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第百二十話

<大工のあんちゃん最終章 受難!ゴルゴタ丘ライブへの道編!!>


大工のあんちゃんのマリア母ちゃんが、サロメちゃんとマグダラのマリヤちゃんを巻き込み、年甲斐もなくレオタードを着て、自分の息子を救うキャッツアイ作戦を始動しようとしている頃。


「これより!ユダヤ最高評議会である、サンヘドリンを開催する!」


鎖で身体中を縛られたあんちゃんは、ユダヤの律法学者、長老、祭司長達が集まるサンヘドリンに、被告人として出廷させられました。もちろん議長は、大祭司カヤパです。


「今日、ここに集まってもらったのは他でも無いザマス。そこにいるガリラヤのナザレ出身元大工の罪に関する裁判ザマス!」


サンヘドリンに集まった人々は、巷で有名な大工のあんちゃんの姿をマジマジと眺めます。カヤパは間髪入れずに訴えかけます。


「この男は無礼にも神の子と名乗り、自ら救世主であると公言し、悪魔と契約を交わし、人々の心を惑わしたザマス!」


あんちゃんは、静観したままです。


「また、あの洗礼者ヨハネと同じように我々ユダヤ国家を危険に晒し、更にはローマ帝国も挑発させたのでザマス!」


カヤパのわざとらしい主張に、あんちゃんは鼻を鳴らして嘲笑します。


「それだけでは無いザマス!この男は、我らにとって神聖で最も大切なエルサレム神殿を破壊し、三日で建て直してみせると言ったザマス!!」


ザワザワ!ザワザワ!ザワザワ!

サンヘドリンに集まった人々は、これには驚きを隠せません。次第に長老達から罵声が飛んできました。


「何という罰当たりな大工なんじゃ!」

「キサマはあのユダヤの英雄ダヴィデの生まれ変わりとでも言うのか?!」

「エルサレム神殿を破壊し、三日で立て直すじゃと!?」

「やれるものならやってみろ!」


しかし、拘束されたあんちゃんは鼻くそほじくって呆れてます。


「コリャーーーー!し、神聖なエルサレム神殿で、は、鼻くそほじくるとは!何事じゃ!?」

「ああん?モーゼの十戒には、神殿で鼻くそほじるなって書いてんのか?!」

「ぬぐぐ!このたわけ者!今はサンヘドリンじゃぞ!」

「ケッ!お前達が勝手に作ったやってるだけじゃねーか!」


ザワザワ!ザワザワ!ザワザワ!

サンヘドリンに集まった人々は、議長のカヤパが言ってる事が正しい事だと納得し始めました。


「死刑じゃ!この不届き者を今すぐに死刑じゃ!」

「神を冒涜する発言!もはや議論の余地は必要無い!」

「ナザレの大工を今すぐ処刑じゃ!」


しかし、あんちゃんは大笑いしました。


「あーっはっはっはっは!やれるもんならやってみろ!それこそ、モーゼ十戒の違反じゃねーか」


ザワザワ!ザワザワ!ザワザワ!

あんちゃんの屁理屈に、人々は呆気にとられるばかりでした。しかし、カヤパはそんな挑発的なあんちゃんに対し、静かに語り掛けます。


「フフフ、屁理屈もそこまでザマス。少なくともお前が神を冒涜している事は、誰の目から見ても間違いないザマス!」

「ほう?それなら、お前が主張する俺の罪を、立証出来るやつを連れて来いや」

「フフフ、よいザマス!証人としてパウロを召喚するザマス!」


あのあんちゃんに何度も挑んだパウロを、カヤパは証人として入廷させようとします。しかし、なかなかパウロが現れません。しばらくすると、一人のユダヤ兵士が慌てて駆けつけました。


「パウロはなぜ出てこないザマス?!」

「すみません、カヤパ議長。パウロさんが見当たりません!」

「な、なんザマスと?!」


ザワザワ!ザワザワ!ザワザワ!

これにはカヤパは困りました。肝心の証人がいなくては、あんちゃんを思うように裁けないからです。


「オラオラ!どうした?証人パウロを呼ぶんじゃなかったのかよ?」

「キーーーーー!う、うるさいザマス!」


すると、そこへ一人の老人が現れました。あの、ファリサイ派の長老ニコデモです。


「ほほほほ、カヤパ殿。うちのパウロは頭に全治三ヶ月の怪我をして、とっくにローマへ帰ってしまったぞい」

「ニ、ニコデモ!」


ニコデモはあんちゃんにウィンクし、あんちゃんも頷いて感謝を示します。


「カヤパ殿。我々の律法では、罪の証が無ければ裁かないではないか。これ以上、このサンヘドリンを続けることは、それこそモーゼ様のお決めになった十戒の違反となるじゃろう」

