表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

107/147

第百七話

<大工のあんちゃん最終章 死闘!!エルサレム神殿編!!>


慌てて帰ってきたフィリポとバルトロマイ。ゴルゴタの丘で行われてる磔刑の模様を、あんちゃんや弟子達に報告しました。


「先生!ローマ軍の奴ら本当にアニキのファン達を十字架に張り付けてました!」

「(呟き)両手両足首には、こんなブっとい十寸釘をぶっ刺して」

「しかも誰かが先生を突き出すか、先生が自首するまで処刑を続けるそうです」

「(呟き)あのロンギヌスとカッシウスって連中は、本気と書いてマジっす!」


腕を組みながら偉そうに聞いていたあんちゃんですが、流石にローマ軍の残酷非道さには、脂汗を流すしかありません。するとペテロの弟アンデレが、蒼ざめながら絶望します。


「うわーー!もうダメだ〜!!」

「アンデレ、落ち着け!」

「兄ちゃん、これが落ち着いてられる事なの?!ローマ軍は世界一残酷な処刑をするって有名じゃんか!」


そうです!奴隷で剣闘士だったスパルタカスも、ローマ軍に歯向かったために磔刑にされたのです。その話を聞いたみんなは、更に顔が蒼ざめてしまいました。


「分かった!分かったよ!元々はロンギヌスに頭突きした俺が悪いんだ。土下座して謝ってくる」

「んな!?元ヤン、それはいくらなんでも無茶だぜ!」

「そうだ!そんなので許されるのなら、わざわざアニキのファン達を奴らが磔刑にするか?!」


するとあんちゃんは久しぶりにニコっと笑います。


「フッ、奴らだってローマ軍人の前に、一人の人間だろ?ペテロ」

「いや、元大工。同情や詫びが通用する連中なら、アニキのファン達が磔刑にされる訳がない」


ちょっぴり焦るあんちゃん。しかし気を取り直して。。。


「少しは俺にカッコつけさせろよ。なぁ?マタイ」

「いいや、先生。本当にそういう問題じゃないですよ。あいつらは根っから処刑が大好きな人種なんです」


ヒヤリと汗をかくあんちゃん。されど気を取り直して。。。


「そんなこたーねぇよ、なぁ?シモン」

「処刑が禁止されてる俺たちに代わって、あいつらは獣の如くやり放題です。ゴルゴタの丘を髑髏だらけにさせたのも、奴らがやってきてからなんですから」


顔中蒼ざめながらも、必死に苦笑いしているあんちゃんは、弟子達に格好付けました。


「い、いいや!!そ、それでも俺は行くんだ!」

「マジかよ?!」

「俺のことは止めなくていいから、なっ?」

「で、でも〜」

「い、いいんだよ、お前ら弟子が止めようとも、俺は!ぜ、絶対に行くんだから!」


もはやあんちゃんの決意が硬いと感じた弟子達は、引き止めることをやめます。


「それじゃ、元大工。頑張って謝ってこいよ」

「え?ペテロ?!」

「ああ。その生き様と勇姿を、俺達は忘れないぜ!元ヤン」

「ちょ!ト、トマス?!」

「先生〜。あっしらの為に!先生は最高にシブいっす!」

「いや、あの、マタイ」

「く〜!皆まで言わないで下さい先輩!絶対には止めませんって!」

「いや、タダイ。何もそこまで言い切らなくても」


本当はダチョウ倶楽部の白々しいギャグのように、実は内心止めて欲しかったようなあんちゃんは、みんなに背中を向けたままです。


「今がチャンスだぞ、みんな!」

「うん?!」

「ほら、今、ここで!」

「何やってるんすか?先生」

「安心しろ、元大工。お前の屍は俺達が拾ってやるさ」

「クッ!!!」


もはや万事休すのあんちゃん。サラちゃんやマリヤの方にも、背中を向けながらチラチラ見ますが、心よりあんちゃんを見送っている様子。引き止めてくれなさそうです。そんな時でした!


「すまんが、こちらに愛の伝道師と名乗る若者はおるかね?」


パウロと同じファリサイレーベルの服装を着た、ヘンテコな爺さんが訪れてきたのです。これ幸いと思ったあんちゃんは、元気良く手を挙げました。


「はい!はーい!俺っす!俺が愛の伝道師でーっす!」

「あんたが有名な伝道師かい」

「いやー嬉しいな〜。奇遇だな〜。俺も爺さんに会いたかったのさ」


あんちゃんはすっかり爺さんの肩に手を回してます。


「本当かい?若者よ」

「あー本当だとも。あ、あれだろ?そう、あれだ!あのパウロの一件だろ?」

「おお!よくぞ!さすが救世主と呼ばれるだけあるな!」

「そ、そりゃー何でもお見通しだかんな、俺は。がっはははは〜」


白々しくこの場を去ろうとする、あんちゃんの魂胆が見え見えです。しかしそんなあんちゃんに、爺さんはニコニコしながら嬉しそうにしてます。


「気に入った!若者よ!ぜひおぬしの意見を聞かせてくれんかの?」

「まぁ、いいけど。爺さん、名前くらい教えてよ」

「おお、そうじゃった。わしはファリサイ派最高司祭をやっておるニコデモじゃ。宜しく楽しみますぞい、若者よ!」

「おお!こっちこそ宜しくな、ニコデモ爺さん!」


このファリサイ派の最高司祭であるニコデモ爺さんこそ、後々に多大なる影響を与えるのでした。


続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