第七十九話
ベタニア村には、なんとマリヤのお姉ちゃんであるマルタがいたのでした。早速マルタ姐さんのお世話になるあんちゃん一行。
「いや〜マルタ姐さん。なんだかすいやせんですね~」
「いいのよ~大ちゃん。だって、旦那から噂聞いてて、一度巷で有名な愛の伝道師を、観たかったんですもの」
すっかりあんちゃんとマルタは、「姉さん」「大ちゃん」の愛称で呼び合う仲になってました。しかし横では腕を組んでるマリヤちゃん。
「マルタ姉さん、あんまりこの人を調子に乗せない方がいいから」
「あらマリヤ、どうして?」
「確かにいい人なんだけど、本当にエッチなのは確かだから」
あんちゃんは赤面しながら、頭をポリポリ掻いて照れてます。
「何言ってるのマリヤ。男は少しくらいエッチじゃないと、魅力的じゃないわよ」
「でもマルタ姉さん!この人、すぐにあたしの胸を触ってくるんだから」
さらにあんちゃんは戸惑いながら、頭をポリポリ掻いて照れてます。
「マリヤ、おっぱいくらいいいじゃないかしら。減るもんじゃないし~」
「もう、マルタ姉さんって、すぐそうなんだから!」
さらにさらにあんちゃんは恐縮しながら、頷いて姉さんに同意してます。
「そうそう、減るもんじゃないんだから、な?マリヤ」
プリ〜ン。
またもやあんちゃんはマリヤちゃんのおっぱいをタッチしやがりました。
「調子に乗るんじゃない!このスーパーチェリー!」
バコーーーーンン!!!
マリヤちゃんの一撃で、あんちゃんは壁に叩きつけられて鼻血出してます。
「痛い。。。」
マリヤちゃんはプンプン怒って、どっか行ってしまいました。ぴゅーぴゅーと鼻血が止まらないあんちゃんは苦しんでます。
「ちょっと~大ちゃん。あんた大丈夫?」
「あ、姐ひゃん。だ、いびょうぶっふ。こんなのにょはね、日茶万事みたいなもので」
「日常茶飯事なのね。確かにあのコは、アニキさんの下で格闘技やっていたから」
すると、そこへマルタの旦那が帰ってきました。
「ただいまー!マルターーー!」
「お帰りーーーあなた~♪」
二人は手を取り合って抱き合って、ぶっちゅっちゅしてます。ようやく鼻血が止まったあんちゃんは、マルタの旦那を見てびっくりします。
「ああああああああああ!!!!ラザロ!!!!?」
「ああああああああああ!!!!同志!!!?」
そうです!何ともマルタの旦那はラザロだったのです。そしてあんちゃんとラザロは、あのセクシー女優早川ツバサの大ファンという童貞同志。いつも使い古している右手で、二人はガッチリ握手をしました。
「村にやってきた伝道師って、同志の事だったんですか!?」
「なんだよ~ラザロ!お前こそ、いつ結婚したんだよ?」
「いやー、同志がマグダラ村でトップ嬢を庇う姿を見てたら、これからは二次元や三次元じゃない!本物だ!って思って」
あんちゃんは結婚したら脱童貞できる事を知りません。素直にラザロに喜んで祝福してます。
「良かったな~ラザロ!おめでとう!」
「ありがとう同志!(脱童貞しました)」
「なんだったら、俺が結婚式の司会やってあげようか?俺昔バイトやった事があるんだよ」
たまたまあんちゃんの後ろを通りかかったトマスとタダイは、あんちゃんの後ろから、一生懸命ラザロに断るように勧めます。
「あ、いやー。その、同志、やっぱりいいや」
「なんでだよ?」
「もう、あの、司会決まっちゃったし」
『カナの結婚式場』では、よっぱらったあんちゃんが司会をやったので、散々だったからです。
「そっか、残念だな~。俺の名スピーチで締めたのにな~」
「それよりも、同志。実は話があるんだ」
ラザロはあんちゃんを外に連れ出して、二人っきりで話をし始めました。
「なんだ?ラザロ。早川ツバキちゃんの新作DVDか?」
「いや、同志。この村の人たちの事だ」
すると、あんちゃんも察します。
「救世主と名乗る奴から、酷い事をされたのを聞いたかい?」
「ああ聞いたぜ。全く酷いったらありゃしないな」
「実は、その救世主って名乗ったインチキ野郎、実はあんたと似た格好して、"ユダ"と名乗ってたらしいんだ」
「な、なんだって!?」
あんちゃんはラザロの話を聞いて、びっくりコキマロ状態です。
「そんなバカな!?うちのユダが何だって俺の格好をして、そんな真似を!?」
「いや、僕も結婚してから知ったことだから、実際にそのインチキ野郎を見たわけじゃないけど。でも、すくなくとも村人達が嘘を言っているように思えないし、それに現に、被害にあったのは本当なんだ」
「。。。」
「とにかく、一回調べた方がいいと思うんだよね」
「分かった、有難うな。ラザロ」
ラザロからその話を聞いたあんちゃんは、途方に暮れていました。そこへ、ラザロの話を聞いてたトマスがやってきます。
「元ヤン、やっぱり俺が言ってた事は本当だっただろ?」
「。。。」
「現にユダの野郎は、この村へ訪れる前にどっか行っちまったし、アル・アカバ村でも突然インチキと非難された時、元ヤンのかつらを付けたユダ風貌そのものだったじゃねーか」
「それ以上言うな、トマス。まだ、ユダだって決まったわけじゃ。。。」
するとトマスはブチンとキレました。あんちゃんの襟首を掴んで、怒鳴り始めます。
「てぇンめ!元ヤン!まだそんな甘っちょろいこと抜かしやがって!いい加減にしろよ!」
「ああん?!んだと?!コラ!口の利き方に気を付けろよ!トマト!」
「ト、トマト?!誰がトマトだこの野郎!」
「うるせぇー!作者がよくやる文字入力ミスだろうが!」
あんちゃんもトマトを鷲掴み、じゃなかった、トマスの襟首を掴みました。流石、二人ともヤンキー。
「大体、元ヤン!てめえの教育が悪いから、ユダのくそったれ野郎は、裏で悪さをやっちまうんだよ!」
「んだと!!?俺の教育のどこが悪いんだ、ゴラ!」
「もういい加減、迷惑なんだよ!俺はな!仁義を欠く奴は大嫌れぇーなんだよ!よく考えてみろ!あいつのせいで、俺達はいつもインチキ扱いされてるじゃねーか!」
「きっと誤解なんだ!何かあったに違いね!ユダなんて、いっぱい名前がいるだろうし!」
「誤解も六階もねー!いいか?!元ヤン!いい加減にユダを何とかしないんだったら、俺はこのツアーから降りるぜ!」
男気溢れるトマスの目は本気でした。その態度に感化されたあんちゃんは、溜息交りに承諾します。
「分かった、トマス。ユダを連れてこい」
「ああ」
「ただな、トマス。ユダがもしそうだったとしても、俺はあいつを仲間外れにする様なことはしねーぞ」
「。。。」
真剣な眼差しのあんちゃんの目は本気でした。その態度にトマスは加えタバコのままコクリと頷き、ユダを探しに行きます。
「あのユダのバカ野郎。。。」
それでもあんちゃんは、ユダを最後まで信じたい気持ちで、胸がいっぱいだったのでした。
続く




