにしたって10年やそこら、私達に至ってはまだトータルで1年にも満たない経験しかない。ソシアブラは対人の経験がものを言うらしいし……」
「確かに、聞いた話では30過ぎるまで資格が取れなくて見習いのままって人もいると聞いたことがあります」
ツムジの言ったとおり、実際にソシアブラの資格は難関だ。世界で100人も居ないわけだから、その程度が推し量れるというものだ。
「その意味では、今日来ていたサツキというソシアブラは図抜けて若いな」
「天才だねっ!」
「ええ、そう思う。でもね……それを言うならフユカこそ天才なのよねえ……よく考えれば、イガキ・セイジにばかりみんな気が行っていたけど、フユカとサツキさんの邂逅こそがとんでもないことだったのかもしれないわね……」
「まあ、それがカケルを挟んで子供っぽいやきもちを焼いているだけだったのが実際だがな……」
ホムラの感想に、皆が苦笑する。
「ともかく、私達としては現場を見てみないとわからない、ということでいいんじゃないかしら? それに、こちら側……ネット内のことなんだから、こちらの流儀でやるしかないわよね」
「ま、そういうことになるだろうな」
そこで、壁のスクリーンが光り、映像を映し出す。どうやらあちらの面々の準備が整ったらしい。
「やあ、みんな元気?」
第一声を発したのはカケルだった。
画面は中央が大きくフリースペースになっていて、ホワイトボードのように書き込みが出来るようになっている。その周り、左上にナミ、右下にカケル、左下にレイノの顔が四角い枠で小さく出ている。
マンションの面々はそれぞれ個人の端末を使用している。背景から見て、ナミとカケルが食卓、レイノがフユカの机にいるようだ。こちら側の4人は、画面に正対する3人掛けのソファにミズキ、ミサ、ツムジが座り、背後にホムラが、やはり立って会合に参加するのが常だった。
実は、こちらの部屋はナミのマンションと同じ構造になっている。別に衣食住を必要とするわけではない4人にとってはそのことはあまり気にはならなかったので、簡単に済ませたのだ。
「おー、カケルくん、今日はえらくかっこいいじゃん」
「うむ、やはり男はスーツ姿が一番だな」
などと囃し立てるのは、ミサとホムラ。別に2人ともカケルに特別な感情を抱いているというわけでは無い。ミサは単にカケルをからかいたかっただけだし、ホムラは男たるものこうあるべし、という信条に従って発言したまでだ。
「やめてよ……冗談は……」
ミサの意図どおり、カケルは画面の中で困っている。直接アバター同士で接触することはほとんど無いものの、実際仕事になれば4人にカケルを加えた5人がチームとなって状況に対処するのだから、仲間意識もあって友達のような関係である。
接触、という点に置いてはむしろ一番疎遠なのが他ならぬフユカだったりする。
ミズキは皮肉だな、と思った。一番近い存在と、ある意味では一番遠いのだ。映像メールなどではその姿を見ることができるが、ミズキとフユカが直接会話をすることは未来永劫無い。
フユカは4人にとって末の妹のような存在だ。時にはメールで色々な相談を持ちかけられることもある。その内容は勉強のことだったり、自分の成長のことだったり、あるいはカケルとのことだったりするが、それらには親身になって答えている。
自分の事のように……と、確かに自分の事とも言えるだろう。フユカの体験したことは全部ミズキにも自分の体験したことのように感じられる。
TEがドライバに対して記憶の一部をブロックして、メモボックスに自分だけの記憶として残すことは一般的だ。「自分だけのもの」を持つことは精神の健康を保つ上でも重要だとされている。一方で、ドライバがTEに対して記憶をブロックすることは、それに比べれば一般的ではない。これは、元々0の状態からTEの人格が作り上げられるのではなく、ドライバの人格をひな形としてTEが生み出されているという事情が関係している。もし0から作り出すというのでは、肉体を持った人間と同じだけ、実戦投入に15年以上かかってしまう。一般にシード能力が見出されて仕事につくのは10代半ばだから、実務を始めるのにドライバは30歳ということになってしまう。そんな悠長なことはしていられない。
だから、フユカがカケルの事が大好きであることが、ミズキたちに多少なりとも影響を与えていないはずはない。これはミズキ達とフユカの間だけでなく、ミズキ達それぞれの間の不仲の火種にもなりかねない問題だ。当然早いうちに4人で話し合いが持たれて、お互いに注意しようということで合意した。
