第八十三話
【壮絶!!ユダVS蒼夜叉!!オリーブ山峠の戦い!!】
オリーブ山には三つの急カーブがある。これらを制して、山の頂上へ先に着いた方が勝ちなのである!
バブンブンブンブン!バブンブンブンブン!バブンブンブンブン!
「くっそ!待ちやがれ!蒼夜叉!」
ヴォオオオオオオオオンン!ヴォン!ヴォン!ヴォオオオオオオオオンン!
「フッ」
ファオオオオンン!ファオオオオンン!
アウトからインのコーナリングでコーナーを攻める蒼夜叉は、見事なバンクで、峠の第一カーブをクリア。
「負けるか!!!」
ファオオオオンン!ギュギュギュギュ!!!
ユダもゼッツーの後輪を滑らせ、ドリフトをかましながらインからアウトのコーナリングで攻めます。
「ユダ、ついてこられるかな?」
「クッソ!蒼夜叉め!」
フォオオオオオオーーーン!!フォオオオオオオーーーン!!
オリーブ山の峠第二カーブにて、蒼夜叉は今度はインからアウトのコーナリングで、ユダを煙に捲きました。
「しめた!!」
フォオオオオオオーーーン!!フォオオオオオオーーーン!!
ユダはすかさずインからアウトへ攻めると、アウトからインへ戻ろうとした蒼夜叉に蹴りを入れようとしました。
「喰らえ!!」
「フッ、無駄だ、ユダ」
ギュルギュルギュルギュル!!!!!カコン!フォァアアアアンン!
エリミネーターの前輪と後輪を交互にブレーキングをさせながら、素早くユダの後方に回り込み、なんと蒼夜叉はそこからインに攻め込んでコーナリングをかましたのです。
「うまい!!蒼夜叉!ダブル・ポンピングブレーキだ!」
「トマス先輩!ダブル・ポンピングブレーキって?!」
「ポンピングブレーキは、徐々にブレーキを踏み込むことで、急ブレーキ時の制動距離を最小限にするテクニックなのさ!蒼夜叉はそれをフットとレバーのダブルのブレーキで巧みに操作し、ユダを罠にかけたわけさ!」
「それじゃ、あらかじめユダがインコーナに入ってくるのも!?」
「その通り!蒼夜叉の作戦ってわけさ!」
カコン!フォァアアアアンン!カコン!フォァアアアアアアアアアアアアアンン!
見事ユダをアウトに追い出して振り払った蒼夜叉は、そのまま一気に5速でフルスロットル。
「くっそ!!!次のカーブではぜってぇに負けね!!!」
バボゥゥウウウウウウウウン!!バボゥゥウウウウウウウウン!!
しかしユダのナナハン・ゼッツーのパワーも負けてはいません。ローリング走行で蒼夜叉を後ろから惑わしたかと思うと、なんとトマスの秘儀をかましたのです!
「喰らえ!スリップストリーム・アターーーーーック!」
「!?」
ピタリと蒼夜叉の後部を捕らえ、空気抵抗の無いゾーンから見事!蒼夜叉を抜いたのです。
「あれって、トマス先輩の秘儀なのに!」
「勝つためにはなんでもやる。ユダの野郎め!俺の技を盗みやがって!」
しかし今度はユダは何も攻撃をしません。蒼夜叉はインから第三カーブを入ろうとしました。
「待ってたぜ!」
キラリ!
バボゥゥウウウウウウウウン!!バボゥゥウウウウウウウウン!!
ユダはフルスロットルでバンクをかましながら、前輪でガツン!ガツン!と攻撃に入りました。これにはさすがに蒼夜叉もバランスを崩した様子。
「ユダ!今すぐその攻撃をやめるんだ!」
「怖気ついて逃げようったって、そうはいかねーぞ!蒼夜叉!」
「違う!このままではお前のバイクがバランスを失って、ハンドルが外れて横転してしまうぞ!」
「うるせー!誰がそんな言葉を信用するか!?」
ガツン!ガツン!
バボゥゥウウウウウウウウン!!ガツン!バボゥゥウウウウウウウウン!!
全く蒼夜叉の言う事を聞かないユダは、最後のとどめを刺そうと勢いをつけます。
「これであの世に行くんだな!蒼夜叉!!」
「やめろ!!」
ガツーーーーンン!!!その時でした!ユダのゼッツーのハンドルが外れ、ついに前輪が内部に巻き込んで横転したのです。ユダはハンドルを持ったまま、ゼッツーから大きく放り出されました。
「うそおお!!!!!!!!?????」
ヴォオオオオオオオオンン!ヴォン!ヴォン!ヴォオオオオオオオオンン!
すかさず蒼夜叉はドーナッツターンで振り切り、ユダを追いかけようとしました。しかし!
「まずい!!!」
なんとユダの落下地点は、なんと横転しているゼッツーの真上!このままではバイクに巻き込まれて即死確実!蒼夜叉は自分の乗っていたエリミネーターを乗り捨てて、飛び出したのです!
「ユダ!掴まれ!!」
「!?」
蒼夜叉は右腕をユダに差し出し、ユダもすかさず蒼夜叉につかまり、ユダを抱きかかえた青夜叉はそのまま地面にスライド。右肘に擦り傷ができて流血です。
「ユダ!バイクから離れろ!」
「お、おう!?」
ドガーーーーーァアアアアアアアアアンン!
放り投げられたエリミネーターとゼッツーは互いに衝突!
ボワアアアーーン!ボワボワボワボワボワ~!ボワボワボワボワボワ~!
大破して炎上しました。
「あ、蒼夜叉。あんた、俺を救う為にわざわざ」
「そんなんじゃねーよ」
炎と黒煙を上げる大破したバイクを眺めながら、蒼夜叉は何も言わずにそのまま立ち去ろうとします。
「ち、ちょっと待て!まだ勝負は終わってねー!!!」
「フッ。一体、何に苛立っているのかしらんがな、少しは自分を虐めるのをやめる事だな」
「じ、自分を虐めるだと!?一体何の事を言ってやがる!?」
すると蒼夜叉はユダの顔面に人差し指を伸ばして語り出しました。
「不満のある馬鹿は、自分のことを棚に上げて他人のせいにするものだ。プライドだけ高く、後には何も残らず、またその繰り返し。だが、その他人を傷付ける行為こそ、一番自分自身を傷付けていることに気が付かないものだ」
「うるせー!何処の馬の骨だか分からねー奴に、説教なんかされたくね!」
「それが命を救われた者に対する、貴様の態度か?ユダ」
「偉そうにしてるんじゃねーぞコラ!!」
「分からない奴め!喰らえ!秘技ネリチャギ!!」
クルクルクルクル!
ドカ!!!
「うげ!!!」
トマスとタダイが駆け付けた時には、既に蒼夜叉の姿は無く、ユダは地面に伸びたまま倒れていました。まるでボロ雑巾のように。
「トマス先輩、あの蒼夜叉って一体?」
「まさかな。。。」
謎を残したまま、ボロ雑巾ユダの馬鹿野郎は、あんちゃん一行へと連れ戻されたのでした。
続く




