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第四十五話

ダッチワイフのシェリーさん(20才)が、口と両目をポカーンとあけたまま、ヘロデ国王不在の玉座を治めている頃。その横でこめかみに青筋を立ててるヘロディアは、肘掛に指をトントンしながら、ゴスロリ小娘サロメちゃんに追いかけられるアニキを睨んでおりました。


「(FACEBOOK近況)洗礼者ヨハネ様~!待ってくださ~い♪」

「こっちくるな!小娘!ったく、なんだって俺がお前の子守りをしなけりゃいかんのだ!」


それらの様子を、さらに激しく肘掛に指をコツコツしながら、こめかみに青筋を立てて睨んでいるヘロディア。


「(FACEBOOK近況)んもう!そんなスーパーネガティブな事を言わないで、私達と遊びましょう♪」

「だぁーーーーー!!勘弁してくれ!俺はソロモンの72人の悪魔と戯れるつもりはねぇ!!!」


さらにさらに激しく肘掛に指をガツガツしながら、こめかみに青筋を立てて睨んでいるヘロディア。


「(FACEBOOK近況)洗礼者ヨハネ様ったら、実は照れているのですね♪」

「な、なんだと!?」

「(FACEBOOK近況)わたくしがあまりにも可愛いから、ダークに恥ずかしくて、お逃げになられているのですよね♪」

「バーカ!そんなわきゃねぇだろ!大体、お前みたいな脛かじりぶりっ子なんか、俺のタイプじゃねぇんだよ!」

「脛かじりだなんて、ひ、酷い。ウルトラダークでネガティブに酷すぎます」

「大体、この俺様が小娘とタッグが組めるとでも思うか!?つうことで、俺とお前とじゃ合わないんだ。分かったろう?」

「グスン、グスン。。」


アニキは昨日の事をすっかり忘れていました。

そう、サロメちゃんは一度泣いてしまうと、手がつけられないほどなのです。


「ウワァアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンンンンンン!!!!!」

「し、しまったーーー!」

「ウワァアアアアアアアァァァアアアアーーーーーーーーーーーーーーーンンンンンン!!!!!」

「分かったから!泣きやんでくれ!合う合う!タッグを組めるほど合ってるから」


ピタ!

するとサロメちゃんは、突然泣きやみました。


「ヒクッ、ヒクッ。本当に?」

「あ、ああ。本当だって。まるでスタン・ハンセンとブルーザー・ブロディの超獣コンビが、プロレス界の世界最強タッグだったように、俺とお前は最高のコンビだ」

「わーーーい!洗礼者ヨハネ様、ありがとうござます!!」


ゴスロリ小娘サロメちゃんは、すっかり泣きやんでアニキにべったり抱きついてます。アニキもお手上げで、サロメちゃんを放置状態。そんな様子に、自分の肘かけに爪を立てて憤りを感じるヘロディアでした。


「ヘロディア様!パウロ様が戻られました」

「な、何ですって!?」


そうです。パウロとヘロディアは、ローマの官民を宴会に招き、サロメの舞踊で持て成しながら、ヘロデにアニキを斬首させるよう計画を立てていたのです。慌ててパウロを迎えに行くヘロディア。しかしそこには、誰かにボッコボコにされ、ボロ雑巾のようにぶっ倒れているパウロがいたのです。


「ヘ、ヘロディア様。。。」

「パ、パウロ!?」

「も、申し訳ございません。首都ローマから官民を呼ぶのに、し、失敗しました。。。」

「一体どうしたのです!?何があったのですか!?」


すると、ヘロディアの全身を覆いかぶさるように、多くのローマ軍団の兵士達が現れました。


「!?」


彼らはヘロディアに対して、瞬き一つせず、ジッと睨みつけております。その中から、ローマ軍団の百人隊長が出てきました。赤く長い鶏冠を持つ兜を被り、筋肉質な胸板と腹筋が刻まれた甲冑を装備し、深紅のマントを煌びやかに靡かせながら、ヘロディアを威圧するように近づいてきたのです。


「本日は、我がローマ帝国の第5代ユダヤ属州総督であらせられる、ポンティウス・ピラトゥス様の来訪である!」

「ポンティウス・ピラトゥス!??」


ヘロディアがびっくりするのも無理はありません。ピラトゥスとは、ここユダヤ王国を牛耳っている、ヤクザ・ローマ帝国の悪玉総督だからです。


「ゲヘゲヘゲヘ~」


なんともいやらしい笑い声が、ローマ兵士達のいる方から聞こえてきます。ヘロディアがそちらへ視線を向けると、奴隷達によって支えられていた輿が地面に下ろされ、その中から大巨漢の男が現れました。髪の毛は全て剃られた丸坊主で、眉毛も細くて目つきは悪く、さらに大きな隈があり、身体はヒキガエルのようにぶにょぶにょしており、如何にもラスボス並みの悪人面ピラトゥスの登場です。


「そこの虫けら小僧は、ワシの許可無しに首都ローマまで出向こうとしやがった。ゲヘゲヘゲヘ~」

「あああ、あわわわわ。。。」


いつの時代も悪役というのは、なぜか勘が鋭いもの。このピラトゥスという大巨漢も、ラスボスらしく抜け目のない悪玉です。のっしのっしとヘロディアに近づいては、いきなり彼女の両頬を片手でつまみました。


「ヘロディア、まさかこのワシに隠れて、自分だけ美味しい思いをしてやろうってわけじゃなかろうな!?ゲヘゲヘゲヘ~」

「うぐぐぐ、ピラトゥス様。。。どうか、お、御許しを」


ピラトゥスは自分のベロをいやらしくペロペロさせながら、ギトギト油の顔をヘロディに近づけ、べっとりと脅しを始めました。


「いいか?ヘロディア。貴様らユダヤ属州民は、このローマ帝国に支配されている事を忘れる出ないぞ?ゲヘゲヘゲヘ~」

「は、はい。。。」


いやらしく笑い続けるピラトゥスの舌先が、まさにヘロディアの頬を舐めようとし始めた時でした。


パチン!!!


「!?」

「だ、誰だ!?ワシの手を払った輩は!?」


なんと!そこには不敵な笑みを浮かべながら、仁王立ちしてピラトゥスからヘロディアを守る、パンキッシュ・アニキ・ザ・ヨハネの雄姿があったのでした。


続く


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