ミズキ以外の3人は、三者三様の解決方法をとることにしたようだ。ホムラは武に生きることにし、色恋沙汰を遠ざけているように見える。ミサはユニネット内で他の相手を見つけて遊んでいるようだ。ツムジは、あの通りあまり自己主張しない子だから、詳しくはミズキにも分からないが、思慮深い性格だから事情はよく理解しているはずだ。この関係を壊すような愚行は犯すまい。
ミズキは……実はミズキ自身が一番この問題では苦しんでいるのかもしれない。なまじmランクなどという能力を持って生まれ出てきてしまったために、ともすれば選民意識のかけらのようなものが心に浮かんでくることがある。私はフユカの一部であり、だがフユカより体も心も優れている。なのに……。なぜ自分は人間として生まれなかったのか、もしそうだったら今頃どんなに素晴らしい人生だっただろう? 冷静に考えてみれば“m”というのはおよそ人間を超えたレベルの能力を持っているという意味らしいので、人間に生まれていたらミズキの能力がそれほど優れている可能性は無いのだが、気持ち的には釈然としないものが残っていた。
もちろん、ツムジをそう評したように、ミズキ自身も自分たちを取り巻く状況を正確に理解している。フユカがスリーパーに入ってくれなくては、自分たちは存在すらできない。そこまでいかなくてもドライバのちょっとした心理状態に自分達は大きな影響を受ける。フユカの精神状態によっては、ミズキ達4人のうち1人か2人体を動かしにくくなるぐらいのことはあった。もし、仮にフユカが4人の誰かを憎むような事があれば、彼女は出て来れなくなる可能性もある。
――だから、これはただの愚痴だ。
――誰もが、人手あろうがTEであろうが、ままならない人生を嘆くようなものだ。
ミズキは、だからカケルへの想いをそのまま持ち続けることにした。他の3人のように代償行為に逃げるのは違うような気がしたのだ。想うだけなら自分の勝手だ。
――やれやれ、またフユカに隠さないといけない記憶が増えたな。
妙な考えに至ってしまったことにミズキはうんざりしながら、気持ちを今回の事件のことに無理やり切り替える。
「皆で話す前に聞いておきたいんだけど、カケルはどう思う? 中・外? あっち・こっち?」
ミズキが最初に切り出してくるであろうことはカケルも予想していたのか、返事は即座にやってきた。
「中、でこっち側だと思う」
「根拠は?」
「遠隔地同士だし、別の件は更に別の国だから、ネット外の工作を中心にするのは難しいんじゃないかな。それと、向こう側のロジックでなにかされたんだったらイガキ氏に見当がつかないとは考えにくい。ネット内で常識を外れた事件が起こったら、大体はシーダーがらみだし、今回もその可能性が高いと思う……どう?」
「完全に同意……どうしたものかしらね?」
「それをこれから話すんだから、そろそろ私達も混ぜてね」
それほど長話をした覚えはミズキにもカケルにも無かったが、相手はこの場の絶対的権力者、社長だ。それに、他の面々も交えて話をしたほうが、新たな糸口が見つかる可能性が高まる。
「はい、では2074年7月7日のKNG全体会議を始めます」
たまたま同業にKで始まる名前が無いので、ナミは普段から自社をそう呼ぶことがあった。ただ、社内外で賛同を得ているとは言いがたい。社内の人間は「うちの会社」としか言わないし、社外では営業活動が人脈を使ってのものだから「クズキさんとこ」「ナミさんの会社」としか言われていない。
「いつもどおり、記録とボードはカケルに、レイノはモニタを……」
「了解です」
「問題ないわよ」
「じゃあまず、私の方から状況を説明します」
全員、依頼の件は一応頭には入っているが、改めて他人から整理した状況を聞くというのには意味がある。ナミは可能な限り私見を排除しているが、それでも自分が聞いて認識した記憶とどうしても違和感が生じる。その違和感こそが重要な点であることが多いのだ。
「……ということで、当社としてはこの依頼を受けることになったわけです」
ひと通り話が終わり、ナミは手元の資料から皆の顔が移ったモニターに視線を移した。本当なら同じ端末でウインドウを切り替えればいいのだが、ナミはあえてオンラインとオフラインの端末を分けていた。今節のネット犯罪の事情、また仕事柄もあっての用心だった。
「あの……期限と達成条件については?」
最初の質問を発したのは意外なことにツムジだった。内容は意外でもなんでもなく、当然確認しておくべきことだったが。
「2週間、それ以内に事件の真相を明らかにすればOKということになっているわ」
「犯人の拘束の必要はない……と?」
「ええ」
