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第百五話

<大工のあんちゃん最終章 死闘!!エルサレム神殿編!!>


ローマ軍百人隊長ロンギヌスは、暴徒化する民衆を一喝し、そしてあんちゃんに声を荒げます。


「貴様!それがローマ軍に対する属州民の口の聞き方か?!」

「うるせぇーーーー!!ローマ軍がなんぼのもんじゃぁああ!!!かかって来いや!!!」


ボコーーーーーーン!!


怒り狂ったあんちゃんは、なんと!ロンギヌスに頭突きをかましたのです!弟子たちは唖然どころか、真っ青になってます。不意打ちを喰らったロンギヌスは、アブドーラ・ザ・ブッチャー宜しく額から流血しながら床に膝を付けますが、直ぐに体制を整えて短刀を取り出したのです!


シャキーーーン!キラッ!!


「このぉおおお!属州民めぇ!」


あんちゃんはアントニオ猪木宜しく顎を突き出して、どこまでも挑発を繰り返していたのでした!さて、一方、その頃をカヤパ達はというと。。。


「ユダ!でかしたザマス!!」

「へっへへ、計画通りローマ軍に通報したぜ!」

「百人隊長ロンギヌスに目をつけられたら、さすがのバカ伝道師も出も足も出無いザマス!」


するとユダは胸を張って威張るように手を出して、カヤパへ報酬金をせがみ始めます。


「なんザマスか?その手は?」

「約束の報酬じゃんかYO!」


しかしカヤパはもちろんユダにデコピンを食らわしました。


「痛っ〜!カヤパ様!何をするんだYO!?」

「調子乗るんじゃないザマス!まだ計画は半分ザマス!」

「え〜、もういいじゃん」

「まだまだ生温いザマス!あのバカ伝道師が、ちゃんとローマ軍に逮捕されたかどうかを、ユダ!あんたは今すぐ見てくるザマス!」

「アイアイさー!」


ロンギヌスの短刀が、アントニオ猪木の真似をして挑発するあんちゃんの左胸を捉えた時!すかさず2人の仲を割って入ったのは、アニキ・ザ・ヨハネのファン群衆でした!


「みんな!愛の伝道師を守れ!!」

「アニキが託した最後の救世主だ!」

「俺たちだって、ただ見てるだけじゃないんだ!!」


その隙にマタイとシモンの剛力コンビがあんちゃんを保護しながら、ロンギヌスの手の届かない場所へ引き離します。


「先生!こっちにきて下さい!」

「離へぇ!マタイ!あのローマ兵を俺わぁぶっ殺してやるんら!」

「無理ですよ!先生!奴らは戦闘のプロなんですから!」

「うるへぇシモン!俺も燃える闘魂のプロだぁ!」

「何をワケの分からない事を言ってるんですか?!」


2人が必死にあんちゃんを引き離したおかげで、アニキのファン達が次々とロンギヌスの目の前に集まり、身動きを取れなくさせていきます。


「き、貴様ら!何をやっているのか分かっているのか?!」

「ああ!分かっているさ!」

「ローマ軍の百人隊長である、このロンギヌスに歯向かったら、貴様ら全員逮捕だぞ!」

「分かってら!1人1人は非力でも、俺たちはアニキのパンクの精神を忘れないのさ!」


彼らは必死に束になって、あんちゃんを守るため、ロンギヌスの前で次々と人壁になっていきました。手を伸ばしても、どんどん遠くなるあんちゃんの姿を、憤慨して睨み続けるロンギヌス。


「覚えていろ!!!元大工よ!貴様だけは許さんんん!!!」


その夜、あんちゃんを囲んで大反省会です。特に裏拳を喰らったペテロとトマスの2人は、ロンギヌスに頭突きしたあんちゃんに激憤です。


「元大工!お前は前からバカだと思ってたけど、まさかここまでバカだったとは!」

「ペテロの言うとおりだ、元ヤン!怒り狂って頭突きなんて、誰がどう見たって無茶無謀野郎だ!」


しかしあんちゃんはまるっきり反省してませんでした。


「ガタガタてめーらうるせぇんだよ!」

「?!」

「俺をインチキ呼ばわりしたペテロも!損得でしか物事を見れない民衆も!そして、俺止めようとした貴様らペテロもトマスも!何も分かっちゃいねぇ!」

「嘘つけ!元大工!お前は自分がムカついただけなんだろ?!」

「そうさ!元ヤン。自分の事は棚に上げて、他人を責めるなんて、いつものお前らしくねーじゃんか!」


カチン!

あんちゃんはそのトマスの言葉に、さらにブチ切れます。


「んだとコラ?!いつもの俺らしいって何なんだよ?!なんだかんだてめーらだって、俺の人気を利用してるだけじゃねーか!それなら自分勝手な他人に振り回されている俺は、どうでもいいのかよ?!」

「ったくよぉお!元ヤン!てめーは小せえ器だよ!!」

「んだとゴラぁあああ!」


ブチ切れてメンチ切るトマスに、あんちゃんもブチ切れ返してます。だが、トマスは目を逸らさず訴え掛けるのでした。


「てめーは世界中でビッグになりてぇーっんだろうが?!あああん?!元ヤンよ!それなのに!愛の伝道師が暴力振り回してどうするんだ?!陽気でユーモアのあるいつものお前なら、知恵を振り回して太陽神アポロンみたいに輝いてたじゃねーか!」


トマスから発せられた義憤の叫びは、まさにその通りでした。目立ちたがり屋でも、あんちゃんがみんなから愛される理由には、陽気でユーモアで、ちょっぴりエッチだけど、決して捻くれず、自分の目指す先を忘れず、でも気遣いができる優しさがあったからです。


「トマス!言いたいことはそれだけか?!」

「ああ!」


トマスの生意気な意見に、あんちゃんもとうとう本気でブチ切れようとしたその時!ある人物が駆け込んできました。


「ブラザー!た、大変だ!」

「ユ、ユダ?!」


あのユダが息もゼーゼーハーハー言わせながら、あんちゃんの元へ近付きました。みんなはびっくりしてます。あんちゃんもびっくりです。


「ブラザーを庇ったアニキのファン達が、ローマ軍に捕まって処刑になったんだYO!」

「な、何だって?!」


続く


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