第百十九話
<大工のあんちゃん最終章 受難!ゴルゴタ丘ライブへの道編!!>
「あんたたち!ここは神聖な教会よ!」
「マリアお母さん。。。」
「それにうちの息子を救うため、神へ祈りを捧げている人を殺めてはダメでしょ!」
「すみませんでした。。。」
教会シナゴーグで人を殺めようとしたペテロとトマスは、あんちゃんのマリア母ちゃんの一喝に猛省します。
「ペテロちゃん」
「はい、マリアお母さん」
「あんたはあの子から、何を学んだの?」
「あ、はい?」
「昨夜うちのバカ息子が言ってたじゃない。ペテロちゃんの頑固岩のような性格こそが、皆の礎となっていくだろうって」
「。。。」
「それって、多くの人を支える事じゃないかしら?」
マリア母ちゃんの優しい言葉が、ペテロの勇ましい感情を和らげます。そして今度はトマスへと目を向けます。
「トマスちゃん。あなただって信じる心に憧れるから、その時に、素直でいなさいって言われたでしょう?」
「はい。。。」
「このマルコスってローマ兵士にそこまでヤケになっているのは、彼が羨ましいからじゃないかしら?」
「う!そうかもしないっす。。。」
トマスもマルコスから手を離しまします。そんな勇ましいあんちゃんの弟子達を、見事に統率するマリア母ちゃんの神々しい存在に、マルコスは突然跪いて祈り出しました。
「貴女様は、エジプトの女神イシス様そのものです!!」
「はい!?あ、あたしが?!なんだってエジプトの女神なのよ???」
「いやー実は、今ローマ帝国ではエジプトがヤバイんす!キテるんす!」
「やばい?危ないの?」
「いえいえ、その反対でエジプト大流行!その中でも女神イシスは大人気で大フィーバーなんす!」
「うっそう~」
「本当だって!ローマにはピラミッドだってあるんですから」
「ええええええええええええ!?本当に!!!?」
これは本当です。紀元前18年から12年の間に、ガイウス・ケスティウスという執政官が遺言で自分の墓であるピラミッドをさせたのです。因みにバチカン市国にあるオベリスクは、初代皇帝アウグストゥスの真似をした、狂帝カリグラがエジプトから運んでこさせました。
「スフィンクスの像だっていっぱい。。」
「もう分かったわ、分かったから!マルコちゃん」
「あ、僕はマルコスです」
「言いにくいから、マルコちゃんでいいでしょ?」
「はは〜!女神イシスがそう、仰せられなら」
「とにかく!うちのバカ息子は、今どこに捕まってるの?」
「カヤパとかいう大司祭の官邸だったような」
それを聞いたマリア母ちゃんは、しばらく口元に手を添えて考えています。そして腰に手を乗せ、胸を張りました。
「サロメちゃん!マリヤちゃん!今すぐ三色のレオタードを用意して!」
「レ、レオタード?!」
「三色もデスか?!」
「そうよ!題して!うちのバカ息子救出キャッツアイ大作戦よ!」
「ええええ?!」
さすがマリア母ちゃんです。あの陽気なあんちゃんを、産んだだけの事はあります。既に準備体操を始めるマリア母ちゃんに、さすがの弟子達は止めに入りました。
「マリアお母さん!無理ですって!」
「大丈夫よ、マリヤちゃん。キャッツアイのレオタードさえあれば、どこの建物だって侵入できるわ!」
サロメちゃんはさっぱり意味が分かりません。
「マリヤ御姉様、聖母マリア様の語ってらっしゃるキャッツアイって何ですか?」
すると昭和アニメマンガに詳しいフィリポが、ウィキペディア並みの知識で説明してくれました。
「というわけで、三姉妹が父親の遺品を、レオタード姿で取り戻す話さ」
「なんて!スーパーダークに面白いんでしょう!ぜひそれはやるべきですわ!」
「えええ?!」
フィリポ一同サロメちゃんの爆弾発言にびっくり!しかし常識人のマグダラのマリヤは止めに入ります。
「サロメちゃん、そんなの無理だって!」
「いいえ、マリヤ御姉様。これはスーパーダークに運命ですわ!だってちょうど三人女性が揃ってますし」
「いえ、そうじゃなくって!女三人で侵入したって捕まるのがオチだって」
「やってみなければ、分からないじゃないですか?御姉様」
「第一見取り図さえないのだから!」
このマグダラのマリヤの一言が、全てを変えてしまいました。サロメちゃんはニタ〜って笑顔を浮かべます。
「あら?マリヤ御姉様は、見取り図があればやってくださるんですのね?」
「へ?!」
「私を誰だと思ってるの?ガリラヤ王国ヘロデ国王の皇后ヘロディアの娘よ!」
そうです!サロメちゃんはユダヤを統括する国王の皇后の娘。エルサレム神殿のカヤパ宮殿の見取り図くらいなんのそのです!
「さぁ、マグダラのマリヤ!サロメ!うちのバカ息子救出キャッツアイ作戦始動よ!」
「はい!」
「はぁ。。。」
続く




