第八十一話
ナザレ四中をシメてた元番長トマス!
現実的で疑い深い性格ですが、仁義を重んじる男気溢れる立派なヤンキーです。愛車ヤマハのペケジェイXJ400を乗りこなし、一時期は暴走族『ナザレ白夜叉』の三代目総長を務めるほどでした。
バブンブンブンブン!バブンブンブンブン!バブンブンブンブン!
ブルン!ブルブルブルブル!ブルン!ブルブルブルブル!
「いいかユダ!てめーの腐った根性を叩きのめしてやるぜ!」
「うるせートマス!時代遅れな特攻服をギタギタにしてやるぜ!」
バブンブンブンブン!バブンブンブンブン!バブンブンブンブン!
ブルン!ブルブルブルブル!ブルン!ブルブルブルブル!
「スリー!」
バブンブンブンブン!バブンブンブンブン!バブンブンブンブン!
ブルン!ブルブルブルブル!ブルン!ブルブルブルブル!
「トゥー!」
バブンブンブンブン!バブンブンブンブン!バブンブンブンブン!
ブルン!ブルブルブルブル!ブルン!ブルブルブルブル!
「ワン!」
バブンブンブンブン!バブンブンブンブン!バブンブンブンブン!
ブルン!ブルブルブルブル!ブルン!ブルブルブルブル!
「ゴウ!!!」
トマスとユダ、一斉にアクセルを回します!ついに世紀の対決が、今まさに始まったのでした!
『絶叫!!オリーブ山付近ゼロヨン・レース!』
フォーーーーーーーーーン!コッ!フォーーーーーーーーーーーンン!
トマスのペケジェイから、心地よい4ストエンジンが鳴り響きます。
「うぉおおおーーーー!」
パォーーーーーーーーーン!バフ!パォーーーーーーーーーーーンン!
ユダのゼッツーからも、さすがナナハンならではの爆音が響きました。
「うひょーーーー!」
ユダのゼッツーはさすがパワーがあります。二速で既にトマスを引き離しました。トマスはそれでも冷静で、思いっきりアクセルを回しました
「秘儀!トマス式!ペケジェイ・サンダーブレーク!」
フォーーーーーーーーーン!コッ!フォーーーーーーーーーーーンン!
さすが『ナザレ白夜叉』の総長トマス!、ハンドルを引き上げるようにして、なんとウィリー走行をかましたのです!
「な、なんだとう!!!?」
フォーーーーーーーーーン!コッ!フォーーーーーーーーーーーンン!
トマスのペケジェイは後輪だけの走行なのに、なんとその勢いは風の抵抗さえも無視して、ユダのその場まで追い付いてきたのです。
「フハッハッハッハッハ!言ったろう?ユダ!バイクはパワーだけじゃねーんだ!」
「くっそう!!負けてたまるか!」
パォーーーーーーーーーン!バフ!パォーーーーーーーーーーーンン!
卑怯者のユダは、突如トマスのバイクに足蹴りをし始めました。しかし、さすが愛車をこなしているトマス!すかさずハングオンでバイクを倒し、すかさずユダの後部にピタリと着きました。
「ゲッハッハッハッハ!怖気ついたな!?トマス!これで勝利は俺のもんだ!」
「愚か者め、ユダ!俺がわざと貴様の後ろについているのがわからんのか?」
「な、なに!?」
「いくぞ!秘儀!トマス式!ペケジェイ・スリップストリーム・アターーーック!」
【スリップストリーム】
解説しよう!スリップストリームとは、高速走行をしている他車の後ろにできる空気抵抗の小さい領域の事である!スリップストリームの領域に入ることで、空気抵抗の少ない状態で速度を伸し、結果として前車を追い抜くのに使える技なのであーる!
<フラウィウス・ヨセフス著作『古代ユダヤの暴走族誌』27ページより>
フォーーーーーーーーーン!コッ!フォーーーーーーーーーーーンン!
さすが総長トマス!ぴったりと食らいつき、全く離れません。トマスの鋭い両目が、キラリとユダを捉えていたのです。
「くっそ!!!トマスめ!離れろ!離れろよ!!」
「無駄だユダ!ナザレ四中では、『ピラニアのトマス』と呼ばれた男よ!」
ユダは必死に自分のケツから、トマスを振り払おうとしますが全く意味がありません。そこでユダはなんと、一気に前輪のブレーキングをしました。
「喰らえ!トマス!殺人ジャック・ナイーーーーフ!!」
「な、何!?」
【ジャックナイフ】
解説しよう!ジャックナイフとは、バイクのフロントタイヤをロックさせて、後輪タイヤをを持ち上げるテクニックの一つである。前輪に全荷重をかけてブレーキングするので、非常に危険な技の一つでもある
<フラウィウス・ヨセフス著作『古代ユダヤの暴走族誌』38ページより>
トマスはかろうじて、ユダのジャックナイフ攻撃を避けるためにローリングをしましたが、バランスを崩しそうになっています。その瞬間を、当然ユダは逃さなかったのです。
「喰らえトマス!」
「ナニ!?」
すかさずユダはトマスのピンチを狙って攻撃を仕掛けました!トマスは器用にローリング走行をしながら、見事にかわしていきます。その時でした!!
ヴォオオオオオオオオンン!ヴォン!ヴォン!ヴォオオオオオオオオンン!
「な、なんだこのエンジン音は!?」
「この特徴あるエンジン音!?」
ヴォオオオオオオオオンン!ヴォン!ヴォン!ヴォオオオオオオオオンン!
二人の争う先にはなんと!長く青い特攻服を着た男が黒いバイクにまたり、片手でアクセルを吹かしまくってこっちを見ています。思わずトマスもユダもバイクを止め、目を凝らしてよーく見ました。その男はサングラスに、『呪』と書かれたマスクで顔を隠しています。
「あれはカワサキ・エリミネーターZL1000!!」
「なにーー!?」
【カワサキ・エリミネーターZL1000】
解説しよう!カワサキ・エリミネーターZL1000とは、GPZニンジャのエンジンを搭載した、ハーレー・デヴィッドソンの美しいフォルムを持つドラッグレーサータイプのバイクである!低中速重視とシャフトドライブ方式でセッティングされ、発進加速はGPZニンジャを上回るドラッグマシン性能を持っているのであーる!
<フラウィウス・ヨセフス著作『古代ユダヤの暴走族誌』44ページより>
キュルルルルルルル!!ヴォン!ヴォン!キュルルルルルルル!!ヴォン!ヴォン!
するとその男は前輪にブレーキをかけたまま、後輪を地面に滑らせ、ものすごい黒煙を上げながら円を二つ描いたのです。
「すげー!ドーナッツターンだ!」
「ドーナッツターン!?」
キュルルルルルルル!!ヴォン!ヴォン!キュルルルルルルル!!ヴォン!ヴォン!
【ドーナッツターン】
解説しよう!ドーナッツターンとは、車両の前輪または後輪を軸として車体を連続的に回転させ、ゴムによる円形のタイヤ痕を路面に付けるテクニックである!摩擦によりタイヤから煙が出ることもあるのだ!
<フラウィウス・ヨセフス著作『古代ユダヤの暴走族誌』15ページより>
ヴォオオオオオオオオンン!ヴォン!ヴォン!ヴォオオオオオオオオンン!
「まちがいねぇー!」
「何がだよ?トマス!?」
「彼こそ、ナザレ一帯では伝説の走り屋と呼ばれた、蒼き彗星の『蒼夜叉』!!!」
続く




