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第百十六話

<大工のあんちゃん最終章 受難!ゴルゴタ丘ライブへの道編!!>


ロンギヌスもカッシウスも短刀を右手に、左手には大きな盾を構えながら走り出しました。あんちゃんもブチギレて声を張り上げて対抗しました。


「一人ずつじゃ埒が明ねぇ!!てめぇら束になって、掛かって来いやぁ!!!」


ドギャーーーン!!


先ずは盾を使ってあんちゃんの動きを封じようとするロンギヌス達。しかし、あんちゃんはサッとそれらを避けて、ドロップキックを二人の盾めがけてかましました!


「うりゃ!」


ドガ!ドガ!

ロンギヌスは足腰でしっかりと盾を抑え、あんちゃんの攻撃を防御。しかし、カッシウスはあんちゃんの脚力に押されてよろけます。ロンギヌスは、盾で防御しながら短刀で追撃。


「なんの!」

「なに?!」


あんちゃんは見事にかわし、カッシウスの盾を足場に、再びロンギヌスにドロップキッーク。またもやバランスを崩したカッシウスを尻目に、ロンギヌスは太刀打ちができません。


「なんてすばしっこい輩なんだ!」

「喰らえ!アレキサンダー大王奥義!トータル真空竜巻旋風脚!」



ドッガーーーーーー!!ドガガガガガガガガ!!!

回転したあんちゃんの蹴りはカッシウスを何度も蹴り上げ、そのまま気絶させてしまいました。


「カッシウス!!!?」


そうです!あんちゃんの蹴り技は、実はユダヤ属州国一だったのです。しかしロンギヌスはその技のキレに、戦士として何かを感じます。盾で自分の身を防御しながら、あんちゃんに語り始めます。


「どうやらキサマの技は、ヨハネからだけのものではないな?」

「フッ、暴露ちゃしょうがない。幼い頃にエジプトのアレキサンドリアへ移住した時、図書館で『アレキサンダー大王東征52必殺技記』を読んだんだ」

「なに?!あの側近プトレマイオス1世が書いた、『アレキサンダー大王東征52必殺技記』か?!」


【『アレキサンダー大王東征52必殺技記』!!】


それは!世界の覇者として名を轟かせたアレキサンダー大王が東征の際に使ったとされる、52の必殺技を解説した伝説の本である!側近であるプトレマイオスがエジプトを統治した際に、昔を懐かしんで書いたのだが、その繊細かつ巧妙な必殺技のっ数々で、老人だったプトレマイオス自身も若返ったそうな!


 <アレキサンドロスのフィロン著作『やっぱり凄いぜアレキサンダー大王』24ページより>


あんちゃんは腕を組みながら、偉そうに自慢しております。


「まぁ、うちは貧乏で金が無かったから通信教育だったけどな」


さすがのロンギヌスもこれには歯が立たないと感じ、防御していた盾と剣を投げ捨てました。


「お?素手で勝負ってわけか、ロンギヌスの旦那」

「我々ローマ軍は常に失敗から成功への道を編み出している。フェニキア人との戦いで苦戦した海戦然り、エトルリア人との戦いで苦戦した市内戦然り」

「その左手に持つ盾が、仇となったわけだな?」

「フッ、まさかユダヤ人のお前とは、剣も仇になるとは思いもよらなかったがな」


夜空の月に雲が掛りますが、決して目を離さないあんちゃんとロンギヌス。じりじりと間合いを詰めていくなか、ようやく月から雲が晴れる頃、二人は互いに向かって瞬時に飛び込みました。


「喰らえ!アレキサンダー大王奥義!砂丘西風上昇脚!」


なんとあんちゃんは空中でジャンプしたまま、両脚で二段蹴りを繰り出しました。しかしロンギヌスは逃げるどころ、立ち向かって拳を突き出していきました。


「甘いぞ!共和政奥義!ブルータス暗殺拳!」


【共和政奥義ブルータス暗殺拳!!】


あの独裁者シーザー(カエサル)を暗殺したマルクス・ユニウス・ブルータスの必殺技である!ブルータスの祖先は王政だったローマから傲慢なエトルリア出身の王を追い出す際に、ティベリ河で修行に打ち込み、共和政奥義を考案したという。因みにこの奥義は先帝アウグストゥスによって廃止されたはずであったが、ローマ軍の中には、未だにこの奥義を取得したい輩が多いという。


 <セネカ著作『ローマの共和政と帝政奥義の秘密』76ページより>


ガガガガガガ!ガギャーーーーン!!!


「ぐおおおおおおお!!!」

「ぐはああああ!!!」


ロンギヌスの繰り出したパンチはあんちゃんの蹴りを受けながらも、突き抜けて右頬に見事ヒット!抉りこむように地面へ叩きつけました!その凄まじいパワーに、さすがのあんちゃんも流血してますが、それでも仁王立ちしております。ロンギヌスもあんちゃんの蹴りに多くのダメージを奪われました。


「なんて奴だ!?このブルータス暗殺拳を食らっても、仁王立ちしていられるなんて!」

「さ、さすがだぜロンギヌスの旦那。今のはマジでやばかった」


どうやら互いに次の一手が、二人の勝敗を決める事になりそうです。あんちゃんは目を閉じながら両腕を回し、ゾロアスター教の最高神アフラ・マズダーの構えをしました。


「見せてやろう!ペルシャ帝国を征服したアレキサンダー大王が、最も恐れたゾロアスター教に伝わる最高秘儀を!」


するとロンギヌスも両脚を力強く開き、ローマ建国の祖で狼育てられた双子の構えを見せます。


「ゾロアスター教など笑止千万!こちらも見せてやろうロムルスとレムスの最高秘儀を!」


互いの覇気が凄まじいエネルギーとなって、互いの間合いをぶつかり合ってます。


「行くぞ!ロンギヌスの旦那!ゾロアスター教奥義!有翼光輪脚!!!」

「喰らえ!大工!ロムルスとレムスの最高秘儀!牙狼双烈拳!!!」


ドギャギャギャギャヤーーーーン!!


あんちゃんの有翼光輪脚がロンギヌスの右頬にヒット!しかし、ロンギヌスの牙狼双烈拳も見事あんちゃんの左胸をヒット!二人はそれでも倒れず、そのままエネルギーを放出させ続けていました!


「うりゃーーーーーーー!!!」

「ぐおおおおおお!!!」


バゴォゴォゴォゴォオーーーーン!!

技を繰り出した二人は爆発し、周りにあるオリーブの木々が大きく揺らします。そして辺り一帯にいたローマ兵士は、二人のエネルギーが作り出した爆風で飛ばされてしまいました。


ゴォゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!ゴォゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!


ようやく辺りから爆風が収まり、吹き飛ばされたローマ兵士は、二人の勝敗を見届けようと近付きます。煙の中から二人の姿が見え、そこには一人の勝者が立ちあがったまま、もう一人の弱者を打ちのめしている姿がありました。


「我がローマ帝国に栄光あれ!」


最後の最後で勝ったのは、ローマ軍の百人隊長ロンギヌスでした!


続く


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