表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/147

第五話

『愛の伝道師(スーパー•チェリーボーイ)』こと大工のあんちゃんは、今日も漁師四人、元引きこもり二人、そしてヤクザ帝国の下っ端だった一人を連れ、今日も元気に活動をしています。


「フィリポ、やっぱり赤塚不二夫先生の代表作は『天才バカボン』だよな~」

「いや、リーダー。やっぱり『おそ松くん』でしょう?」

「お前は若い。いいか?あのジョン・レノンにシェーのポーズをさせたイヤミは、バカボンがデビューだったんだぜ?」

「違うよリーダー。イヤミのデビューは『おそ松くん』が先だって。ほら」

「うげ!本当だ。アニメと勘違いしてたわ」


そんなのどかな大工のあんちゃんは、疑い深いトマスという元ヤンとばったり街で出会います。


「あれ?あんた、ナザレ三中をシメてた元ヤンか?」

「だれだ、てめぇ?」

「俺はナザレ四中出身のトマスだ」

「あ、やべえ。ひ、人違いじゃないっすか~?ぼ、僕は虫も殺さない愛の伝道師ですよ~」

「いや、見覚えがある。確かあんた、肩がぶつかったうちの中学の先輩を、ボコボコに叩きのめしたよな?」

「ゲッ!どこでその話を?!」

「しかも、そのヤンキーのモンスターペアレンツを、見事屁理屈こいて撃退したっけ」

「ガッデム!」


いまさらながら、大工のあんちゃんはバリバリの元ヤンキーでした。イメージダウンに困ったあんちゃんは、トマスの肩を馴れ馴れしく抱き、小声で口止めをかまし始めました。


「なぁ~頼むよ、トマス。ヤンキーはヤングの時に既に卒業してっから、その話は内緒で。お前にブログ(福音書)とかで暴露されると後で厄介だからよ~」

「しょうがねぇな。それなら口止め料として、結婚式の司会やんねぇか?」

「結婚式の司会?!」


実はトマス、中学卒業してから後輩のタダイと一緒に、立派に社会人として結婚式場で働いていたのです。


「司会の一人がバックレやがってよ、困ってるんだ」

「それは大変だな。何とかしてやりたいけど、俺あがり症だし。あ、そうだ!アニキ・ザ・ヨセフ呼んでやろうか?」

「あのパンキッシュか?!ダメだダメだ。あいつはすぐ中指立てて、お客さんに泥水ぶっかけてくるから、仕事になんねぇよ」

「た、確かに。。。」

「その点、あんたならヤンキー卒業したそうだし、それに今は、虫も殺さない愛の電動コケシなんだろ?」

「ダーーー!トマス!愛の伝道師だ!ファンの中には女の子もいるんだから、言葉には一応気をつけろって」

「すまね。とにかく、ここの『カナの結婚式場』に後で来てくれよ!バックレたらバラすかんな」

「分かったよ~」


大工のあんちゃんと握手を交わしたトマスは、準備があると言って先に行ってしまいました。そんなあんちゃんに、ペテロはいつものように心配します。


「おい、大工。大丈夫なんか?」

「うーん、どうしよう?ペテロっち」

「あーあ、これだから……」

「そうは言っても、あのトマスは困ってたしさ」

「時には断れって」


困ったあんちゃんは、すぐに閃きました。


「フィリポ!今すぐ本屋に行って、『三分であなたも結婚式司会』みたいな本を漁るぞ!」

「ええ?!今から?僕、これからレンタルDVD返しにいかないと」

「そんなの明日にすればいいだろうが」

「ダメだよ~。今日返さないと、延長料金取られちゃうもん」

「それは大変だ!ヨシ!付き合ってやるよ」

「ありがとう!」


困っている人を見ると、すっかり重要な事を忘れる大工のあんちゃん。こうしてカナの結婚式で、司会デビュー果たすのでした。


続く

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