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第七十七話

【蛇のウロボロス】


それは蛇が己の尾を噛んで環となった、「不老不死」のシンボルである。エジプト神話では、太陽神ラーを守護する神メヘンと崇められ、ギリシャの哲学者らによって「ウロボロス」という名前を付けられた。


「よくぞ見破りましたね?あんちゃんさん」

「えっへん!これでも、色々と読書しているからね」


するとロボスは鋭い蛇のような眼つきで、あんちゃんにある問いかけをします。


「では、あんちゃんさん。私がイブに禁断の果実を食べろと唆した、あの有名な悪魔の化身だったらどうします?」

「うーん、そうだな~」


大工のあんちゃんは腕を組んで悩んでしまいました。ロボスは挑発的な表情で大工のあんちゃんを眺めています。


「まぁー、反面教師でいいんじゃね?」

「へ?」

「要はさ、お前は俺と一緒にいたいんだろ?」

「あ、いや、その。。。」

「一緒にいたい奴に『出ていけー!』って叫んだところで、出ていくわけねーだろうし」

「でも、もしかしたら悪魔っすよ~」

「まぁそん時はそん時よ。俺も修行が足らなかったってことでさ」


ロボスは含み笑いしながら、両肩を上げてお手上げ状態です。


「フフフ、今回はあんちゃんさんに負けましたね」

「いやー。こっちこそ、ロボスっちには悟らされたよ」

「へぇ~。どんな事をですか?」

「自分は結構調子乗ってたって事かな。あのリベカって女の子の肩に傷をつけちゃったり、貧困層の家族の前で何も言えなくなったり、アニキのファンの気持を逆なでしちまったりさ。。。」


あんちゃんは本気で深く猛省している様子でした。それを見たロボスは、突然笑い出しました。


「アッハッハッハッハッハッハ!あんたは本当に面白い人だ!」

「な、なんでだよ。俺、変なギャグ言ってねーぞ」

「アッハッハッハッハ!そうじゃなくて、まぁいいでしょう。しばらく面白そうなので、私を連れてって下さい」

「え?弟子達んところにか?」

「ええ。貴方がこれからどんな人生を送るのか、とっても興味深いのですよ。私は今まで色々な人の人生を見てきました。時のアレキサンドロス大王、ハンニバル、スパルタカス、そして独裁者シーザ然り」

「しょーがねーな。来るもの拒まずだ」


胡坐をしながら、ポリポリと頭を掻いて照れてるあんちゃん。にこやかにロボスとあんちゃんは握手して、そして弟子達の待つ村へ帰って行きました。


「よー!!!みんな」


そのあんちゃんの声に、弟子達は振り向いてびっくりします。あの大工のあんちゃんが、ニコニコしながら陽気な顔で還ってきたのです!みんなは一斉にあんちゃんの所に集まってきます。先ずは一番弟子のペテロ。


「この野郎!元大工!てめぇー、今までどこ行ってたんだよぉ~」

「いやー悪いペテロ。ちょっくら筋トレしてきたんだわ~」

「僕もペテロお兄ちゃんと、一緒に心配してたんだよ」

「すまなかったな、チャンデレ。悪かった」


相変わらずアンデレの名前をまともに覚えていない様子。次にやってきたのは、トマスとタダイです。


「おいおい元ヤン。まったくお騒がせな奴だな?」

「すまねー!トマス。海よりも深く反省してるぜ」

「あはははは~。相変わらずっすね、先輩は~」

「タダイよ、俺は山よりも高く反省してるぜ」


そこに談義好きなヤコブとヨハネもやってきます。


「先生の突然の失踪した演出は、まるで度肝を抜かせるヒッチコック映画のようでした」

「いや、どちらかといえば、迷走した後期フェデリコ・フェリーニ監督作品のような味わいですよ」


あんちゃんはニコニコして応えているだけで、ヤコブとヨハネの話している内容は分かっていないようです。すると、今度はマタイとジェイコブ兄弟がやってきます。


「先生!無事だったんですねぇ?」

「おいおい、マタイ。不死身の俺を勝手に殺すなって」

「マタイのアニキは、てっきり先生がチェ」


ゴン!それ以上はジェイコブを殴って、口封じしました。


「うん?どうしたマタイ?」

「いや、なんでもないっす」


さてさてiPhone5ブラザース、フィリポとバルトロマイの登場です。


「もーーーー!リーダがどこにいるか、iPhoneじゃ追跡できなかったっすよ~」

「(呟き)同じくリーダの現在地特定できず」

「バカチン野郎だな~、おめーら。ちゃんとFACEBOOK見てれば、俺がどこにいるかわかるだろ?」

「あ、本当だ。筋トレした結果をアップしてる」

「(呟き)しかも現在地設定までご丁寧に。。。」


シモンはウォーーーーっと涙を流しながら抱きついてきました。


「こ、こら!シモン~!抱きつくな!俺はそっちの気はねーぞ!」

「違うんですよ、先生!自分は、自分は!先生が無事に帰ってくることだけを祈ってました!!」

「あれだろ?お百度参りと間違えて、滝に打たれたんだろ?」

「さ、さすが!先生。なぜそれを!?」

「いやー、俺のフレンドでブッダっていう元王子がいてよ。そいつが教えてくれたんだわ」


さて、マリヤちゃんは涙ぐみながらあんちゃんに近付いてきます。


「ごめんな、マリヤ」

「もう。本当に心配したんだからね」

「そう怒るなって。せっかくのおっぱいも台無しだぜ」

「もぉ!!人がせっかく感動しているのに、すぐにセクハラなんだから!」


苦笑いのあんちゃんは頭をポリポリ掻きながら、マリヤちゃんには相変わらず頭を下げて謝ってます。するとユダが突然ラップとダンスをしながら、あんちゃんの帰還をワッツアップで歓迎してます。


「Yo!Yo!Yo!Yo!ブラザーお帰り、きよしこのよるYo!」

「わっはははは~、ユダ。なんだ?それは??」

「だってYo!、ブラザーの誕生日はYo!12月25日だったろ?」

「そうだな~」


腕を組みながら、あんちゃんは心優しいユダにウンウン頷いています。


「よーく考えたらYo!ブラザーの誕生日会、すっかり忘れてたからYo!」

「いやーありがてーな~。本当、いい弟子を持ったよ俺は。うんうん」

「俺のYo!去年のサンタさんのプレゼントはYo!この金ぴかマイクだぜYo!」


するとあんちゃんは腕を組みながら、目をまん丸にして歯ぎしりをはじめ、ついには叫び出しました。


「だあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

「ブラザー!叫んで、どうしたYo!?」

「サンタさんのプレゼント、もらってねぇーーーーーじゃんかよ!!」


コラコラ、あんたがせがんでどうする。


続く


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