「真相……ということはどうやって犯行が行われたかどうか解明できればいいということでしょうか? ……背景とか動機とかは別に構わない、と」
「そう取ってもらって構わないです」
一瞬、条件が緩いように感じた者は多かったが、すぐに思い至った。その程度の条件すら難しい、ほとんど手がかりが無い状態なのだ。
場を重い沈黙が支配する。
言葉を切り出したのはカケルだった。
「情報を集めるというのは……どうでしょうか?」
そこでちらっと画面に映ったみんなの顔を確認する。
「いい……続けて」
「はい、実際に当事者の話を聞いて、社長のまとめで確認もしましたが、それだけで行動を取るのは難しいです」
「そうね、せめて次に犯人が同じ事をしてくれるっていう見込みでもあれば……」
「ですが、当のソシアブラが失踪した事が知られているわけだから、同じ姿で出てくることは二度とありません」
「一応、イガキ氏には違和感のある交渉が見つかったらすぐに知らせてもらうようにはお願いしているけど……」
「期限がある以上はそれも当てになりませんね」
そんな幸運を期待する方が間違っている。
「だからみんなで手分けして、ネット内外で情報を集めるということになるわけですね」
ミズキが割り込む。
「いける?」
「問題ない、と思うけど……私達の行動時間はフユカ次第だから……」
「あの子に負担になることは避けたいわね……レイノ?」
「1日6時間なら許可出来ます。何ヶ月も続けば問題だと思うけど、2週間以内だったら……むしろ、それによるフユカの勉強の進みが心配」
「ま、それに関しては事情を鑑みていいことにしましょう」
「いいの? 保護者がそんなので……」
レイノの突っ込みには全員が同意の声をあげる。
形勢不利になったナミは……とりあえず無視することにした。一瞬泣き真似でもしようかと思ったが、みんなの動揺が怖いのでやめた。
「いいことにします」
これはちょっとした大仕事だ、できれば首尾よく解決しておきたい。ナミはそう考えていた。
もちろん、会社の経営は良好だから、これを受けなくても何とか現状維持でやっていくことが出来る。だが、今後何があるかわからないし、ナミの胸の中になるいくつかの発展プランを実行するために、ここで実績と報酬をきっちり頂いておきたいところだ。
「ってことで、TEの4人はネット内で情報収集をお願い。レイノはフユカに付いてもらうとして、私とカケルは外で聞き込みかな」
「あの……私達の方なんですが、何に注目して調べればいいか、ヒントとかありますか?」
ツムジが質問する。
「そうね……もし安全が確保できるなら犯罪者のネットワークに接触してもらえると有り難い。そちらで噂になっているかもしれないし……」
「それは私の領分だろう。あと、ミズキについてきてもらえると有りがたい」
荒事であれば自分が表に出る。ホムラらしい言葉だった。
「ミズキ……ああ、そうか!」
カケルの頭は事件のことでいっぱいで、ミズキの正体が露見していることがすっかり抜け落ちていたのだった。
「じゃあ、あたしとツムジはそれぞれ別行動で得意分野をあたるのがいいのかな?」
「そうね……お願いするわ」
ミサはユニネット上の「軽い」人種への人脈があり、ツムジは比較的「重い」あるいは「堅い」人種とつながりがある。危険な事には近寄らないように、とナミは一応念を押しておいた。
「社長、俺達は外で、ということですが、具体的には?」
「ああ、来てもらうだけじゃ悪いから、こっちからも出向いてみようかと思っているんだけど……」
「……それって、まずくないですか?」
せっかく秘密裏に訪ねて来たのだから、こちらが動いていることを知られるのは良くないはずだ。
「ま、そのへんはなんとか理由を付けるつもり」
「はあ……」
この社長はたまにとんでもないことをやってのける。その最たるものはオオサカからフユカを連れてきたことだったが、他にも前歴がある。
「よし、異議がなければ早速動きましょう」
「あ、社長」
「なに? ミズキ」
ミズキの正体の件については、さっきからの雰囲気で問題ないだろうと考えて後回しにするとナミは決めていた。だが、ミズキが何か言いたいのだったら時間を取って話し合うつもりでもあった。そういうことなのかと思ったナミだったが、帰ってきた言葉は全く別のことだった。
「えっと、フユカからのメールで念押しがあったんだけど、今日のお好み焼きの準備忘れるな、って……」
「ああ、はいはい」
今、フユカは意識がない。前もってメールをミズキに送っていたとすると、この話の流れをあの子は予想していたことになる。
意外なことで勘が鋭いんだから……とナミは改めてフユカに呆れ、同時に感心もするのであった。