「うるさいザマス!やつが神を冒涜したのは、間違いないザマス!」

「もうその辺にしたらどうじゃろうか?躍起になって未来ある若者の命を奪うのは、これほど見苦しいことは無い」


その言葉に、カヤパはプチー〜んと切れました。


「うるさいザマス!たかがファリサイ派のくせに!サドカイ派のミーに逆らうザマスか?!」

「ワシは何もそんなつもりは」

「それならば、サンヘドリンで議長であるミーを差し置いて、偉そうにまとめるのをやめるザマス!」

「まとめるだなんて、誤解じゃ」

「キー〜ーー!うるさいうるさいザマス!ユダヤ兵士!ニコデモを今すぐここから退廷させるザマス!」


議長カヤパの命で、ユダヤ兵士はニコデモを無理矢理サンヘドリンから退廷させてしまいました。乱暴なやり口のカヤパに対し、あんちゃんは歯ぎしりしながら睨みつけます。


「てんめぇ〜!ニコデモさんをあんな邪険に扱いやがって!それでもユダヤの指導者なのかよ?!」

「うるさいザマス!我々は神に仕える選ばれた指導者ザマス!神の言葉に従わぬ者は排除ザマス!」


するとあんちゃんは、怒りを抑えてある例え話を始めました。


「おい、カヤパ。ブドウ園と農夫たちの話をしてやろう」

「は?なんザマスと。今はサンヘドリンザマス!お前の例え話など!」

「まぁいいから。俺からの反証だと思って聞きやがれ。ある所に、ぶどう園を営む主人がいて、それを農夫たちに貸して、旅に出かけた。収穫の季節、主人は分け前を受け取ろうと、しもべ達を農夫の所へ送った。だが農夫たちはしもべ達をつかまえ、袋叩きにして殺した。また別に、前より多くのしもべ達を送ったが、彼らも同じように殺された。しかし、最後に主人は、自分の子は敬ってくれるだろうと思い、その子を彼らのところへ遣わした。すると、農夫たちは、その子を見て互いに言ったという。『あれは跡取りだ。さあ、これを殺して、その財産を手に入れよう』。そして主人の息子をぶどう園の外に引き出して殺したそうだ。この話が言わんとしている事が分かるか?カヤパ」

「なんザマス?!」

「お前がやってる事は、神という主人から預かったブドウ園、つまりこのエルサレム神殿をただ預かっただけなのに、我が物としようとしている農夫たちと同じ事をしてるって事さ!」


ザワザワ!ザワザワ!ザワザワ!

あんちゃんの例え話に、不思議そうな顔でお互いを見つめあってます。カヤパの言動に注目が集まりました。しかし、カヤパは鋭くあんちゃんに質問します。


「ほう?その例え話でいえば、主人の息子とは、お前というわけザマスか?」

「?!」

「どうなんザマス?愛の伝道師とやら。そこまで我々を非難するなら、我々を悪者としたいなら、自分の今の立場を答えるザマス!」

「クッ!」


あんちゃんはカヤパの鋭い質問に苦戦していました。堪らず目を閉じると、サンヘドリンにいる彼らの悪意が耳に注がれてきます。彼らはあんちゃんを罵倒し、自分達の保身しか考えておりません。


"怖がるな、ナザレの坊主"


その時、あのアニキ・ザ・ヨハネの声が聞こえてきました。あんちゃんは辺りを見渡しますが、もちろんアニキはいません。


"ナザレの坊主。お前のやり方で、貫き通すんだ"


その力強い声に、あんちゃんは意を決しました。


「分かった答えよう、俺の立場を」

「ほう?では、ブドウ園の主人が神とするなら、お前はその主人が遣わした息子か?」

「いいや、俺は」


あんちゃんは言いました。


「あらゆる力を備えた天空スーパーゼウスの右手にいて、お前達は天の雲をローリング走行する俺を見るだろう!」


ザワザワ!ザワザワ!ザワザワ!

してやったりのあんちゃんですが、この言葉にさすがのカヤパも我慢しきれず、自分の衣服を胸元で切り裂いて叫びました。


「聴いたザマスか?!此奴は自分を神の子と宣言したザマス!処刑ザマス!」


そしてカヤパは右手であんちゃんの右頬を殴りました。しかしあんちゃんは抵抗せず、挑発的に左頬を突き出します。ますますムカついたカヤパは、遂に宣言しました。


「このナザレの大工を、ローマ帝国ユダヤ属州総督ピラトゥス様に突き出すザマス!」


続く

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