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第百十八話

<大工のあんちゃん最終章 受難!ゴルゴタ丘ライブへの道編!!>


ロンギヌス率いるローマ軍に逮捕されたあんちゃん。ゲツセマネの園から、エルサレムの南西部にある大祭司カヤパの官邸へと連行されました。


「カヤパ!カヤパはいるか?!」

「ロンギヌス様?!いかがされましたザマスか?」

「お前らの神を嘲り、我らローマ帝国を愚弄する愚か者を逮捕した」

「ま、まさか?!本当ザマスか?!」


カッシウスの姿を晒されたあんちゃんは、全身の肉片は縛られた鎖で食い込まれ、激痛の伴う表情を浮かべてます。


「己が!自ら救世主であると公言した愚か者ザマスか?!」

「違う。愛の伝道師だ」


激痛に耐えながらも、あんちゃんはアニキ・ザ・ヨハネを追い詰めたカヤパを睨みつけます。


「キーーー〜ー!何て生意気な態度ザマスか?!しかし、偉そうな事を言ってられるのも今のうちザマス!お前を最高評議会であるサンヘドリンに掛けて、必ず罰してやるザマス!」

「やれるもんならやってみやがれ!」


パシン!

カヤパは挑発的なあんちゃんの態度にムカつき、突発的に頬を殴りました。しかしあんちゃんは決して目を逸らさず、カヤパを射抜くように睨みつけたままです。その形相に少したじろぐカヤパは、何も言えないまま、その場を去って行きました。


「元大工が、逮捕された!」


ユダヤ教会シナゴーグで隠れていた弟子達は、ペテロの第一声にびっくりしました。


「あああ、私の可愛い坊や!」


あんちゃんのマリア母ちゃんは、あまりの出来事にショックで倒れてしまい、マグダラのマリヤは膝から力が抜け、サロメちゃんはただオロオロするしかありませんでした。アンデレは未だに信じられず、兄のペテロに問い詰めます。


「ペテロ兄ちゃん、何だって先生は逮捕されちゃったの?」

「ユダだ!あの馬鹿野郎が裏切ったんだ!」


ローマ軍に密告したユダを、ペテロは心底憎みました。その思いはトマスも一緒です。


「例えそうだとしても!なんで兄ちゃんは先生を助けなかったのさ?!」

「助けようとしたさ!短刀でローマ兵士だって斬りつけたんだ!だがよ、あの馬鹿大工野郎は。。。」


ペテロはマルコスの右耳を治癒したあんちゃんの姿が、未だに目に焼き付いていたのです。奇跡を起こした姿を。


「アンデレ。俺とペテロは、元ヤンから逃げろと言われたんだ。ここに隠れているみんなを、避難させるためにだ」

「で、でも!それでも先生を見捨てるなんて!酷いじゃないか?!」

「見捨てたわけじゃねぇ!アンデレ!」

「じゃぁ、なんで先生はいないのさ?!」

「そ、それは」


バタン!!

その時、隠れ宿の扉が突然開きました!そこには右耳をペテロに斬られたマルコスがいたのです!


「うぎゃーーーー?!!!ローマ兵士だ!!」


アンデレの叫び声にみんなパニック!ペテロと短刀で臨戦態勢を取り、トマスはすぐさま胸ぐらを掴みました。


「貴様!?もう一度耳を斬られたいのか?!」

「ち、違う!!」

「何が違うんだ!ここを突き止められたからには、命懸けで貴様を阻止してやる!!」

「聞いてください!お願いです!」


するとマルコスは地面に跪いて、涙を流し始めました。突然の奇怪なマルコスの行動に、ペテロもトマスも拍子抜けでしたが、それでも疑うことやめません。


「あの御方は私の右耳を治しただけでなく、ローマの処刑に掛けられそうになった私の為に、自ら犠牲となったのです!」

「そんな話が信用できると思うか?!」

「そうだ!大体お前達ローマ兵士が、率先して元大工を逮捕したんだろうが!」

「もう私はローマ兵士でも何でもありません!本当です!」


しかしトマスはツバを吐き、ペテロはマルコスの喉元に短刀を突きつけました。


「ペテロ!こいつは信用できん!」

「そ、そんな?!」

「その通りだな、トマス!今すぐ殺してやる!」


しかしマルコスは突然両手を組んで目を閉じ、ローマの天空神ユピテル(ゼウス)に祈りを捧げました。


「我がローマの最高神ユピテル様!私のこの命は貴方に捧げますので、どうか!この二人にあの御方を救われるようお伝えくださいませ!」

「な、何の真似だ?!ローマ兵士!ここは俺たちにとって神聖な教会シナゴーグだぞ!異教の神など崇めやがって、この罰当たり野郎が!」

「ペテロ!やっちまえ!トドメをさせ!」


しかしマルコスはそれでも信心深く、何度も自分の願いを込めて祈り続けました。トマスの激怒にも、ペテロの短刀にも怯える事なく。


「罰当たりは貴方達二人です!!」

「?!」

「え?」


ペテロとトマスの二人を一喝したのは、なんと!あんちゃんのマリア母ちゃんだったのです!


続く

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