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第百二十八話

<大工のあんちゃん最終章 受難!ゴルゴタ丘ライブへの道編!!>


「ユダーーーー!ユダはどこにいるザマス?!」


ユダヤ最高審議会であるサンヘドリンの会場で、カヤパは必死にユダを呼んでいました。


「何だよYO?」

「キーー!今すぐ民衆に、あのナザレの大工は悪魔だった事を信じ込ませてくるザマス!」

「えええ?!そんなの嫌っすよ。何だって俺が?!」


するとカヤパは、ユダのツルッパゲ頭をペシペシ叩きながら脅しを掛けます。


「この放たれ小僧!(ペシペシ)大工を逮捕させただけで(ペシペシ)、まんまとローマ銀貨30枚をもらえると思ったザマスか(ペシペシ)!?」

「いちちち!だってその約束だったじゃないっすか!」

「ミーの言うこと聞かなければ(ペシペシ)、お前の悪事を全部ばらして(ペシペシ)、あの大工の代わりに磔刑にしてもらうザマス(ペシペシ)!」

「ひーーー!それだけは勘弁してYO!」


ユダは仕方なくカヤパの言うことを聞くしかありませんでした。


「分かりましたYO!カヤパ様。やればいいんでしYo!?」

「そうザマス!最初から言うこと聞いてればいいザマス」

「はいYo!」


そしてカヤパは金貨をいっぱいユダに渡しました。


「これを使うザマス!」

「ええ!?これって俺に報酬っすか??」

「ちがうザマス!これをばら撒いて、民の心を一つにするザマス!」

「おお!買収ってやつか!おもしろうそう!」


けれどカヤパはちゃんとユダに警告します。


「いいザマスか?この金貨を持ち逃げしたり、買収に失敗して大工が釈放された時には、ユダ、お前が磔刑に処される事を忘れるではないザマス!」

「ひーーーー!!分かったYo!必ずこのミッション、成功させてみせるぜ!」


こうしてユダは、カヤパの悪巧みに加担して、あんちゃんを処刑するよう仕向ける為、民衆を扇動することになりました。さて、あんちゃんより緋色のマントを羽織って欲しいと、突然頼まれたヘロデ国王はというと。。。


「一体、緋色のマントを羽織って何をするつもりなんだ?愛の伝道師よ」

「あんたが俺の処遇を、上手く放棄させる作戦を思いついたんだ」

「なんと!?」

「ヘロデっちとヘロディアっち、ちょっと耳を貸してくれ」


ごにょごにょごにょ。

あんちゃんはヘロデ国王の耳元で、自分の作戦を告げます。


「ええええ!??そんな事をしたら!」

「無理です!わたくしにはそんな愚弄はできません!」


突拍子もないその作戦を聞いた二人は、びっくり仰天でした。


「いいから。任せておけって」

「でも、それじゃあんたが。。。」

「大丈夫だ。それに、きっとアニキだったら、同じ事をしたんじゃないかと思う」


あんちゃんの決意を固めた表情は、寛大さに溢れておりました。その表情を見たヘロディアは、覚悟を決めて答えました。


「わかりました、愛の伝道師さん。これも洗礼者ヨハネ様の最期のご遺志とあれば、引き受けるほかありません!」

「へ、ヘロディア!?」

「あなたもユダヤの民を統べる者として、覚悟を決めてください」

「し、しかし」


それでもヘロデ国王は、まだ心配そうな顔をしていました。するとあんちゃんは陽気な笑顔で、ヘロデ国王を説得します。


「すまないな、ヘロデっちにヘロディアっち。損な役回りをさせちまって。でもな、これが一番の最善策と思うんだ。それに俺は自ら死を選ぶわけじゃない。どんなことがあっても、最後まで生き抜いてやると決めたんだ。だから俺を信じてくれ」

「愛の伝道師。。。わかった、あんたを信じるよ」

「ありがとうな」


屈託のない笑顔であんちゃんに感謝されたヘロデ国王は、それだけがたった一つの救いだと自分に言い聞かせたのです。さて、カヤパより民衆を買収して扇動するよう命令されたユダはというと。。。


「ナザレの大工は悪魔だ!奴を磔刑にしなければ、俺達ユダヤ人は破滅だ!!!」


エルサレム神殿にある市場で早速おっぱじめました。しかし商売に忙しい商人達は、ユダの薄っぺらい言葉に耳を貸しません。何度やってもシカトされるばかり。


「くっそ~!本当にこいつら無関心だな!くらえ!カヤパの金貨攻撃!」


ユダはカヤパから貰った金貨を放り投げました。


「!??金だ!!!金が降ってきたぞー!!」

「拾え!!拾うんだ!!!」


案の定、商人達は金貨目掛けて奪い合いを始めました。それを見て悦に入るユダは、さっそく扇動を始めます。


「おいお前達!俺の言うとおりにすれば、もっと金貨をやってもいいぞ!」


ざわざわざわ、ざわざわざわ、ざわざわざわ、

商人達はようやくユダの声に耳を傾けます。するとある壺屋の商人が、ユダに説明を求めました。


「一体、何をすればいいんだ?」

「簡単だYo!どんな事があっても、『ナザレの大工を磔刑にしろ!』って叫べばいいんだ」

「ナ、ナザレの大工だと!?」

「なんだ、あんたたち知っているのかYO!?」


ざわざわざわ、ざわざわざわ、ざわざわざわ、

すると商人達はざわめき始めて、怒りの拳を上げてきたのです。


「あのくそ大工は、俺っちのアニキ印の壺をぶっ壊しやがったんだ!」

「うちだって、アニキのロゴが入った羊や鶏を、逃がしやがってよ!」

「言われなくても当然叫んでやる!俺達商人を馬鹿にしやがって!」


そうです。第九十四話でアニキ・グッズを次々にぶっ壊して暴れたあんちゃんに、商人達は今でも怒り心頭だったのです。


「そういや!あの大工は自分を救世主みたいな事を言ってたな?」

「そうだそうだ!確か『エルサレム神殿を三日で建て直してみせる』とかなんとか!」

「あの罰当たりめ!絶対に許さないぞ!」

「みんな!ナザレの大工を絶対に処刑にさせるぞ!」


オーーーーー!オーーーーー!オーーーーー!

ユダが率先して扇動することも無く、商人達は一人残らずカヤパ宮殿へ向かい、怒涛のごとく進撃していったのでした。さて、その頃ヘロデ国王のいる謁見の間では、呼び戻された手下や召使たちが、堕落した宴会を開いてました。


「きゃははははは!ヘロデ国王様、なんなんのですか?この男の恰好は?」

「はははは!この男は己を『ユダヤの王』とぬかしおってな、ならばとマントを着させたのだ!」

「きゃははははは!緋色のマントが随分とお似合いだこと」

「お前達、この男は水もワインに変えるらしいぞ!」

「きゃははははは!そんな馬鹿な~!」


なんとあんちゃんは緋色のマントを着させられ、堕落した宴会で笑い物になっていたのです。ヘロデ国王も酒を飲んだくれて笑い転げ、ヘロディア皇妃に至ってはワインをあんちゃんにぶっかける始末。あんちゃんはそんな中でも、静かに俯いて耐えています。すると慌ててピラトゥスがやってきました。


「おい!ヘロデ!どういう事だ!?」


続く

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